米飯給食の話題だけに噴飯ものだと感じました。朝日新聞によれば、新潟県の三条市教育委員会は9月から小中学校の給食の献立から牛乳を外す方針を固めたということです。
- 朝日新聞の記事
- http://www.asahi.com/articles/ASH6Y52C1H6YUOHB011.html
記事によれば、同教委は2008年度から小中学校での完全米飯給食を始め、昨年度からは「米飯給食と合わない」などとの理由で試験的に給食から牛乳を外し、牛乳以外の食材だけで必要なカルシウムやたんぱく質を補うことができるかどうかを検証していたそうです。
ところが、そのような献立作りは可能なものの、メニューに限りがあることなど課題も浮上。結局、献立は従来どおりとして、牛乳は給食時とは別の時間に「ドリンクタイム」を設けて提供するとのことです。
この完全米飯給食はそもそも「食育と健康づくりの一環として」スタートしたとのことですが、要は「牛乳は食事時に飲むものではない」という奇妙な教育がスタートしたということになるでしょう。
心身の健康のためには、献立は多様で変化もあるべきです。それを考えれば、毎日米飯と決めずにパンの日もあっていいでしょうし、また、牛乳も本来はどうしても毎日献立に含める必要もないでしょう。「毎日必ずこれを含める」という制約がなくなれば、管理栄養士の知識と創意工夫ももっと生きるはずです。
ただ、米どころだけに米飯食人口を維持したいとか増やしたいとか、一方、牛乳の発注がなくなったり、ないしはあったりなかったりということになると、牛乳生産・販売業界に不都合があるとかといった、地域経済の事情もあるのでしょう。
コメ派・牛乳派・栄養士の三つ巴の攻防、その様子を数年前に痛ましくも発注がゼロになった製パン業がどっちらけで観戦といった戯画が思い浮かびます。
さて、その構図のどこに子供たちを描き込みましょうか。
※このコラムはメールマガジンで公開したものです。