価格競争からの脱却
恢復するチェーン

改めて「価格競争からの脱却」を目指して(2)価格競争時代の背景

先にも触れたが、1960年代は全体的に見れば「よいものを作りさえすれば売れた時代」で、低価格競争に打って出る企業はあっても社会全体の趨勢として定着してはいなかった。現在のような「低価格競争から脱却できない」厳しい状況とは違ったのである。  私の記憶としては、むしろ「新製品の販売開始は価格の引き上げを意味する」ということが社会的に受け入れられる、インフレ的なムードがあった。恵まれていた時代だったので […]
健康食品テレビ通販の現場からお伝えします

健康食品の通販番組作りはハイクオリティになってきたぞ!(1)

筆者は健康食品の通販番組を11~12年やってきていますが、最初の頃は、まぁこんなに健康食品の業界が発達するとも思っておらず、こんなに通販番組がいっぱいになるとも思っていませんでした。そうした中、番組作りのクオリティも上がってきています。と言うより、そもそもの民放テレビ番組の原点にかえるような動きすら、出ているんです。 「番組制作費が削減されてるのって、CM入らないからですよ」 「通販番組がハイクオ […]
明治23年に開業した初代の帝国ホテル(画・藤原カムイ)
洋酒文化の歴史的考察

X 帝国ホテルのマウント・フジ(3)

さて、帝国ホテル版マウント・フジの発祥についてしばしば語られてきた、1924年の世界一周旅行団について考えてみよう。 誰にでもできる種類のものではない旅行 洋の東西を問わず、戦前の庶民にとって海外旅行が高根の花であったことは、拙稿でも「VI 女性バーテンダーのさきがけ(1)欧米編」をはじめ折に触れて伝えてきた。海外旅行が今でいう宇宙旅行なら、世界一周は冥王星への旅に近いと言っても過言ではないほど、 […]
価格競争からの脱却
恢復するチェーン

改めて「価格競争からの脱却」を目指して(1)

脱出は一発逆転ではなく地道な実践が必要  本シリーズの「価格競争から脱出する10の作戦」で、今日の小売・外食における価格競争について、以下のように述べた。 現在、あらゆる業種・業態で値引き競争ないしは低価格実現志向型業態へのシフトが起こり、激化の一途をたどっている。集客のためにさまざまに知恵を絞ってはいるが、ほとんどの場合、誰にでも伝わりやすく、他社・他店と比較しやすい低価格路線を選び、結果として […]
健康食品テレビ通販の現場からお伝えします

視聴者に伝わるのはやっぱり「見えるもの!」(2)

テレビの宿命として「画(え)にならないと伝えられない」ということを前回書きました。では、画になったがゆえに大ヒットにつながった、という健康食品はあるのか? と言うと、個人的にはアレとアレだと思いますねぇ~それは何か! 「やっぱ“青汁”ですよ、ビジュアルの優等生は」 「画が伝達手段のキモ、というテレビと相性がよかった健康食品と言えば、なんてったって青汁でしょう! 実際に画面に青い汁が映し出されるとい […]
明治23年に開業した初代の帝国ホテル(画・藤原カムイ)
洋酒文化の歴史的考察

X 帝国ホテルのマウント・フジ(2)

初代帝国ホテル竣工までの事情に関しては「帝国ホテル百年の歩み」に詳しいが、現在残されている設計図と当時の報道には不思議な齟齬がある。 図面に書かれなかったバー  ドイツ人技師の軟弱地盤に対する対応不備のため、ピンチヒッターに立った渡辺譲が1カ月の突貫作業で書き上げた当時の設計図には「皿洗場」から「給仕人詰所」まで記されているのに「酒場」の記載がない。ところが、11月7日にオープンしたばかりの帝国ホ […]
競走馬ディープインパクトに学ぶ、顧客に“ディープなインパクト”を与える8つのポイント
恢復するチェーン

ディープインパクトに学ぶ必勝のビジネス(5)

引退後の功績・次世代への承継  競走馬としては引退しても、彼の競馬とのかかわりは終わったわけではない。2007年からは種牡馬としての生活が始まった。初年度の種付け料は、当時日本最高の1200万円であった。  種牡馬としての成績は、むしろ現役時代を超えるほどである。初年度、ディープインパクト産駒のセレクトセールでの競売価格総額は19億1000万円となった。それまでの種牡馬の初産駒の総売却額記録は、2 […]
健康食品テレビ通販の現場からお伝えします

視聴者に伝わるのはやっぱり「見えるもの!」(1)

