恢復するチェーン

「someday――いつか」という日は来ない(4)

(7)前向きの危機感  閉塞感に満ちているからこそ、今は何事につけ前向きに取り組むべきだ。しかし、会社の規模を問わず企業の正規社員である人々を見ていると、「そんな社会と私は関係ない」と考えているように見えることが多い。変化せず、むしろ変化を求めない人の方が多数であるように感じるのである。  そういう人でも、いろいろな情報を取り、よく学んでいるのである。学びにかけては、零細企業とくに凋落の過程にある […]
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「someday――いつか」という日は来ない(3)

(5)胆識  経営者にとくに求められているのは、「Someday」のタイミングを見極め、迅速に行動として起こすに必要な「胆識」である。  思想家の安岡正篤は、実務家に必要な三識というものを挙げている。一つは「知識」で、単に知っているというもの。次が「見識」で、これは知識に経験と学問が積まれて生まれるもの。物事の本質を見通す力や判断力が備わったものだと言えるだろう。そして、それに実行力が備わって「胆 […]
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「someday――いつか」という日は来ない(1)

(1)There is no someday. 「いつの日にか、きっと、きっとやってみたい。そういつの日にか……」――誰でも、そう思うことはある。  では、ここに中学一年生でも読める英文があるが、これをどう思われるだろうか。 Someday, I’ll do it someday. Monday, Tuesday, Wednesday, Thursday, Friday, Saturd […]
価格競争からの脱却
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改めて「価格競争からの脱却」を目指して(7)価格競争から脱却する12カ条

筆者が社長在任中のハーレーダビッドソンジャパンの成功は、ハーレーというブランドが先に出来ていたからと考える向きもあるが、現実には日本国内でハーレーダビッドソンのブランドはずたずただった。 日本のハーレーにブランド価値はなかった  当時のハーレーダビッドソンは、どこで買えるのか、いくらで買えるのか、どこで修理できるのかはわからず、実際に乗っているのはオートバイ文化とは一線を画す中高年男性のみであり、 […]
価格競争からの脱却
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改めて「価格競争からの脱却」を目指して(6)イベントがブランドの歴史を創る

イベントの場においては、Human to Human/Heart to Heart/Hiza to Hiza(膝と膝)の“3H to 3H”コミュニケーションが起こるように計画・実行し、このブランドならではのコミュニティ=絆を形成する。 安っぽいイベントは意味がない  このように、現実の世界で抽象的なブランドの世界を具象化して実現する“コト”を提供していくことができれば、既存メディアに依存すること […]
価格競争からの脱却
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改めて「価格競争からの脱却」を目指して(5)モノではなくコトが価値を生む

顧客は物品を買うとき、その商品の物質的な価値、すなわち価格という形で万人と共有される価値だけではなく、“自分自身(だけ)にとっての価値”がある商品とそれにふさわしい販売のあり方を求めている。 価値は販売の前後のプロセスで生み出される  したがって、消費者・生活者がいつでもどのような場合でも、価格だけを選択購買の判断基準にしているわけではない。とくに高額な商品では顕著である。  そのため、行政や産業 […]
価格競争からの脱却
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改めて「価格競争からの脱却」を目指して(4)海外進出を契機にビジネスを再構築する

新興国の強みを直視すれば、彼らと同じ土俵で闘っても無駄だということは容易に理解できる。したがって、日本が不況から脱出し、再び経済的強さを持とうとするならば、従来型の産業を改良改善しても無駄である。そうではなく、産業構造の変革が必要である。これを忘れるわけにはいかない。 チェーンストアを日本発の世界商品に  その産業構造の変革とは、新興国にはまだないものである。すなわち、持続性があり、独自性のある高 […]
価格競争からの脱却
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改めて「価格競争からの脱却」を目指して(3)政治を超えるビジネスが必要になっている

