ホットペッパーグルメ外食総研による外食市場調査※の2020年1月度調査結果では、外食市場規模が3266億円となり、6カ月ぶりに前年同月を上回った。前年割れが続いていた「居酒屋」「和食料理店」もプラスに転じた。
外食市場規模は前年同月比+26億円
2020年1月の外食市場規模は、3圏域合計で3266億円。前年同月比(以下、前年比)は+26億円と、6カ月ぶりに前年を上回った。外食実施率と頻度は前年比マイナスで、とくに外食頻度は2012年10月の調査開始以来、1月としては最低値であった。しかし、外食単価が同過去最高額(2,679円、前年比+70円)を記録し、外食市場規模の前年比がプラスに転じた。
増税後4カ月において、外食単価が前年を上回ったのは当月が3回目だが、3圏域計で増税された2%分以上に相当する単価アップとなったのは、当月が初めてである。
圏域別では、関西圏が外食実施率・頻度・単価とも前年比プラスを記録し、市場をけん引した。首都圏は前年比マイナス、東海圏は前年比プラスとなっている。消費者の“節約疲れ”等が単価アップに現れた可能性があるかもしれない。
2020年1月の外食実施率は 75.3%
前月比増減 −2.2pt、前年比増減 −0.4pt。
2020年1月の外食頻度は 3.94回/月
前月比増減 −0.33回、前年比増減 −0.02回。
2020年1月の外食単価は 2,679円
前月比増減 −294円、前年比増減 +70円。
2020年1月の外食市場規模は 3266億円
前月比増減 −773億円、前年比増減 +26億円。
“ごちそう系”などが好調
業態別では、主要16業態中、市場規模が前年比プラスだったのは6業態であった。「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」(前年比増減+23億円)、「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」(同+15億円)等で前年を上回った。
一方、「フレンチ・イタリアン料理店」(前年比増減−14億円)「ラーメン、そば、うどん、パスタ、ピザ等の専業店」(前年比増減−8億円)等で、市場規模が前年を下回った。
延べ外食回数でもっとも伸びたのは「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」で前年比+20万回、また、単価が最も伸びたのは「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」で前年比+2,957円だった。
「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」「牛丼、カレー等一品もの専売業態」は延べ外食回数、単価とも前年を上回った。前月まで「居酒屋」は7カ月連続、「和食料理店」は5カ月連続して市場規模が前年比マイナスを続けていたが、両業態とも2020年1月は前年実績を上回った。
前年比プラス業態
「和食料理店」「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」「すき焼き、しゃぶしゃぶ、鍋、おでん等の専業店」「居酒屋」「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」「牛丼、カレー等一品もの専売業態」
前年比±0の業態
なし
前年比マイナス業態
「中華料理店」「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」「フレンチ・イタリアン料理店」「アジアン料理店」「お好み焼き、鉄板焼き等の専業店」「ファミリーレストラン、回転すし等」「ラーメン、そば、うどん、パスタ、ピザ等の専業店」「バー、バル、ワインバー、ビアホール、パブ」「カラオケボックス」「ファストフード」
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査は、リクルートライフスタイル(東京都千代田区、淺野健社長)の外食に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」が行っている調査。毎月、首都圏・東海圏・関西圏の約9,000~1万人を対象に「外食市場調査」を実施している。
この「外食市場調査」では、圏域内の生活者による毎日の夕方以降の食事や飲酒について、外食と中食の内容(場所、相手、単価など)をヒアリングし、毎月の外食市場の動きを継続的に可視化している。3圏域限定で朝食・昼食は含まない市場調査ではあるが、飲食店などの事業所ヒアリングではなく、生活者に直接ヒアリングを行っていることから、性年代別や相手別の消費動向がわかり、外食している街や業種の情報が取得できていることが特徴。