市場規模8カ月連続前年超え

ホットペッパーグルメ外食総研による外食市場調査の2018年1月度調査結果では、外食市場規模は8カ月連続前年超えとなった。また、外食単価が前年同月より100円上昇した。

外食単価が100円上昇・年末年始休暇日数も寄与か

 2018年1月の外食市場規模は、3圏域合計で3,372億円。前年同月比(以下、前年比)は+206億円と、8カ月連続して前年を上回った。

 3圏域合計の外食実施率・頻度・単価の3指標がそろって前年を上回り、とくに外食単価が2,670円(前年比+100円)と前年同月より3桁の上昇となり、市場規模の拡大に寄与した。外食単価が前年同月より3桁の上昇となったのは2015年12月(+119円)以来のこと。また、3指標がそろって前年比プラスとなるのは2カ月ぶり。

 2018年1月は前年と比べると日曜日が1日少ないものの、1月に年末年始休暇の日数が増えやすいカレンダーだったことが有利に働いた可能性がある。

 圏域別には、全3圏域で前年比プラスを記録したが、とくに関西圏が市場規模931億円(前年比+90億円)と好調。外食単価は2,711円(前年比+78円)と3圏域計の伸び額を下回ったが、外食実施率は76.8%(前年比+2.9pt)、外食頻度は3.90回/月(前年比+0.15回)と伸びて市場規模は大きなプラスとなった。

2018年1月の外食実施率は76.4%

前月比増減−1.4pt、前年比増減+1.4pt。

外食実施率(2018年1月)

2018年1月の外食頻度は4.00回/月

前月比増減−0.46回、前年比増減+0.03回。
外食頻度(2018年1月)

2018年1月の外食単価は2,670円

前月比増減−268円、前年比増減+100円。
外食単価(2018年1月)

2018年1月の外食市場規模は3,372億円

前月比増減−841億円、前年比増減+206億円。
外食市場規模(2018年1月)

12業態で外食回数と単価がともに上昇

 業態別では、主要16業態中、14業態が前年比プラスで、とくに「和食料理店」(前年比+80億円)、「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」(前年比+25億円)、「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」(前年比+22億円)などが市場規模の前年比増加額の多い業態となっている。

「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」は11カ月連続で市場規模が前年比プラスと好調が続いている。また、「お好み焼き、鉄板焼き等の専業店」「バー、バル、ワインバー、ビアホール、パブ」「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」「ファストフード」の4業態を除く12業態では、延べ外食回数と単価の両方が前年比プラスであった。

前年比プラス業態

「和食料理店」「中華料理店」「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」「フレンチ・イタリアン料理店」「アジアン料理店」「その他各国料理店」「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」「すき焼き、しゃぶしゃぶ、鍋、おでん等の専業店」「ファミリーレストラン、回転寿司」「居酒屋」「バー、バル、ワインバー、ビアホール、パブ」「カラオケボックス」「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」「牛丼、カレー等一品もの専売業態」

前年比±0の業態

「お好み焼き、鉄板焼き等の専業店」「ファストフード」

前年比マイナス業態

なし

※ホットペッパーグルメ外食総研「外食市場調査」(2018年1月度)
https://www.hotpepper.jp/ggs/research/article/marketing/201801

ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査

 ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査は、リクルートライフスタイル(東京都千代田区、淺野健社長)の外食に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」が行っている調査。毎月、首都圏・東海圏・関西圏の約1万人を対象に「外食市場調査」を実施している。

 この「外食市場調査」では、圏域内の生活者による毎日の夕方以降の食事や飲酒について、外食と中食の内容(場所、相手、単価など)をヒアリングし、毎月の外食市場の動きを継続的に可視化している。3圏域限定で朝食・昼食は含まない市場調査ではあるが、飲食店などの事業所ヒアリングではなく、生活者に直接ヒアリングを行っていることから、性年代別や相手別の消費動向がわかり、外食している街や業種の情報が取得できていることが特徴。

アバター画像
About 稲垣昌宏 56 Articles
ホットペッパーグルメ外食総研上席研究員 いながき・まさひろ 市場調査をメインに消費者動向から外食市場動向を分析・予測。また、観光に関する調査・研究、地域振興機関である「じゃらんリサーチセンター」研究員も兼務し、「食」と「観光」をテーマに各種委員会活動や講演などを行っている。肉より魚を好む、自称「魚食系男子」。