スクリーンの餐

“食べる”で描いた“生きる”

現在公開中の「生きる LIVING」(以下「LIVING」)は、1952年製作の黒澤明監督作品「生きる」のリメイクである。舞台を1953年のロンドンに移した脚本をノーベル文学賞作家のカズオ・イシグロが書き下ろし、イギリスの名優ビル・ナイが主演を務めた。第95回アカデミー賞の脚色賞と主演男優賞にノミネートされたが、惜しくも受賞を逃した。
焼きそばタイプのカップ麺の例。写真上部に3本の溝が見えるが、これで湯切りする。
中国ひとり歩記(あるき)

安くて具が多い中国カップ麺

即席麺は日清食品の創始者である安藤百福氏が開発し商品化したものであることはよく知られている。氏は世界に大きな影響を与えた人であり、氏の活躍をモデルとしたNHK朝ドラ「まんぷく」(2018年度)を、筆者も毎回欠かさず観ていた。
中国ひとり歩記(あるき)

中国のはんこと日本のはんこ

2000年以降、中国各地を業務に関連して何回か訪問している。それぞれの土地で、お土産として印章(はんこ)をいただいた。また、中国のほとんどの空港には印章を売る店があり、飛行機を待っている間に素早く彫ってくれる。
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エブエブに出てくる食べ物たち

去る3月12日、第95回アカデミー賞授賞式が行われた。結果は、前評判の高かった「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」が、作品賞、監督賞、主演女優賞、助演女優賞、助演男優賞、脚本賞、編集賞の計7部門で受賞するという圧勝であった。今回はこの作品(略称「エブエブ」)に登場する食べ物について述べていく。 ※注意!! 以下はネタバレを含んでいます。 新作スイーツのお味はいかが 「エブエブ」は […]
スクリーンの餐

“3”にまつわる映画と食べ物

「スクリーンの餐」は、おかげさまで連載300回を迎えることができました。2011年の連載開始以来約12年。ここまで続けてこれたのも、ご覧いただいた皆様のおかげです。ありがとうございます。
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消え去る映画技術と送る人々

皆さんは、百年後の映画がどうなっているか想像できるだろうか。リュミエール兄弟によるシネマトグラフの発明後、映画技術の進歩はとどまることなく、そのときどきの映画製作や鑑賞方法に変化をもたらしてきた。
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温めれば何度でもやり直せる

今年もやって来るバレンタインデー。チョコレート業界にとっては一年で一番の書き入れ時だ。この時期には、全国各地で関連イベントが多数行われる。その中で、「日本一のチョコレートの祭典」と言われているのが、ジェイアール名古屋タカシマヤの「アムール・デュ・ショコラ」。
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年の瀬はワイン映画で三本締め

2022年最後となる今回は、本連載第292回で触れた「戦地で生まれた奇跡のレバノンワイン」「チーム・ジンバブエのソムリエたち」に、日本の「Vin Japonais The Story of NIHON WINE」を加えたワイン映画三本立てでお送りする。 ※注意!! 以下はネタバレを含んでいます。 日本ワイン造りを凝縮 「Vin Japonais The Story of NIHON WINE」は、 […]
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食事と描き出した二十四節気

今回取り上げる「土を喰らう十二カ月」は、「五番町夕霧楼」(1963)、「飢餓海峡」(1963)等で知られる小説家、水上勉のエッセー「土を喰う日々 ―わが精進十二カ月―」(1978)を、中江裕司が現代の信州に置き換えて脚本化し、監督した新作映画である。  本作の主役とも言える四季折々の料理は、「きょうの料理」(NHK Eテレ)、「おかずのクッキング」(テレビ朝日系、2022年3月で終了)等のTV番組 […]
スクリーンの餐

美食スノッブたちへの挑戦状

2010年代、「エル・ブリの秘密 世界一予約のとれないレストラン」(2011、本連載第42回参照)のヒットをきっかけに、高級レストランや料理人、美食家等を題材とした「グルメ系フードドキュメンタリー」が次々に公開され、ちょっとしたブームになった。その流れは現在、Netflixのフードドキュメンタリーシリーズ「シェフのテーブル」等に受け継がれている。  2020年代に入り、フィクションではあるが、変化 […]
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恒例・この時期のワイン映画

昨日11月17日は11月第3木曜日で、ボジョレー・ヌーヴォーの解禁日だった。例年この時期になると、ワインを題材とした映画が公開されるのが恒例となっている。今回は、ボジョレー・ヌーヴォーの解禁を前に公開された、仏日2本の作品をご紹介する。