ホットペッパーグルメ外食総研による外食市場調査※の2020年6月度調査結果では、外食市場規模は3圏域合計で1,873億円。4・5月に比べるとやや持ち直した。
3圏域とも市場規模は前年比5割以上
2020年6月の外食市場規模は、3圏域合計で1,873億円。前年同月比(以下、前年比)は−1,466億円。3圏域すべてで市場規模の前年比は5割以上となり、3圏域計の前年比が2割台であった4・5月に比べるとやや持ち直した。
外食実施率は53.8%。依然として全性年代で外食実施率の前年比がマイナスだが、4・5月に比べるとマイナス幅は小さくなり回復傾向にある。外食頻度は3.32回/月で、こちらも4・5月に比べると前年比のマイナス幅は小さくなっている。また、外食単価は2,574円(前年比+7円)と4カ月ぶりに前年実績超え。後述するが、飲酒主体の業態がやや持ち直したことが単価の上昇に寄与したと思われる。
性年代別では、外食実施率が40~60代女性以外では5割を超えた。40~60代女性は新型コロナウイルスの流行初期の段階でも早めに外食控えが見られた性年代だ。外食や外食に慎重な態度がここでも影響していると考えられる。なお、2020年1~6月の半年計では、市場規模が前年同期比59.6%となっている。
2020年6月の外食実施率は 53.8%
前月比増減 +22.4pt、前年比増減 −22.0pt。
2020年6月の外食頻度は 3.32回/月
前月比増減 +0.24回、前年比増減 −0.86回。
2020年6月の外食単価は 2,574円
前月比増減 +486円、前年比増減 +7円。
2020年6月の外食市場規模は 1873億円
前月比増減 +1048億円、前年比増減 −1466億円。
「牛丼、カレー等」「焼肉、ステーキ等」は前年比約7割まで回復
業態別では4カ月連続して主要16業態すべてで市場規模が前年比マイナス。「居酒屋」(前年比増減−374億円)、「和食料理店」(同−160億円)、「フレンチ・イタリアン料理店」(前年比増減−122億円)等、もともとの市場規模が大きかった業態で減少が続いている。
ただ、「牛丼、カレー等、一品もの専売業態」(市場規模前年比69.9%)、「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」(同67.2%)等はマイナス幅が比較的小さくなっている。
延べ外食回数が前年を上回った業態はなく、単価が前年を上回ったのは「フレンチ・イタリアン料理店」(前年比+483円)、「カラオケボックス」(前年比+449円)、「バー、バル、ワインバー、ビアホール、パブ」(前年比+400円)等10業態だった。
市場規模の増減率で見ると、前年同月比増減率では、食事主体業態・計が前年比60.4%、飲酒主体業態・計が同51.5%、軽食主体業態・計が同60.7%と、飲酒主体業態でも前年比では5割までは回復してきている。
前年比プラス業態
なし
前年比±0の業態
なし
前年比マイナス業態
「和食料理店」「中華料理店」「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」「フレンチ・イタリアン料理店」「アジアン料理店」「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」「お好み焼き、鉄板焼き等の専業店」「すき焼き、しゃぶしゃぶ、鍋、おでん等の専業店」「ファミリーレストラン、回転すし等」「ラーメン、そば、うどん、パスタ、ピザ等の専業店」「居酒屋」「バー、バル、ワインバー、ビアホール、パブ」「カラオケボックス」「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」「ファストフード」「牛丼、カレー等一品もの専売業態」
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査は、リクルートライフスタイル(東京都千代田区、淺野健社長)の外食に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」が行っている調査。毎月、首都圏・東海圏・関西圏の約9,000~1万人を対象に「外食市場調査」を実施している。
この「外食市場調査」では、圏域内の生活者による毎日の夕方以降の食事や飲酒について、外食と中食の内容(場所、相手、単価など)をヒアリングし、毎月の外食市場の動きを継続的に可視化している。3圏域限定で朝食・昼食は含まない市場調査ではあるが、飲食店などの事業所ヒアリングではなく、生活者に直接ヒアリングを行っていることから、性年代別や相手別の消費動向がわかり、外食している街や業種の情報が取得できていることが特徴。