ホットペッパーグルメ外食総研による外食市場調査※の2020年9月度調査結果では、外食市場規模は前年比70.1%となり、前月比で9.6ポイントの改善を見た。
首都圏の回復が顕著
2020年9月の外食市場規模は2220億円(前年同月比−949億円)
2020年9月の外食市場規模は、3圏域合計で2,220億円。前年同月比(以下、前年比)は−945億円。前年比は70.1%で、8月の同60.5%と比べると、9.6ポイント改善した。また、前年同月比の下げ幅は8月の前年比−1,375億円よりマイナス幅が縮小した。前年比減少幅が1,000億円を切ったのは、2020年2月以来7カ月ぶりである。
外食単価(2,480円)が前年実績(2,447円)を上回ったことと、外食実施率が2020年3月以来の6割台(60.4%)に改善し、マイナス幅が縮小したことが市場規模の改善につながった。圏域別には、外食市場規模の前年比が首都圏70.8%(前月57.2%)と急回復した他、関西圏70.9%(同66.8%)と堅調だった一方、東海圏では64.5%(同63.1%)と回復が遅れている。
9月は前年に比べて日曜が1日少ない外食には不利なカレンダーだったことや前年より雨の日が多かった影響もあると思われるが、次月10月にはGo To Eatキャンペーンも始まっていることから、さらなる外食市場の回復に期待がかかる。
2020年9月の外食実施率は60.4%
前月比増減+2.9pt、前年比増減−15.6pt。
2020年9月の外食頻度は3.63回/月
前月比増減−0.10回、前年比増減−0.52回。
2020年9月の外食単価は2,480円
前月比増減+76円、前年比増減+33円。
2020年9月の外食市場規模は2220億円
前月比増減+119億円、前年比増減−949億円。
アルコール系と和食で客単価が上昇
業態別では、「居酒屋」(前年比増減−296億円)、「和食料理店」(同−90億円)、「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」(同−73億円)等、7カ月連続して主要16業態全てで市場規模が前年比マイナス。
ただ、「和食料理店」(前年比80.0%)、「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」「バー、バル、ワインバー、ビアホール、パブ」(ともに同78.6%)等はマイナス幅が比較的小さく、着実な回復が見られる。飲酒主体業態も前年比で60.8%(前月比13.0ポイント増)まで戻し、その中心である「居酒屋」は前年比57.8%(同8.2ポイント増)まで回復してきた。
とはいえ、延べ外食回数が前年を上回った業態はまだなく、一方、単価については前年を上回った業態が「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」(前年比+3,928円)、「バー、バル、ワインバー、ビアホール、パブ」(前年比+451円)、「和食料理店」(前年比+368円)など11業態あった。
前年比プラス業態
なし
前年比±0の業態
なし
前年比マイナス業態
「和食料理店」「中華料理店」「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」「フレンチ・イタリアン料理店」「アジアン料理店」「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」「お好み焼き、鉄板焼き等の専業店」「すき焼き、しゃぶしゃぶ、鍋、おでん等の専業店」「ファミリーレストラン、回転すし等」「ラーメン、そば、うどん、パスタ、ピザ等の専業店」「居酒屋」「バー、バル、ワインバー、ビアホール、パブ」「カラオケボックス」「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」「ファストフード」「牛丼、カレー等一品もの専売業態」
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査は、リクルートライフスタイル(東京都千代田区、淺野健社長)の外食に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」が行っている調査。毎月、首都圏・東海圏・関西圏の約9,000~1万人を対象に「外食市場調査」を実施している。
この「外食市場調査」では、圏域内の生活者による毎日の夕方以降の食事や飲酒について、外食と中食の内容(場所、相手、単価など)をヒアリングし、毎月の外食市場の動きを継続的に可視化している。3圏域限定で朝食・昼食は含まない市場調査ではあるが、飲食店などの事業所ヒアリングではなく、生活者に直接ヒアリングを行っていることから、性年代別や相手別の消費動向がわかり、外食している街や業種の情報が取得できていることが特徴。