先ごろ日本進出が発表された「Blue Bottle Coffee」(ブルーボトルコーヒー)、東京・清澄白河への1号店出店は2015年2月になり、また3月には東京・青山にも出店することを決めたとのことです。
「ブルーボトルコーヒー」はオーダーを受けて1杯ずつ淹れて提供する日本の喫茶店にインスパイアされたものと伝えられています。それを聞いて思い出すのは、エナジードリンクの「レッドブル」です。これもまた日本のドリンク剤にインスパイアされて事業化したと聞きます。それ以前は、欧米人が栄養剤を飲むとすればタブレット等が常識で、日本のドリンク剤は売れないと思い込まれていたのでした。
“常識”と思われているものは、実は思い込みであることが多いように考えさせられます。そして、合理的にマーケティングする力のある人は、勝機と見るや一気呵成にマーケットを作る、あるいは一網打尽にするのでしょう。
そう、ニューヨークでラーメンブームを起こしたのはコリアンの有能な人物でした。彼の最初の店がオープンしたとき、日本人からは「ぬるい」「のびている」と不評で、日本人ジャーナリストからも厳しい意見がついたとか。
ところが、現地でアメリカ人のラーメンの食べ方を見ていると、店でアルコールを楽しんだ終盤にラーメンを注文して、提供された丼を眺めながらさらにおしゃべりに興じ、頃合いに冷めて軟らかくなったラーメンをもぐもぐとおいしそうに食べているものです。市場を読むとはこういうことかと、納得する光景でした。
さてさて、のんびり構えていると、そのうち欧米発のスシ・チェーンが上陸してくるかもしれません。
※このコラムはメールマガジンで公開したものです。