ホットペッパーグルメ外食総研による外食市場調査※の2019年4月度調査結果では、外食市場規模が4カ月ぶりに前年を上回った。また、外食単価は4月としては過去最高値となった。
外食市場規模・外食単価は4月としては過去最高額
2019年4月の外食市場規模は、3圏域合計で3,426億円。前年同月比(以下、前年比)は+14億円で、4カ月ぶりに前年を上回った。また、4月としては2013年の調査開始以来、過去最高額となっている。ただし、首都圏と東海圏は前年比マイナスであり、関西圏の数字が全体を押し上げた形。
外食実施率(76.5%、前年比−0.1ポイント)は前年割れしたが、外食頻度(4.18回/月、前年比+0.01回)と外食単価(2,604円、前年比+23円)が3カ月連続の前年割れから回復し、とくに外食単価は、4月としては過去最高値であった。
4月はGWの10連休の前半であったが、前年に比べて土・日・祝日の合計日数は同じで、10連休の影響は来月に持ち越された可能性が高い。天候については首都圏は前年よりやや雨の日数が多く、関西圏では逆に少なかった。外食市場規模もこれに沿った増減となっており、どちらかというと市場は天候に影響を受けた可能性がありそうだ。
また、令和を控えたお祝いムードが外食単価を引き上げた可能性も考えられる。
2019年4月の外食実施率は76.5%
前月比増減−0.7pt、前年比増減−0.1pt。
2019年4月の外食頻度は4.18回/月
前月比増減−0.17回、前年比増減+0.01回。
2019年4月の外食単価は2,604円
前月比増減−35円、前年比増減+23円。
2019年4月の外食市場規模は3,426億円
前月比増減−242億円、前年比増減+14億円。
肉系は11カ月連続で市場規模前年比プラス
業態別では、主要16業態中、8業態で市場規模が前年比プラス。「和食料理店」(前年比増減+37億円)、「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」(同+24億円)、「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」(同+16億円)等で前年を上回った。
逆に「居酒屋」(前年比増減−39億円)、「バー、バル、ワインバー、ビアホール、パブ」(前年比増減−20億円)等では、市場規模が前年を下回った。
延べ外食回数でもっとも伸びたのは「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」で前年比+79万回、また、単価が最も伸びたのは「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」で前年比+2,656円だった。
連続して前年の市場規模を上回っている業態は「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」が11カ月連続。「ファストフード」は先月まで8カ月連続前年実績を超えていたが、今月は前年比−2億円で記録がストップ。
「フレンチ・イタリアン料理店」は、市場規模が6カ月連続して前年割れと不調が継続している。
※今月から主要16業態で「ラーメン、そば、うどん、パスタ、ピザ等の専業店」を「その他各国料理店」に入れ替えしている。
前年比プラス業態
「和食料理店」「中華料理店」「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」「すき焼き、しゃぶしゃぶ、鍋、おでん等の専業店」「ファミリーレストラン、回転寿司」「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」「牛丼、カレー等一品もの専売業態」
前年比±0の業態
なし
前年比マイナス業態
「フレンチ・イタリアン料理店」「アジアン料理店」「お好み焼き、鉄板焼き等の専業店」「ラーメン、そば、うどん、パスタ、ピザ等の専業店」「居酒屋」「バー、バル、ワインバー、ビアホール、パブ」「カラオケボックス」「ファストフード」
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査は、リクルートライフスタイル(東京都千代田区、淺野健社長)の外食に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」が行っている調査。毎月、首都圏・東海圏・関西圏の約9,000~1万人を対象に「外食市場調査」を実施している。
この「外食市場調査」では、圏域内の生活者による毎日の夕方以降の食事や飲酒について、外食と中食の内容(場所、相手、単価など)をヒアリングし、毎月の外食市場の動きを継続的に可視化している。3圏域限定で朝食・昼食は含まない市場調査ではあるが、飲食店などの事業所ヒアリングではなく、生活者に直接ヒアリングを行っていることから、性年代別や相手別の消費動向がわかり、外食している街や業種の情報が取得できていることが特徴。