ホットペッパーグルメ外食総研による外食市場調査※の2017年10月度調査結果では、外食実施率と外食頻度が前年比マイナスとなったが、市場規模は微増となった。業態別では「和食料理店」「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」の強さが継続している。
外食実施率と頻度は減・市場規模は微増
2017年10月の外食市場規模は、3圏域合計で3,195億円。前年同月比(以下、前年比)は+47億円と、5カ月連続して前年を上回った。3圏域合計の外食実施率は6カ月ぶりに前年比マイナス、外食頻度も5カ月ぶりに前年比マイナスだったが、外食単価の上昇(前年比+79円)により市場規模は前年比微増で着地した。
外食実施率と頻度の前年割れの原因は、前年に比べて土曜日が1日少ないカレンダー影響や2週連続して週末に台風が大都市圏に接近した影響がありそうだ。圏域別には、首都圏が好調で前年比で市場規模が+67億円。外食実施率は75.5%(前年比+0.1pt)、外食頻度は4.27回/月(前年比−0.06回)と前年並みであったが、外食単価が2570円(前年比+121円)と伸びたことで、市場規模の前年比増加につながった。
逆にとくに雨の多かった関西圏は前年比−30億円と圏域別に差が出た。関西圏では、外食単価が2567円(前年比+30円)であったが、外食実施率73.8%(前年比−2.6pt)、外食頻度3.96回/月(前年比−0.02回)に足を引っ張られた形になった。
2017年10月の外食実施率は75.0%
前月比増減−0.3pt、前年比増減−0.6pt。
2017年10月の外食頻度は4.09回/月
前月比増減−0.13回、前年比増減−0.03回。
2017年10月の外食単価は2,518円
前月比増減±0円、前年比増減+79円。
2017年10月の外食市場規模は3,195億円
前月比増減−111億円、前年比増減+47億円。
依然強い和食と肉
業態別では、主要16業態中、10業態が前年比プラスで、とくに「和食料理店」(前年比+44億円)、「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」(前年比+27億円)が前月から続いて市場規模の前年比増加額でトップ2業態となっている。「和食料理店」はこれで5カ月連続、「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」は8カ月連続で市場規模が前年比プラス推移を続けている。
また、食事主体の店では10業態中5業態(「和食料理店」「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」「中華料理店」「すき焼き、しゃぶしゃぶ、鍋、おでん等の専業店」「お好み焼き、鉄板焼き等の専業店」)で延べ外食回数と単価の両方が前年比プラスで、飲酒主体業態や軽食主体業態に比べ、相対的に好調だ。
前年比プラス業態
「和食料理店」「中華料理店」「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」「フレンチ・イタリアン料理店」「アジアン料理店」「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」「お好み焼き、鉄板焼き等の専業店」「すき焼き、しゃぶしゃぶ、鍋、おでん等の専業店」「バーバル、ワインバー、ビアホール、パブ」「カラオケボックス」
前年比±0の業態
「ファストフード」
前年比マイナス業態
「その他各国料理店」「ファミリーレストラン、回転寿司」「居酒屋」「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」「牛丼、カレー等一品もの専売業態」
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査は、リクルートライフスタイル(東京都千代田区、淺野健社長)の外食に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」が行っている調査。毎月、首都圏・東海圏・関西圏の約1万人を対象に「外食市場調査」を実施している。
この「外食市場調査」では、圏域内の生活者による毎日の夕方以降の食事や飲酒について、外食と中食の内容(場所、相手、単価など)をヒアリングし、毎月の外食市場の動きを継続的に可視化している。3圏域限定で朝食・昼食は含まない市場調査ではあるが、飲食店などの事業所ヒアリングではなく、生活者に直接ヒアリングを行っていることから、性年代別や相手別の消費動向がわかり、外食している街や業種の情報が取得できていることが特徴。