1976年に堺屋太一が小説「団塊の世代」を発表し、以後“団塊の世代”という言葉が広く使われるようになった。同書によれば、団塊の世代とは“1947年から1949年に生まれた世代”(1945~1954年生まれを団塊の世代とする基準もある)である。 団塊の世代の購買力を殺いでいる  団塊の世代は、戦後最大の年齢人口層の集団を形成している。近年、彼らが定年を迎えることで新たな大きな購買力を持つ市場を生み出 […]
価格競争からの脱却
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改めて「価格競争からの脱却」を目指して(2)価格競争時代の背景

先にも触れたが、1960年代は全体的に見れば「よいものを作りさえすれば売れた時代」で、低価格競争に打って出る企業はあっても社会全体の趨勢として定着してはいなかった。現在のような「低価格競争から脱却できない」厳しい状況とは違ったのである。  私の記憶としては、むしろ「新製品の販売開始は価格の引き上げを意味する」ということが社会的に受け入れられる、インフレ的なムードがあった。恵まれていた時代だったので […]
価格競争からの脱却
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改めて「価格競争からの脱却」を目指して(1)

脱出は一発逆転ではなく地道な実践が必要  本シリーズの「価格競争から脱出する10の作戦」で、今日の小売・外食における価格競争について、以下のように述べた。 現在、あらゆる業種・業態で値引き競争ないしは低価格実現志向型業態へのシフトが起こり、激化の一途をたどっている。集客のためにさまざまに知恵を絞ってはいるが、ほとんどの場合、誰にでも伝わりやすく、他社・他店と比較しやすい低価格路線を選び、結果として […]
競走馬ディープインパクトに学ぶ、顧客に“ディープなインパクト”を与える8つのポイント
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ディープインパクトに学ぶ必勝のビジネス(5)

引退後の功績・次世代への承継  競走馬としては引退しても、彼の競馬とのかかわりは終わったわけではない。2007年からは種牡馬としての生活が始まった。初年度の種付け料は、当時日本最高の1200万円であった。  種牡馬としての成績は、むしろ現役時代を超えるほどである。初年度、ディープインパクト産駒のセレクトセールでの競売価格総額は19億1000万円となった。それまでの種牡馬の初産駒の総売却額記録は、2 […]
競走馬ディープインパクトに学ぶ、顧客に“ディープなインパクト”を与える8つのポイント
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ディープインパクトに学ぶ必勝のビジネス(4)

弱点を克服する戦略と技術革新  しかし、そんな彼にも二つの弱点があった。  一つはとくに初期に見られたが、「馬群の中に巻き込まれる形になると、長所を発揮しにくくなる特性」だ。他の馬と競り合うと、すり抜けることができない。それは小さな馬体のためと考えられているが、筆者は彼の鋭敏な神経のせいにもよるのではないかと考えている。  この弱点は2005年の有馬記念において現実のものとなってしまい、圧倒的人気 […]
競走馬ディープインパクトに学ぶ、顧客に“ディープなインパクト”を与える8つのポイント
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ディープインパクトに学ぶ必勝のビジネス(3)

レースは学んでうまくなっていった  天賦の才能で押すというよりも、成長が感じられたところも、ディープインパクトの魅力だ。最初の頃はレースはむしろ下手だった。それが、戦いを続ける中で、彼は一戦一戦賢く学習し、武豊とのコンビもますます磨きがかかって行ったのだ。  何と言っても、いつも大切なスタートダッシュでつまずいた。それは後々までディープインパクトの特徴の一つとなる。ゲートから出るときには危なっかし […]
競走馬ディープインパクトに学ぶ、顧客に“ディープなインパクト”を与える8つのポイント
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ディープインパクトに学ぶ必勝のビジネス(2)

強い思いが生んだ強い名前  だが、ディープインパクトのマーケティングのドラマは、この時点から始まっている。馬主となった金子真人氏は、競売時に「この馬の目の輝きに衝撃」を受けた。そして、「多くの人に衝撃を与えるような馬になってほしい」と願う強い気持ちを込めて、ディープインパクトと名付けたのだと言う。 “思いのこもった買い付け”だった。  ビジネスとして第一に学ぶべきは、この“ネーミングのうまさ”と、 […]