ホットペッパーグルメ外食総研による外食市場調査※の2020年3月度調査結果では、外食市場規模が過去最低額を記録。外食実施率と外食頻度が過去最低値で、外食単価も低下した。
外食実施率・頻度が低下。首都圏では外食単価低下も顕著
2020年3月の外食市場規模は、3圏域合計で2,168億円。前年同月比(以下前年比)は−1,500億円で、2012年の調査開始以来過去最低額かつ過去最大の下げ幅となった。外食実施率と外食頻度も調査開始以来最低値で、また、外食単価も3月としては調査開始以来の過去最低額であった。
新型コロナウイルス感染拡大防止のために消費者が外出および外食を自粛したことによる影響が大きいと考えられる。
圏域別の市場規模では、首都圏が前年比−43.7%と最も下げ幅が大きく、東海圏が同−39.6%、関西圏が同−35.1%であった。首都圏の市場規模の縮小は外食単価の低下による影響が大きかった。
性年代別では、中高年女性で外食実施率が前年比マイナス20ポイント以上(40代女性:−21.2pt、50代女性:−22.1pt、60代女性:−22.7pt)と外食控えが目立った。中高年男性では外食単価の前年比減少が目立った(40代男性:−340円、50代男性:−450円、60代男性:−537円)。
2020年3月の外食実施率は60.1%
前月比増減−12.5pt、前年比増減−17.1pt。
2020年3月の外食頻度は3.67回/月
前月比増減−0.27回、前年比増減−0.68回。
2020年3月の外食単価は2,395円
前月比増減−208円、前年比増減−244円。
2020年3月の外食市場規模は2168億円
前月比増減−893億円、前年比増減−1500億円。
アルコール業態に打撃大。5つの業態では単価上昇
業態別では主要16業態はいずれも市場規模が前年比マイナス。「居酒屋」(前年比増減−429億円)、「和食料理店」(同−205億円)、「フレンチ・イタリアン料理店」(前年比増減−122億円)「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」(前年比増減−121億円)等を中心に前年を下回った。
延べ外食回数が前年を上回った業態はない。単価が前年を上回ったのは「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」(前年比+460円)、「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」(前年比+42円)、「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」(前年比+32円)、「牛丼、カレー等一品もの専売業態」(前年比+20円)、「ファストフード」(前年比+13円)、の5業態だった。
食事主体の業態よりも飲酒主体の業態の前年割れが目立ち、「バー、バル、ワインバー、ビアホール、パブ」「カラオケボックス」では前年実績に比べ市場規模が半減以下となっている。
前年比プラス業態
なし
前年比±0の業態
なし
前年比マイナス業態
「和食料理店」「中華料理店」「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」「フレンチ・イタリアン料理店」「アジアン料理店」「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」「お好み焼き、鉄板焼き等の専業店」「すき焼き、しゃぶしゃぶ、鍋、おでん等の専業店」「ファミリーレストラン、回転すし等」「ラーメン、そば、うどん、パスタ、ピザ等の専業店」「居酒屋」「バー、バル、ワインバー、ビアホール、パブ」「カラオケボックス」「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」「ファストフード」「牛丼、カレー等一品もの専売業態」
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査は、リクルートライフスタイル(東京都千代田区、淺野健社長)の外食に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」が行っている調査。毎月、首都圏・東海圏・関西圏の約9,000~1万人を対象に「外食市場調査」を実施している。
この「外食市場調査」では、圏域内の生活者による毎日の夕方以降の食事や飲酒について、外食と中食の内容(場所、相手、単価など)をヒアリングし、毎月の外食市場の動きを継続的に可視化している。3圏域限定で朝食・昼食は含まない市場調査ではあるが、飲食店などの事業所ヒアリングではなく、生活者に直接ヒアリングを行っていることから、性年代別や相手別の消費動向がわかり、外食している街や業種の情報が取得できていることが特徴。