ホットペッパーグルメ外食総研による外食市場調査※の2017年9月度調査結果では、2017年9月度まで4カ月連続で外食実施率・頻度・単価の3指標が前年超えとなった。とくに、食事を主体とする10業態の市場規模が前年比プラスとなっている。
2017年9月度の外食市場は前年比+216億円
2017年9月の外食市場規模は、3圏域合計で3,306億円。前年同月比(以下、前年比)は+216億円と、4カ月連続して前年を上回った。上げ幅は過去4カ月では最大で、過去を遡ると2015年7月(+322億円)以来の上げ幅であった。また、4カ月連続して、3圏域合計の外食実施率・頻度・単価の主要指標すべてが前年を上回った。
9月はカレンダー的には前年に比べて土日祝日の合計日数は同じなので、日並びが有利に働いたというよりは、外食市場の回復が前年比プラスの主要因ではないかと考えられる。
圏域別には、首都圏が好調で外食実施率・頻度・単価のすべてが前年を上回り、市場規模2,070億円(前年比+180億円)と3圏域計の上げ幅(+216億円)の大半を占めた。本調査では2016年度は首都圏での不調が著しかった(2016年5月度~2017年5月度まで13カ月連続前年比マイナス)が、復調傾向にある。首都圏の天候においても、前年と比べて特段に有利な要素があったわけではないため、純粋な消費意欲の回復と考えられる。
ちなみに2017年9月19日には日経平均が2万円台回復を果たしており(8月8日以来)、景気心理的にも上向きの月だったかもしれない。
2017年9月の外食実施率は 75.3%
前月比増減 −1.2pt、前年比増減 +0.4pt。
2017年9月の外食頻度は 4.22回/月
前月比増減 ± 0.00回、前年比増減 +0.12回。
2017年9月の外食単価は 2,518円
前月比増減 +64円、前年比増減 +85円。
2017年9月の外食市場規模は 3,306億円
前月比増減 +30億円、前年比増減 +216億円。首都圏:2,070億円(前年比増減 +180億円)、関西圏:855億円(同 +2億円)、東海圏:381億円(同 +34億円)。
「和食料理店」「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」など好調
業態別では、主要16業態中、13業態が前年比プラス。他に±0が2業態あり、市場規模が前年比マイナスだったのは、主要16業態の中では「カラオケボックス」業態であった。
とくに「和食料理店」(前年比+49億円)、「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」(前年比+44億円)が好調。食事主体の店では10業態中8業態で延べ外食回数と単価の両方が前年比プラスで、10業態すべての市場規模が前年度比で増加した。現在の業態分類で調査しているのは、2015年4月度からだが、前年比(2016年4月度から計算可能)で食事主体10業態すべてが前年比プラスになったのは、2015年4月以来初めてのことである。
中でも「和食料理店」は、ここのところ不振が目立っていたが、市場の回復と連動して、ここ4か月連続で市場規模が前年比プラスとなっている。
前年比プラス業態
「和食料理店」「中華料理店」「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」「フレンチ・イタリアン料理店」「アジアン料理店」「その他各国料理店」「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」「お好み焼き、鉄板焼き等の専業店」「すき焼き、しゃぶしゃぶ、鍋、おでん等の専業店」「ファミリーレストラン、回転寿司」「バーバル、ワインバー、ビアホール、パブ」「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」「牛丼、カレー等一品もの専売業態」
前年比±0の業態
「居酒屋」「ファストフード」
前年比マイナス業態
「カラオケボックス」
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査は、リクルートライフスタイル(東京都千代田区、淺野健社長)の外食に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」が行っている調査。毎月、首都圏・東海圏・関西圏の約1万人を対象に「外食市場調査」を実施している。
この「外食市場調査」では、圏域内の生活者による毎日の夕方以降の食事や飲酒について、外食と中食の内容(場所、相手、単価など)をヒアリングし、毎月の外食市場の動きを継続的に可視化している。3圏域限定で朝食・昼食は含まない市場調査ではあるが、飲食店などの事業所ヒアリングではなく、生活者に直接ヒアリングを行っていることから、性年代別や相手別の消費動向がわかり、外食している街や業種の情報が取得できていることが特徴。