ホットペッパーグルメ外食総研による外食市場調査※の2019年3月度調査結果では、市場規模が3カ月連続で前年割れとなった。30代男性と40代女性の外食頻度の低下などの動きが見られた。
外食実施率・頻度・単価の3指標が前年割れ
2019年3月の外食市場規模は、3圏域合計で3,668億円。前年同月比(以下、前年比)は−89億円で、3カ月連続で前年を下回った。3カ月連続して市場規模が前年割れしたのは、2017年3月~5月以来のこと。前年3月は調査開始以来市場規模が同月では最大値で、実績が重く前年割れとなった。
外食実施率(77.2%、前年比−1.2ポイント)、外食頻度(4.35回/月、前年比−0.02回/月)、外食単価(2,639円、前年比−15円)の3指標とも前年を下回り、これは、2カ月ぶりのこと。
外食頻度では30代男性や40代女性で前年割れが目立ち、外食単価では20代・30代男性の前年割れが目立った。20代・30代男性の外食単価の前年割れはこれで3カ月連続となっている。また、外食単価は、首都圏・東海圏では前年比プラスだったが、関西圏で前年比のマイナスが大きく、3圏域計では前年比マイナスとなった。
2019年3月は、カレンダー上は前年に比べて日曜が1日多く、天候についても特段不利な状況とは言えないが、5月の10連休に備えた節約モードなどからか、外食支出は伸び悩んだ。
2019年3月の外食実施率は77.2%
前月比増減+1.6pt、前年比増減−1.2pt。
2019年3月の外食頻度は4.35回/月
前月比増減+0.45回、前年比増減−0.02回。
2019年3月の外食単価は2,639円
前月比増減+60円、前年比増減−15円。
2019年3月の外食市場規模は3,668億円
前月比増減+516億円、前年比増減−89億円。
主要16業態中で市場規模が前年超えは6業態
業態別では、主要16業態中、6業態で市場規模が前年比プラス。主要16業態中8業態で前年を下回った。
延べ外食回数で最も伸びたのは「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」で前年比+47万回、また、単価が最も伸びたのは「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」で前年比+1,826円だった。連続で前年市場規模を上回っている業態は「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」が10カ月連続、「ファストフード」が8カ月連続などとなっている。
不調なのは「フレンチ・イタリアン料理店」で、市場規模が5カ月連続して前年割れとなった。ほか、「和食料理店」(前年比増減−40億円)、「中華料理店」(同−11億円)、「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」(同−11億円)等で市場規模が前年を下回った。
前年比プラス業態
「その他各国料理店」「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」「お好み焼き、鉄板焼き等の専業店」「ファミリーレストラン、回転寿司」「居酒屋」「ファストフード」
前年比±0の業態
「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」「牛丼、カレー等一品もの専売業態」
前年比マイナス業態
「和食料理店」「中華料理店」「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」「フレンチ・イタリアン料理店」「アジアン料理店」「すき焼き、しゃぶしゃぶ、鍋、おでん等の専業店」「バー、バル、ワインバー、ビアホール、パブ」「カラオケボックス」
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査は、リクルートライフスタイル(東京都千代田区、淺野健社長)の外食に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」が行っている調査。毎月、首都圏・東海圏・関西圏の約9,000~1万人を対象に「外食市場調査」を実施している。
この「外食市場調査」では、圏域内の生活者による毎日の夕方以降の食事や飲酒について、外食と中食の内容(場所、相手、単価など)をヒアリングし、毎月の外食市場の動きを継続的に可視化している。3圏域限定で朝食・昼食は含まない市場調査ではあるが、飲食店などの事業所ヒアリングではなく、生活者に直接ヒアリングを行っていることから、性年代別や相手別の消費動向がわかり、外食している街や業種の情報が取得できていることが特徴。