ホットペッパーグルメ外食総研による外食市場調査※の2018年5月度調査結果では、外食市場規模はかろうじて増加。外食実施率と外食単価が前年比マイナスだったが、外食頻度が前年比プラスだった。また、肉系業態の好調に陰りが見えた。
外食市場規模は前年比+17億円、単価は12カ月ぶりマイナス
2018年5月の外食市場規模は、3圏域合計で3,190億円。前年同月比(以下、前年比)は+17億円とわずかではあるが前年を上回り、12カ月連続しての前年超えとなった。
外食実施率と単価が前年比マイナスに転じたものの、外食頻度が前年比プラスだった影響で3圏域合計の市場規模はかろうじて増加した。
「こどもの日」の祝日が土曜日にあたるなど、前年に比べて土日祝日の合計が1日少ないカレンダーだったことは不利に働いただろう。また、全国的に天候は悪くはなかったものの、前年同月も非常に好天に恵まれていたため、前年比では天候が大きなアドバンテージ要因にはならなかったと考えられる。
圏域別には、関西圏と東海圏ではそれぞれ市場規模が前年比プラスであったが、首都圏では外食実施率と単価が前年比マイナスで推移したことで、市場規模が1,925億円(前年比−26億円)とダウンする形になった。
2018年5月の外食実施率は76.1%
前月比増減−0.5pt、前年比増減−1.2pt。
2018年5月の外食頻度は4.09回/月
前月比増減−0.08回、前年比増減+0.08回。
2018年5月の外食単価は2,474円
前月比増減−107円、前年比増減−3円。
2018年5月の外食市場規模は3,190億円
前月比増減−222億円、前年比増減+17億円。
「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」前年超えが14カ月でストップ
業態別では、主要16業態中、10業態で市場規模が前年比プラスで、とくに「居酒屋(市場規模721億円、前年比+38億円)」が前年からの増加額の多い業態であった。
前月まで14カ月連続して前年同月超えしていた「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」は15カ月目にして市場規模がマイナスに転じた。また、11カ月連続して前年同月超えしていた「すき焼き、しゃぶしゃぶ、鍋、おでん等の専業店」も記録がストップ。これで、連続して前年実績を上回っている業態は、「中華料理店(※ラーメン専業店を除く)」の10カ月連続が最長となっている。
今回延べ外食回数と単価の両方が前年比プラスの業態は主要16業態中6業態に留まり(「和食料理店」「その他各国料理店」「お好み焼き、鉄板焼き等の専業店」「居酒屋」「カラオケボックス」「ファストフード」)、先月までの好調にやや陰りが出てきた格好だ。
前年比プラス業態
「和食料理店」「中華料理店」「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」「アジアン料理店」「その他各国料理店」「お好み焼き、鉄板焼き等の専業店」「居酒屋」「バー、バル、ワインバー、ビアホール、パブ」「カラオケボックス」「ファストフード」
前年比±0の業態
なし
前年比マイナス業態
「フレンチ・イタリアン料理店」「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」「すき焼き、しゃぶしゃぶ、鍋、おでん等の専業店」「ファミリーレストラン、回転寿司」「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」「牛丼、カレー等一品もの専売業態」
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査は、リクルートライフスタイル(東京都千代田区、淺野健社長)の外食に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」が行っている調査。毎月、首都圏・東海圏・関西圏の約1万人を対象に「外食市場調査」を実施している。
この「外食市場調査」では、圏域内の生活者による毎日の夕方以降の食事や飲酒について、外食と中食の内容(場所、相手、単価など)をヒアリングし、毎月の外食市場の動きを継続的に可視化している。3圏域限定で朝食・昼食は含まない市場調査ではあるが、飲食店などの事業所ヒアリングではなく、生活者に直接ヒアリングを行っていることから、性年代別や相手別の消費動向がわかり、外食している街や業種の情報が取得できていることが特徴。