ホットペッパーグルメ外食総研による外食市場調査※の2019年9月度調査結果では、外食市場規模は2カ月連続で前年割れとなった。とくに台風が直撃した首都圏のマイナスが大きい。関西圏でも外食頻度と単価は伸びなかった。
台風直撃の首都圏のマイナス響く
2019年9月の外食市場規模は、3圏域合計で3169億円。前年同月比(以下、前年比)は−76億円と大幅マイナスで、2カ月連続して前年を下回った。外食実施率は2013年の調査開始以来、9月としては過去最高を記録したが、外食頻度と単価が前年割れし、外食市場規模も前年比で縮小した。
とくに首都圏では外食実施率・頻度・単価ともに前年割れとなり、市場規模の前年比が−94億円と3圏域合計を上回る減少幅であった。
9月は前年に比べて土曜が1日少ない外食業界には不利なカレンダーであったことに加え、首都圏には台風15号が直撃したことで、千葉県などで大きな被害が出ており、いまだにその影響は続いていると考えられる。逆に、前年9月に台風21号が直撃した関西圏では、外食実施率が前年比で大きく回復した。
また、9月は消費税増税の直前月だったことから、節約志向が働いた可能性もあり、外食頻度と単価は首都圏と関西圏で前年割れした。
2019年9月の外食実施率は76.0%
前月比増減−1.1pt、前年比増減+0.1pt。
2019年9月の外食頻度は4.15回/月
前月比増減−0.21回、前年比増減−0.06回。
2019年9月の外食単価は2,447円
前月比増減−67円、前年比増減−8円。
2019年9月の外食市場規模は3169億円
前月比増減−307億円、前年比増減−76億円。
麺類専業の利用増。居酒屋前年割れ4カ月
業態別では、主要16業態中、市場規模が前年比プラスだったのは5業態にとどまった。「フレンチ・イタリアン料理店」「ファミリーレストラン、回転寿司」「牛丼、カレー等一品もの専売業態」は2カ月連続して市場規模が前年超え。ほか、「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」(前年比増減+9億円)、「ラーメン、そば、うどん、パスタ、ピザ等の専業店」(同+8億円)で前年を上回った。
一方、「和食料理店」(前年比増減−24億円)、「バー、バル、ワインバー、ビアホール、パブ」(前年比増減−19億円)、「居酒屋」(前年比増減−18億円)等11業態で、市場規模が前年を下回った。なかでも「中華料理店」「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」「居酒屋」は4カ月連続で市場規模が前年割れとなった。
延べ外食回数でもっとも伸びたのは「ラーメン、そば、うどん、パスタ、ピザ等の専業店」で前年比+40万回。
単価が最も伸びたのは「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」で前年比+347円だった。
前年比プラス業態
「フレンチ・イタリアン料理店」「ファミリーレストラン、回転寿司」「ラーメン、そば、うどん、パスタ、ピザ等の専業店」「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」「牛丼、カレー等一品もの専売業態」
前年比±0の業態
なし
前年比マイナス業態
「和食料理店」「中華料理店」「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」「アジアン料理店」「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」「お好み焼き、鉄板焼き等の専業店」「すき焼き、しゃぶしゃぶ、鍋、おでん等の専業店」「居酒屋」「バー、バル、ワインバー、ビアホール、パブ」「カラオケボックス」「ファストフード」
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査は、リクルートライフスタイル(東京都千代田区、淺野健社長)の外食に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」が行っている調査。毎月、首都圏・東海圏・関西圏の約9,000~1万人を対象に「外食市場調査」を実施している。
この「外食市場調査」では、圏域内の生活者による毎日の夕方以降の食事や飲酒について、外食と中食の内容(場所、相手、単価など)をヒアリングし、毎月の外食市場の動きを継続的に可視化している。3圏域限定で朝食・昼食は含まない市場調査ではあるが、飲食店などの事業所ヒアリングではなく、生活者に直接ヒアリングを行っていることから、性年代別や相手別の消費動向がわかり、外食している街や業種の情報が取得できていることが特徴。