ホットペッパーグルメ外食総研による外食市場調査※の2018年12月度調査結果では、外食市場規模が3カ月連続で前年を上回った。過去の12月と比較しても好調だった。
外食実施率・外食単価ともに高い
2018年12月の外食市場規模は、3圏域合計で4,280億円。前年同月比(以下、前年比)は+67億円で、3カ月連続で前年を上回った。外食実施率(78.5%、前年比+0.7ポイント)と外食単価(2,948円、前年比+10円)は、いずれも12月としては過去2番目に高い数値。外食頻度(4.47回/月、前年比+0.01回)も前年実績を超えたことで、市場規模が単月としては過去最大を記録した。
圏域別では、首都圏(前年比+80億円)と東海圏(同23億円)が前年比プラスであったが、関西圏(同−35億円)だけは4カ月ぶりに前年比マイナスであった。性年代別では、外食実施率においてここのところ不振の60代が前年比マイナスであったが、他の全性年代で前年実績を上回る数値を記録した。
2018年12月は、カレンダー上は土・日・祝日の合計日数が前年より1日多く、個人需要では有利な面もあったが、逆に金曜日は前年より1日少なく、法人の宴会需要などでは不利な面もあり、有利・不利は相殺された可能性もある。
2018年12月の外食実施率は78.5%
前月比増減+2.2pt、前年比増減+0.7pt。
2018年12月の外食頻度は4.47回/月
前月比増減+0.24回、前年比増減+0.01回。
2018年12月の外食単価は2,948円
前月比増減+380円、前年比増減+10円。
2018年12月の外食市場規模は4,280億円
前月比増減+844億円、前年比増減+67億円。
居酒屋とアジアン料理店が伸びた
業態別では、主要16業態中、12業態で市場規模が前年比プラスで、とくに「居酒屋」(前年比増減+41億円)、「アジアン料理店」(同+21億円)などの伸びが顕著だった。「居酒屋」「アジアン料理店」ともに、延べ利用回数と単価の両方が前年より増加しているが、このような業態は8業態あった。
延べ外食回数で最も伸びたのは「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」で、前年比+92万回、また、単価が最も伸びたのは「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」で前年比+1,973円などとなっている。
前月まで16カ月連続で前年市場規模を上回っていた「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」は、外食単価(2,429円)が前年比−68円と実績を割り込んだことが原因で、連続しての前年実績超えが16カ月でストップした。
前年比プラス業態
「中華料理店」「アジアン料理店」「その他各国料理店」「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」「お好み焼き、鉄板焼き等の専業店」「すき焼き、しゃぶしゃぶ、鍋、おでん等の専業店」「ファミリーレストラン、回転寿司」「居酒屋」「バー、バル、ワインバー、ビアホール、パブ」「カラオケボックス」「ファストフード」「牛丼、カレー等一品もの専売業態」
前年比±0の業態
なし
前年比マイナス業態
「和食料理店」「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」「フレンチ・イタリアン料理店」「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査は、リクルートライフスタイル(東京都千代田区、淺野健社長)の外食に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」が行っている調査。毎月、首都圏・東海圏・関西圏の約9,000〜1万人を対象に「外食市場調査」を実施している。
この「外食市場調査」では、圏域内の生活者による毎日の夕方以降の食事や飲酒について、外食と中食の内容(場所、相手、単価など)をヒアリングし、毎月の外食市場の動きを継続的に可視化している。3圏域限定で朝食・昼食は含まない市場調査ではあるが、飲食店などの事業所ヒアリングではなく、生活者に直接ヒアリングを行っていることから、性年代別や相手別の消費動向がわかり、外食している街や業種の情報が取得できていることが特徴。