ホットペッパーグルメ外食総研による外食市場調査※の2018年11月度調査結果では、外食頻度と外食単価が前年超えし、市場規模も前年比プラスであった。外食単価と市場規模は11月としては過去最大となった。また、50・60代の外食単価は前年比で大きく伸びた。
外食単価と市場規模は11月としては過去最大
2018年11月の外食市場規模は、3圏域合計で3,436億円。前年同月比(以下、前年比)は+86億円で、2カ月連続で前年を上回った。外食実施率(76.3%、前年比−0.8ポイント)は前年を下回ったが、外食頻度(4.23回/月、前年比+0.08回)、外食単価(2,568円、前年比+37円)は前年超えし、市場規模も前年比プラスであった。外食単価は2013年の調査開始以来、11月としては過去最高を記録し、市場規模も11月としては調査開始以来最大となった。
性年代別では、ここのところ60代で不振が見られたが、11月は50・60代で外食単価の前年比での大きな伸びが見られ、シニア層の活性化が市場規模に好影響を与えたと思われる。
カレンダー上は土曜日が祝日に重なるなど不利な面もあったが、天候面では全国的に安定し、雨の日が少なかったことは好材料だったかもしれない。
圏域別に見ても、外食実施率が前年割れ、外食頻度と単価が前年超えと、3圏域とも同じ動きを見せた。
2018年11月の外食実施率は76.3%
前月比増減−0.9pt、前年比増減−0.8pt。
2018年11月の外食頻度は4.23回/月
前月比増減+0.06回、前年比増減+0.08回。
2018年11月の外食単価は2,568円
前月比増減+71円、前年比増減+37円。
2018年11月の外食市場規模は3,436億円
前月比増減+106億円、前年比増減+86億円。
肉系と居酒屋の伸び顕著。和食もプラスに転じる
業態別では、主要16業態中、10業態で市場規模が前年比プラスで、とくに「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」(前年比増減+39億円)、「居酒屋」(同+31億円)などの伸びが顕著であった。「和食料理店」(同+18億円)も外食単価のアップにより11月は前年比で市場規模がプラスとなっており、シニア層の単価アップと連動している可能性が高そうだ。
連続して前年実績を上回っている業態は、「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」で、16カ月連続で前年市場規模を上回っている。今回延べ外食回数と単価の両方が前年比プラスの業態は主要16業態中9業態。延べ外食回数で最も伸びたのは「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」で前年比+116万回、また、単価が最も伸びたのは「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」で前年比+2,646円などとなっている。
前年比プラス業態
「和食料理店」「中華料理店」「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」「アジアン料理店」「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」「お好み焼き、鉄板焼き等の専業店」「居酒屋」「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」「ファストフード」「牛丼、カレー等一品もの専売業態」
前年比±0の業態
「ファミリーレストラン、回転寿司」
前年比マイナス業態
「フレンチ・イタリアン料理店」「その他各国料理店」「すき焼き、しゃぶしゃぶ、鍋、おでん等の専業店」「バー、バル、ワインバー、ビアホール、パブ」「カラオケボックス」
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査は、リクルートライフスタイル(東京都千代田区、淺野健社長)の外食に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」が行っている調査。毎月、首都圏・東海圏・関西圏の約1万人を対象に「外食市場調査」を実施している。
この「外食市場調査」では、圏域内の生活者による毎日の夕方以降の食事や飲酒について、外食と中食の内容(場所、相手、単価など)をヒアリングし、毎月の外食市場の動きを継続的に可視化している。3圏域限定で朝食・昼食は含まない市場調査ではあるが、飲食店などの事業所ヒアリングではなく、生活者に直接ヒアリングを行っていることから、性年代別や相手別の消費動向がわかり、外食している街や業種の情報が取得できていることが特徴。