健康食品をテレビで通販する番組の構成にかかわっているわけですが、通販も含めたテレビスタッフがもんのすごく困るものがあるんです。……それが“画(え)に映らないもの”! 健康をテーマに扱うと、映らないものはいっぱいあるんですよ~。 「画にならないとテレビにならないんです」  どんな番組でも、撮影後の粗編集をチェックする会議などでは「○○な画、ないの?」という言葉がよく飛び交います。言わずもがなですが、 […]
明治23年に開業した初代の帝国ホテル(画・藤原カムイ)
洋酒文化の歴史的考察

X 帝国ホテルのマウント・フジ(1)

マウント・フジを、日本を代表するカクテルの一つとして御存知の方も多いだろう。昨年拙稿で取り上げたラムベースのJBA版マウント・フジ(IV 赤くなかった“赤富士”)の方がカクテルブックでは一般的だが、ジンと卵白を使用する帝国ホテル版があることも、かなり広く知られている。 マウント・フジの完璧な誕生物語  日本を象徴する霊峰「マウント・フジ」(富士山)と、戦前から長きに渡って海外から日本への表玄関とな […]
競走馬ディープインパクトに学ぶ、顧客に“ディープなインパクト”を与える8つのポイント
恢復するチェーン

ディープインパクトに学ぶ必勝のビジネス(4)

弱点を克服する戦略と技術革新  しかし、そんな彼にも二つの弱点があった。  一つはとくに初期に見られたが、「馬群の中に巻き込まれる形になると、長所を発揮しにくくなる特性」だ。他の馬と競り合うと、すり抜けることができない。それは小さな馬体のためと考えられているが、筆者は彼の鋭敏な神経のせいにもよるのではないかと考えている。  この弱点は2005年の有馬記念において現実のものとなってしまい、圧倒的人気 […]
健康食品テレビ通販の現場からお伝えします

すごいかすごくないかよくわからないけどパワーある言葉「コラーゲン」(2)

前回、多くの視聴者が「美」を想起しやすいパワーある成分「コラーゲン」が、よくわかりませんと書きました。そんなわからんままなのだけど人気があるコラーゲンについて今回も少しお話しましょう。 「『コラーゲンは大事』は言えるけど、飲んで効くのかは???」  コラーゲンのことについて専門家に聞いてきた中で、バラバラなのは摂取のしかたや摂取しての効能についての意見でしたが、もともと体内にあるコラーゲンの働きに […]
洋酒文化の歴史的考察
洋酒文化の歴史的考察

IX ジントニックの現在・過去・未来(9)

戦後になっても日本ではほとんど知られることのなかったジントニックを、若者が口にするスタイリッシュなカクテルに持ち上げた二人の作家とは、片岡義男と山田詠美である。 1980年代の若者文化に含まれたジントニック  さまざまなカクテルを若い男女の会話の小道具にした片岡義男の「湾岸道路」(1982年)、山田詠美の「放課後の音符」(1989年)に、ジントニックはオシャレなカクテルとして描かれた。片岡の場合、 […]
競走馬ディープインパクトに学ぶ、顧客に“ディープなインパクト”を与える8つのポイント
恢復するチェーン

ディープインパクトに学ぶ必勝のビジネス(3)

レースは学んでうまくなっていった  天賦の才能で押すというよりも、成長が感じられたところも、ディープインパクトの魅力だ。最初の頃はレースはむしろ下手だった。それが、戦いを続ける中で、彼は一戦一戦賢く学習し、武豊とのコンビもますます磨きがかかって行ったのだ。  何と言っても、いつも大切なスタートダッシュでつまずいた。それは後々までディープインパクトの特徴の一つとなる。ゲートから出るときには危なっかし […]
外食産業市場動向調査

2012年の外食市場全体は前年並みに推移・居酒屋と洋風FFSは前年クリアできず

日本フードサービス協会(JF)は外食産業市場動向調査の2012年年間結果を発表した。 外食市場全体ではほぼ前年並みに推移する結果となったが、業種・業態ごとに明暗は分かれた。 好調だったのは、麺類ファストフード、パブ・ビアホール、焼き肉ファミリーレストラン、ディナーレストランで、それぞれ客数・売上高ともに5%以上伸ばした。 一方、居酒屋は客数・売上高ともに前年未達。洋風ファストフードも売上高が未達の […]
外食産業市場動向調査

12月の外食市場全体は前年並み。居酒屋は忘年会シーズンの未達

日本フードサービス協会(JF)は2012年12月外食産業市場動向調査を発表した。 外食市場全体は、前年同月より客単価がやや下がり売上高は前年同月未達となったが、ほぼ前年並みに推移した。 とくに厳しかったのは居酒屋で、忘年会シーズンに客数、売上高ともに5%以上の未達という結果になった。 JFでは「12月は周期的に低気圧が通過し、各地に強い寒気をもたらしたほか、冬のボーナスの減少や、業態によっては中旬 […]