ホットペッパーグルメ外食総研による外食市場調査※の2020年10月度調査結果では、2020年10月の外食市場規模は2,527億円。前年比80.5%で、前月から10.4ポイントの回復を見た。
外食単価が上昇。実施率と頻度もマイナス幅縮小
2020年10月の外食市場規模は、3圏域合計で2527億円。前年同月比(以下、前年比)は−613億円。前年比は80.5%で、9月の同70.1%からは10.4ポイントの回復。8月の同60.5%と比べると、約2割回復した。また、前年同月比の下げ幅も、8月の前年比−1375億円、9月の同−945億円に比べると、マイナス幅が順調に縮小してきている。
外食単価(2,538円)が前年実績(2,529円)を上回ったことと、外食実施率(64.5%)・外食頻度(3.79回/月)ともにマイナス幅が縮小したことが市場規模の改善につながった。外食単価は2カ月連続で前年比プラスとなっており、9月は前年実績が消費税増税前だったという有利な事情があったが、10月については前年も増税後で、2012年の調査開始以来の10月としての過去最高額を更新した。
圏域別には、外食市場規模の前年比が首都圏74.7%(前月70.8%)、関西圏89.3%(同70.9%)、東海圏では90.9%(同64.5%)となっており、東海圏と関西圏で急回復が見られた。10月にはGo To Eatキャンペーンも始まっていたことから、外食市場が回復基調にあったと考えられるが、11月には再び飲食店の営業時間短縮が要請されるなど、今後はまだ不透明だ。
2020年10月の外食実施率は64.5%
前月比増減+4.1pt、前年比増減−9.9pt。
2020年10月の外食頻度は3.79回/月
前月比増減+0.16回、前年比増減−0.27回。
2020年10月の外食単価は2,538円
前月比増減+58円、前年比増減+9円。
2020年10月の外食市場規模は2527億円
前月比増減+307億円、前年比増減−613億円。
回復傾向見られるが予断を許さず
業態別では、「居酒屋」(前年比増減−234億円)、「和食料理店」(同−79億円)等、8カ月連続して主要16業態すべてで市場規模が前年比マイナス。ただ、「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」(前年比97.5%)「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」(同95.2%)、「ラーメン、そば、うどん、パスタ、ピザ等の専業店」(同94.4%)等は前年並みに近いところまで売上を戻しており、回復傾向が見られる。
飲酒主体業態も前年比で67.1%(前月比6.4ポイント増)まで戻し、その中心である「居酒屋」は前年比66.4%(まで回復してきた。
また、単価については前年実績を上回った業態が12業態あった。
とは言え、延べ外食回数が前年を上回った業態はまだない。
11月にはまた新型コロナウイルスの感染拡大第3波に関連して大都市圏を中心に飲酒業態への時短要請がなされたこともあり、来月の推移は楽観できない状況にある。
前年比プラス業態
なし
前年比±0の業態
なし
前年比マイナス業態
「和食料理店」「中華料理店」「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」「フレンチ・イタリアン料理店」「アジアン料理店」「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」「お好み焼き、鉄板焼き等の専業店」「すき焼き、しゃぶしゃぶ、鍋、おでん等の専業店」「ファミリーレストラン、回転すし等」「ラーメン、そば、うどん、パスタ、ピザ等の専業店」「居酒屋」「バー、バル、ワインバー、ビアホール、パブ」「カラオケボックス」「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」「ファストフード」「牛丼、カレー等一品もの専売業態」
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査は、リクルートライフスタイル(東京都千代田区、淺野健社長)の外食に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」が行っている調査。毎月、首都圏・東海圏・関西圏の約9,000~1万人を対象に「外食市場調査」を実施している。
この「外食市場調査」では、圏域内の生活者による毎日の夕方以降の食事や飲酒について、外食と中食の内容(場所、相手、単価など)をヒアリングし、毎月の外食市場の動きを継続的に可視化している。3圏域限定で朝食・昼食は含まない市場調査ではあるが、飲食店などの事業所ヒアリングではなく、生活者に直接ヒアリングを行っていることから、性年代別や相手別の消費動向がわかり、外食している街や業種の情報が取得できていることが特徴。