ホットペッパーグルメ外食総研による外食市場調査※の2019年8月度調査結果では、外食単価が8月としては過去最高だったが、市場規模は2カ月ぶりマイナスの結果となった。
20代と40代の外食単価が伸びた
2019年8月の外食市場規模は、3圏域合計で3476億円。前年同月比(以下、前年比)は−26億円で2カ月ぶりに前年を下回った。8月としては2013年の調査開始以来、過去最高の外食単価(2,514円、前年比+5円)を記録したものの、外食実施率が3圏域とも前年割れしたことで、首都圏以外の市場規模が前年割れし、3圏域合計でも前年割れで終わった。
8月は前年に比べて土曜が1日多く、さらに土曜と重ならない祝日も1日多いという外食には有利なカレンダーであったが、全国的に前年に比べて雨の日が多く、とくに西日本では日照時間も少なかった。天候が外食実施率を引き下げた一因と思われる。
外食単価は20代と40代で男女とも前年比プラスで、とくに20代男性では2,368円(前年比+132円)と大きく伸びた。一方、50代では男女ともに単価が前年割れしている。外食実施率については、20代男性と60代女性以外は前年割れした。
2019年8月の外食実施率は77.1%
前月比増減+1.1pt、前年比増減−0.9pt。
2019年8月の外食頻度は4.36回/月
前月比増減+0.13回、前年比増減+0.04回。
2019年8月の外食単価は2,514円
前月比増減−118円、前年比増減+5円。
2019年8月の外食市場規模は3476億円
前月比増減−2億円、前年比増減−26億円。
肉系の利用回数が伸びる
業態別では、主要16業態中、市場規模が前年比プラスだったのは6業態。「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」(前年比増減+27億円)、「フレンチ・イタリアン料理店」(同+20億円)、等で前年を上回った。
逆に「居酒屋」(前年比増減−37億円)、「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」前年比増減−22億円)等9業態では、市場規模が前年を下回った。
延べ外食回数でもっとも伸びたのは「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」で前年比+56万回。単価が最も上昇したのは「バー、バル、ワインバー、ビアホール、パブ」で、前年比+221円だった。
「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」は先月まで4カ月連続して市場規模が前年超えしていたが、今月はマイナスに転落。「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」は先々月まで13カ月連続して年市場規模を上回った後、7月は前年比マイナスに転落したが1カ月でまた前年実績越えに戻している。
前年比プラス業態
「フレンチ・イタリアン料理店」「アジアン料理店」「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」「ファミリーレストラン、回転寿司」「バー、バル、ワインバー、ビアホール、パブ」「牛丼、カレー等一品もの専売業態」
前年比±0の業態
「すき焼き、しゃぶしゃぶ、鍋、おでん等の専業店」
前年比マイナス業態
「和食料理店」「中華料理店」「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」「お好み焼き、鉄板焼き等の専業店」「ラーメン、そば、うどん、パスタ、ピザ等の専業店」「居酒屋」「カラオケボックス」「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」「ファストフード」
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査は、リクルートライフスタイル(東京都千代田区、淺野健社長)の外食に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」が行っている調査。毎月、首都圏・東海圏・関西圏の約9,000~1万人を対象に「外食市場調査」を実施している。
この「外食市場調査」では、圏域内の生活者による毎日の夕方以降の食事や飲酒について、外食と中食の内容(場所、相手、単価など)をヒアリングし、毎月の外食市場の動きを継続的に可視化している。3圏域限定で朝食・昼食は含まない市場調査ではあるが、飲食店などの事業所ヒアリングではなく、生活者に直接ヒアリングを行っていることから、性年代別や相手別の消費動向がわかり、外食している街や業種の情報が取得できていることが特徴。