ホットペッパーグルメ外食総研による外食市場調査※の2019年1月度調査結果では、外食実施率、頻度、単価が9カ月ぶりのマイナスとなり、外食市場規模は前年同月比−132億円の3,240億円となった。
30代女性の外食控えが顕著
2019年1月の外食市場規模は、3圏域合計で3,240億円。前年同月比(以下、前年比)は−132億円で、4カ月ぶりに前年を下回った。前月は調査開始以来市場規模が最大値だったが、一転して前年割れとなった。外食実施率(75.7%、前年比−0.7ポイント)、外食頻度(3.96回/月、前年比−0.04回/月)、外食単価(2,609円、前年比−61円)の3指標とも前年を割ったのは、2017年4月以来のこと。
とくに外食単価は3圏域とも前年比マイナスで、女性40代(前年比+156円)と男性60代(同+28円)以外は前年比−8円〜−255円と急ブレーキ。また、性年代別ではとくに30代女性で、外食実施率(前年比−3.0ポイント)・単価(同−212円)が大きく前年を割り込んだ。
カレンダー上は金・土・日・祝日の日数は昨年と同じで、天候面では前年より降雨・降雪日は少なく、暖冬と言われていたため、環境要因ではなさそうだ。子育て世代の30代女性の不調などから、例年以上のインフルエンザの流行と何らかの関係がある可能性も疑われる。
2019年1月の外食実施率は75.7%
前月比増減−2.8pt、前年比増減−0.7pt。
2019年1月の外食頻度は3.96回/月
前月比増減−0.51回、前年比増減−0.04回。
2019年1月の外食単価は2,609円
前月比増減−339円、前年比増減−61円。
2019年1月の外食市場規模は3,240億円
前月比増減−1,040億円、前年比増減−132億円。
中華料理とファストフードが回数・単価とも前年比プラス
業態別では、主要16業態中、11業態で市場規模が前年比マイナス。とくに「和食料理店」(前年比増減−36億円)、「居酒屋」(同−24億円)などの前年割れが顕著であった。「和食料理店」は単価、延べ回数ともに前年度より減少し(単価−125円、延べ回数−48万回)、「居酒屋」は単価は増加した(+13円)が、延べ回数が減少した(−74万回)。
延べ外食回数で最も伸びたのは「ファストフード」で前年比+44万回、また、単価が最も伸びたのは「バー、バル、ワインバー、ビアホール、パブ」で前年比+350円だったが、延べ回数・単価ともに前年比プラスだったのは「中華料理店」「ファストフード」の2業態のみであった。
連続で前年市場規模を上回っている業態は「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」が8カ月連続、「ファストフード」が6カ月連続などとなっている。
前年比プラス業態
「中華料理店」「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」「お好み焼き、鉄板焼き等の専業店」「ファストフード」
前年比±0の業態
「バー、バル、ワインバー、ビアホール、パブ」
前年比マイナス業態
「和食料理店」「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」「フレンチ・イタリアン料理店」「アジアン料理店」「その他各国料理店」「すき焼き、しゃぶしゃぶ、鍋、おでん等の専業店」「ファミリーレストラン、回転寿司」「居酒屋」「カラオケボックス」「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」「牛丼、カレー等一品もの専売業態」
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査は、リクルートライフスタイル(東京都千代田区、淺野健社長)の外食に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」が行っている調査。毎月、首都圏・東海圏・関西圏の約9,000〜1万人を対象に「外食市場調査」を実施している。
この「外食市場調査」では、圏域内の生活者による毎日の夕方以降の食事や飲酒について、外食と中食の内容(場所、相手、単価など)をヒアリングし、毎月の外食市場の動きを継続的に可視化している。3圏域限定で朝食・昼食は含まない市場調査ではあるが、飲食店などの事業所ヒアリングではなく、生活者に直接ヒアリングを行っていることから、性年代別や相手別の消費動向がわかり、外食している街や業種の情報が取得できていることが特徴。