スクリーンの餐

樹木希林と昭和・平成の食事

今回は、先日亡くなった樹木希林さん追悼として、今年公開された彼女の出演作2本を取り上げる。 「モリのいる場所」ジュリーとアジの干物  1本目の「モリのいる場所」は、“画壇の仙人”モリこと熊谷守一(山崎努)とその妻・秀子(樹木)と、夫婦を取り巻く人々を描いたコメディドラマである。監督は「南極料理人」(2009、本連載第38回参照)の沖田修一。  モリは晩年の30年間は東京の豊島区千早にある自宅から一 […]
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回るレストランが舞台の映画

今回は、ホテルやデパートの最上階やタワーの展望台等にあって、フロアが回転することで食事をしながら360度パノラマを楽しめるという、ハレの外食の極みとも言える回転展望レストランが出てくる映画をご紹介する。
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女優たちの印象的な喫煙場面

 さる7月18日の参議院本会議で健康増進法改正案が可決・成立し、飲食店での喫煙は原則禁止となった。いまだ喫煙に愛着がある人がいることも事実であるが、これも時代の流れではある。この流れの前の流れを見ておきたい。
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映画に描かれた日本のお土産

欧米の土産が工芸品などの非食品が主であるのに対し、日本の土産はまんじゅうやようかんといった菓子類など、その土地の名産と称する食べ物の類が多いのが特徴だという(鈴木勇一郎〈2013〉『おみやげと鉄道 名物で語る日本近代史』講談社)。
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容器の名はオイスターペイル

個人的にずっと気になっていた、アメリカ映画に登場するあの“四角い紙箱”に入っている食べ物は何なのか、確かめてみたい。 “四角い紙箱”の正体  それを初めて目にしたのは、「ゴッドファーザー」(1972、本連載第31回参照)であった。マイケル(アル・パチーノ)が、父でニューヨークのイタリア系マフィアのドン、ヴィトー・コルレオーネ(マーロン・ブランド)の狙撃に関与したソロッツォ(アルフレッド・レッティエ […]
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運命を変える装置・コンビニ

前回に続いて、映画に描かれたコンビニエンスストア(以下、CVS)について述べていく。 「20世紀少年」のフランチャイズ店舗と「御用聞き」  浦沢直樹の長編漫画「20世紀少年」を映画化した3部作の第1章「終わりの始まり」(2008)では、主人公の遠藤ケンヂ(唐沢寿明)がCVSチェーン「キングマート」のフランチャイジーとして登場する。  ケンヂの家は元は酒屋であったが、1997年、ロック歌手になる夢に […]
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北海道式のコンビニおにぎり

今回と次回の2回に分けて、映画に描かれた我が国におけるコンビニエンスストア(以下CVS)とその変遷について述べていく。 「北の桜守」のホットドックとおにぎり  現在の日本のCVS・ビックスリーの各1号店開店は、1973年9月「ファミリーマート」狭山店(埼玉県狭山市。実験店舗。現・入曽店)、1974年5月「セブン-イレブン」豊洲店(東京都江東区)、1975年6月「ローソン」桜塚店(大阪府豊中市)とな […]
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「トリス」と昭和戦後の男たち

 1990年代から2000年代にかけて低迷していた国内ウイスキー需要は、2009年頃からのハイボールブームの影響もあって近年はやや持ち直している(図1)。このブームにサントリーの「角瓶」と並んで貢献したのが、かつてトリスバーやアンクルトリスで一世を風靡した「トリス」。今回は戦後の洋酒ブームの火付け役となった「トリス」と、トリスバーが登場する映画を通して、戦後の昭和を振り返っていく。 「トリス」とト […]