ホットペッパーグルメ外食総研による外食市場調査※の2020年11月度調査結果では、外食市場規模は2,504億円(前年同月比−889億円)で、前月(前年比80.5%)から6.7ポイント後退した。
外食単価の低下で市場規模が縮小
2020年11月の外食市場規模は、3圏域合計で2,504億円。前年同月比(以下、前年比)は−889億円で、10月(前年比−613億円)に比べ、マイナス幅がやや拡大した。前年比は73.8%で、10月の同80.5%から6.7ポイント後退した。
外食実施率(64.6%、前月64.5%)、頻度(3.80回/月、前月3.79回/月)、単価(2,502円、前月2,538円)の主要3指標は3圏域とも前年比マイナスとなり、8~10月の3カ月連続で回復傾向にあった市場規模のマイナス幅が再び拡大した。外食実施率と外食頻度は前月と比べるとほぼ同水準だが、単価が前月より下落したことで外食市場規模のマイナス幅が拡大の要因となった。
圏域別では、首都圏の市場規模前年比は69.2%(前月:74.7%)、関西圏は同83.2%(前月:89.3%)、東海圏は同77.4%(前月:90.9%)と、新型コロナウイルス第3波襲来が最も早かった首都圏で最も低迷しているものの、前月からの率の下げ幅では東海圏での後退が目立った。
12月にはGo To TravelやEatキャンペーンの一時停止や飲食店の営業時間短縮が要請される等あり、飲食業の繁忙期に、大きな影響が予想される。
2020年11月の外食実施率は64.6%
前月比増減+0.1pt、前年比増減−11.8pt。
2020年11月の外食頻度は3.80回/月
前月比増減+0.01回、前年比増減−0.42回。
2020年11月の外食単価は2,502円
前月比増減−36円、前年比増減−60円。
2020年11月の外食市場規模は2504億円
前月比増減−23億円、前年比増減−889億円。
スナックはじめ3業態が前年水準の9割超を確保
業態別では、「居酒屋」(前年比増減−338億円)、「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」(同−67億円)、「和食料理店」(同−65億円)等、9カ月連続して主要16業態すべてで市場規模が前年比マイナス。ただ、「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」(前年比95.1%)、「アジアン料理店」(同91.3%)、「すき焼き、しゃぶしゃぶ、鍋、おでん等の専業店」(同90.5%)の3業態では、前年水準の9割超を確保した。
食事主体業態は前年比81.5%(前月87.2%)、飲酒主体業態は同58.5%(前月67.1%)、軽食主体業態は同74.8%(前月76.0%)とそれぞれマイナス幅が拡大した。飲酒主体業態の中心で市場規模に影響力の大きい「居酒屋」は前年比55.3%(前月66.4%)も後退した。
延べ外食回数が前年を上回った業態はまだなく、一方、単価については前年実績を上回った業態が「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」をはじめ7業態あった。
前年比プラス業態
なし
前年比±0の業態
なし
前年比マイナス業態
「和食料理店」「中華料理店」「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」「フレンチ・イタリアン料理店」「アジアン料理店」「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」「お好み焼き、鉄板焼き等の専業店」「すき焼き、しゃぶしゃぶ、鍋、おでん等の専業店」「ファミリーレストラン、回転すし等」「ラーメン、そば、うどん、パスタ、ピザ等の専業店」「居酒屋」「バー、バル、ワインバー、ビアホール、パブ」「カラオケボックス」「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」「ファストフード」「牛丼、カレー等一品もの専売業態」
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査は、リクルートライフスタイル(東京都千代田区、淺野健社長)の外食に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」が行っている調査。毎月、首都圏・東海圏・関西圏の約9,000~1万人を対象に「外食市場調査」を実施している。
この「外食市場調査」では、圏域内の生活者による毎日の夕方以降の食事や飲酒について、外食と中食の内容(場所、相手、単価など)をヒアリングし、毎月の外食市場の動きを継続的に可視化している。3圏域限定で朝食・昼食は含まない市場調査ではあるが、飲食店などの事業所ヒアリングではなく、生活者に直接ヒアリングを行っていることから、性年代別や相手別の消費動向がわかり、外食している街や業種の情報が取得できていることが特徴。