またぞろバター不足ということで不安に感じている消費者が増えているようですが、業務用に使用している企業ではより深刻な話題です。
農林水産省は5月に7000tの緊急輸入を決めたのに続き、このほど3000tの追加輸入を発表しました。
日経などによれば、このうち5月に決めた7000tの一環として独立行政法人農畜産業振興機構(東京・港)が9月10日に実施した360tの輸入バターの入札では、乳業メーカーや商社など7社が前年同期より3割高い平均1133円/kgで落札したということです。
うはうはですね。
バターなどの乳製品は、コメ、小麦、砂糖などと並んで事実上の国家貿易が行われています。それは「生産者を守るため」ということです。
この事情を漫画風に書けばこうなります:
国内でモノができなくなる → 特殊法人が独占的に輸入 → 利ざやが「生産者を守る」補助金の原資に → 作らなくても金が入る → 国内でモノができなくなる(フリダシに戻る)
いずれコメも緊急輸入が頻発する時代が来るかもしれませんね。
もちろん、それぞれの立場でそれぞれに言い分はあるでしょう。しかし、現象を遠近(おちこち)に眺めてみて、より優れたシステムを考え求める勇気も必要ではありませんか。
※このコラムはメールマガジンで公開したものです。