シシリアンルージュ。見た目は普通の中玉トマトだが、鍋の中で演じることに価値がある
食の損得感情

「シシリアンルージュ」に育種の潮流を見る

「シシリアンルージュ」という調理用トマトが、イタリアンのシェフや、料理好きの消費者を中心に話題になっている。細長い中玉のトマトで、生食しても味は悪くない。ところが、これをカットしてソテーパンで温めると面白い。みずみずしい果実が見る間にとろけ出し、数分ですっかりトマトスープのようになってしまう。
「セブン-イレブン」のそうざい商品のラベル。コンビニ業界に与えた影響は大きかったが、表示は控えめ
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セブン-イレブンに感動できない人に社会は変えられない

桜の開花のニュースが続々と届く季節になった。貴族や武家の習慣であった花見が大衆化したのは、8代将軍徳川吉宗が町人にこれを奨励したことに始まるという。財政再建を進める中、人々に娯楽を与えてストレスを解消させ、消費も刺激する狙いがあったとか。当時世界最大だったという説もあるほどの大都市ならではの、都市経営の秘策の一つと言える。
機械抜きに現代の農業を語れば、それは虚構と言うほかない。多くの新しい種苗、化学工業製品である多くの資材についても、同じことが言えるのだが
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手植えでは農業の勉強にはならない

ほとんどの地域で田植えは5月のこととは言え、水田農家はそろそろ今年の作業の準備を具体的に考え始めている頃だ。新しい機械や資材の利用、イベントを行うなどのアイデアがある人なら、早くも忙しくなってきているという人も多いに違いない。イベントというのは、例えば都市生活者や地元の子供たちを水田に呼んで、田植えを体験させるなどのことだ。今年もまた、ゴールデンウイークの前後には、「○○小学校の生徒○人が、田植え […]
展示会でのプレゼン風景。研究から技術が生まれ、商品が作られ、販売される。販売までかかわる研究者もいれば、研究室から出ようとしない研究者もいる
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“先生”のビジネス

「病気にならない生き方/ミラクル・エンザイムが寿命を決める」(新谷弘実著、サンマーク出版)の続編が出て、これもなかなか好調に売れているようだ。感心して、著者新谷弘実氏のホームページを見て、また感心した。トップページの上部の目立つ位置に、Dr.シンヤ推奨商品販売サイトのバナーが付いている。リンク先は、健康食品などを売るeEコマース・サイトで、「エンザイムX BIO(シンヤ酵素)」という健康食品が主力 […]
毒?(過ぎてしまえば笑い話だが、過ぎるまでが長い……)
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見えないリスクに人がとる不可解な行動

このサイトの読者のみなさんにこのようなことを打ち明けるのは恥ずかしいことだけれども、私は今も牛肉を元気よく食べる気にはなれないでいる。国産牛の管理の厳重さ、米国産牛を食べた場合に変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)に感染する確率の低さ、あるいはそもそもvCJDとBSEとの関連は未解明である、などなどの説明を聞いても、どうしても積極的になれない。説明自体にはうなずきもするので、これは全く個人 […]
地面に落ちた食べ物は、ハトに任せる。拾って食べない
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不二家をもって他山の石とすべき人々(2)

1月下旬の週末、よく行くスーパーマーケットで買い物をしていたところ、男性の従業員が売り場で台車に乗って作業をしているのに出くわした。シャーシの両端に垂直の支柱部分があり、好みの高さにステンレスの天板を付けられる多段式の台車だ。男性従業員は、キャスターがロックされていない台車の上、腰の高さに取り付けた天板に、サーフィンをするように腰を落として危なっかしく立ち、床からは手が届かないシェルフの上部の品物 […]
「かわいいと思っていたら、大間違い」と言われないように
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不二家をもって他山の石とすべき人々(1)

不謹慎な言い方になるが、「不二家」の不祥事には意外性があり、マスコミにとっては格好の素材となっている。不二家のブランド・イメージは、ペコちゃんによる「親しみ」「かわいい」、パッケージ製品のメーカーの一方、市中に洋菓子店も展開していることによる「手作り」、そして明治創業という歴史による「老舗」などの言葉で表現できるだろう。それが消費者を裏切っていたというのだから、「犬が人をかんだ」話ではなく、「人が […]
イチゴショートとシュトーレン。20年後、30年後のクリスマスの食卓に並ぶ食べ物は、子供たちにどんな感動をもたらすだろうか
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クリスマスケーキの甘みを増したのは科学だが

日本でクリスマスケーキと言えば、イチゴショートにいろいろな飾りが付いたものが一般的だが、ドイツならシュトレンという質素な見た目の甘いパンのような菓子を焼くし、フランスならビッシュドノエルという、丸太状のケーキを食べるという。シュトレンはトンネルの意味らしい。一方、ビッシュドノエルは、「クリスマスの丸太」。つまり、「食べるクリスマスツリー」というわけだ。なぜ、クリスマスに木を飾ったり、木をかたどった […]
サンフランシスコで見た「NO MSG」(グルタミン酸ナトリウム不使用)の看板。現地のガイドは、「不景気になると、東洋人差別が始まる。その一環」と言っていたが、それでは日本でのうまみ調味料忌避の流行を説明できない
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“妖怪化”する自然科学と近代的工業技術

以前、味の素の広報の方が漏らしていた。「最近は、世界的に化学(chemistry)、酸(acid)という言葉の受けが悪い。悪いものの代表のように使われているケースが目立つ。1960年代までは、この二つの言葉は、世界を良くする夢のキーワードだったのに……」。かつて”夢の言葉”だったから、「化学調味料」という言葉が使われたのも、自然なことだった。そう考えてみると、「うまみ調味料 […]
このどれかを割ると、中から出てくるのは……
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「そんなはずない」に振り回されない運営

生卵を割ろうと手に取ったとき、なぜかは分からないが妙に嫌な予感がした。見た目は普通の鶏卵。おかしなところは何もないように見えた。テーブルに打ち付けて割り、小鉢の上で開けると、その瞬間強烈な悪臭が広がった。出てきたのは、ドブのような臭いを発する濃褐色の液体だった。
藤井米穀店の「愛米味」。通信販売ではチルド便で配達される
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コメのブレンドの神様の責任感

「コメのブレンドの神様」と呼ばれる人がいる。藤井米穀店(大阪市淀川区)の藤井博章社長だ。藤井社長は、各地から仕入れたコメの状態と味を吟味してブレンドし、産地名や品種名ではなく、各種のブレンドに付けた商品名を前面に打ち出して販売している。
確かにミルクは子供用だが……
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話半分に読む「病気にならない生き方」

「病気にならない生き方/ミラクル・エンザイムが寿命を決める」(新谷弘実著、サンマーク出版)という本が100万部を超えるベストセラーになっているというので、つれあいが買ってきた。数日経って、肉を食べるのをやめると言い出した。牛乳も飲まないと言う。胃の調子が悪いからH2ブロッカー系の胃薬を買うと言っていたのも、やめたと言う。
農業機械の展示会に集まった農業経営者たち。売れるもの、利益の出るものを求めて真剣そのもの
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「GMは必要な技術」は消費者にとっておいしい話か?

「遺伝子組換え(GM)技術は日本にとって必要な技術」と、4割の農業経営者が回答――雑誌「農業経営者」が、今年3月にアンケート調査をした結果だ。調査対象者は、同誌購読者を中心とした2004人。43.8%が「必要」「どちらかといえば必要」と答え、48.2%が「必要でない」「どちらかといえば必要でない」と答えた。必要でないとする回答の方が数は多いが、GMに関する否定的な報道が多い中、意外な印象を与える数 […]