整備場の日航機。社員が「高い士気を維持」はいいが、“高いプライド”のありかはいったん疑ってみてはどうか
食の損得感情

プライドは“やり方”ではなく“やること”に

私の郷里と東京をつなぐ定期便は長らく全日空だけだったので、初めて日航機に乗ったのは就職してからだった。20年ほど前、金沢に出張したときだったと記憶している。飛んだと思えばもう降りるという距離だ。その客室に金モールの制服をまとった男性が現れたときには、ちょっと驚いた。何か不測の事態でもあって、パイロットが出て来たのかと思ったのだ。
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問答無用のドーピング禁止規定

今年は冬季オリンピックがある。これに関することをあれこれ読んでいたら、スキーウエアにも競技によって禁止される素材や形状があるということが分かった。以前、競泳で新しい素材や形状の水着について話題になったことと同様の動きや議論があるらしい。
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「食育」の前に「理科離れ」を止めるのが先

またぞろテレビの受け売りだが、なんでも、理科の実験の授業が苦手な教師が増えているのだという。何週間か前の「クローズアップ現代」(NHK)で、その話題を取り上げていた。番組では、そうした教師が増えている原因の一つを、彼らが生徒だった頃の指導要領に求めていた。彼らの時代、物事の結果だけを覚えさせ、その理由や機作を丁寧に教えることの大切さは軽視されていたのだという。
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市民農園で農薬を使うのをあきらめた日

数年前、市民農園を借りて畑仕事のまねごとをしていた。市民農園には市が委託している指導員という人がいる。いろいろと栽培の相談に乗ってくれるが、実際にはお目付役だ。他の地域のいろいろな人に聞いてみると、行政が提供する貸し農園では、指導員と利用者の間の緊張関係や対立の類というのは、往々にして発生するものらしい。ご多分に漏れず、私の場合もそこの指導員のAさんと、最初いろいろなことがあった。もめごとと言うほ […]
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「奇跡のリンゴ」木村秋則氏に抱く疑問

夜、たまたまテレビをつけてみたら「プロフェッショナル仕事の流儀」(NHK)をやっていた。それでひとつまずいことを思い出した。以前この番組に木村秋則さんという人が出演し、その後この人の生き様を綴った「奇跡のリンゴ」(石川拓治、幻冬舎)という本がベストセラーになった。まずいことと言うのは、旧友から「木村さんのリンゴが手に入らないか」と頼まれていたことだ。きちんとした返事ができていなく、申し訳ないと思う […]
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食品は理性と感情の統合ができているか

8月の終わりのことで少々前の話になるが、“開運ブレスレット”を販売していた会社や個人が、経済産業省から業務停止などの処分、指導を受けた(特定商取引法違反)という報道があった。霊感商法などは以前から社会的な問題となっていたが、警察や各省庁など行政が介入しにくい部分もあったので、興味深く見た。
チェーンストアのビジネスパーソンが農家を訪ねるメリットは価格交渉のためだけではないはずだ
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生産、流通、消費が分かち合うもの

天候不良による農産物の不作を伝える報道が目に付く。特に影響を受けていないと言う農家がいる一方、こうした報道があるということは、よほど困っている農家もいるのだろう。お見舞い申し上げる。「農業は天候に左右されるから大変だ」と、よく言われる。しかし、同じ時期にいろいろな農家を見ていると、作の善し悪しを左右するのは天候だけではないとつくづく考えさせられる。
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雑草は昔からスーパー雑草だった

7日19時のNHKニュースを見ていたら、続く「クローズアップ現代」で「スーパー雑草」を取り上げるという。すわ、またぞろ除草剤耐性遺伝子組換え(GM)植物の野生化やら交雑やらの話題かと観ていたら、そうではなかった。最近、除草剤耐性を持つ雑草が問題になっているという。それをスーパー雑草と呼んでいる。確かに最近この語を好んで使う人が増えているように感じる。
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情緒が論理を凌駕する

「ナチュラルとヘルシー」(ウォーレン・J・ベラスコ著、加藤信一郎訳、新宿書房)という本がある。原著は1989年刊と少々古い本だけれども(今も新刊が手に入る)、60年代~80年代の米国の食に関する文化史の本なので、時間が経った今も鮮度が落ちているということはない。むしろ、食に関するハチャメチャな情報が飛び交う昨今、この不思議な状況がどうして生まれたかを考えるのにたくさんのヒントを与えてくれる。
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明日ひとを苦しめる可能性を、誰もが警戒すべき

本日、広島原爆忌。4日の日本経済新聞に、「エノラ・ゲイ」元航法士セオドア・V・カーク氏のインタビューが載っていた。戦争を知らない世代の人から「なぜ原爆を落とした」と尋ねられるという。元機長は「墓石に名を刻むな」と言い残して死んだという。それまるごとが試練のような、つらく厳しい人生なのに違いない。国家と個人との関係について、よくよく考えているようにと言われているようだ。もちろん、同じことを被爆者たち […]
日食。真実が見えないのは、月のせい? 雲のせい?
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私たちの限界――食品安全委員会人事から

ある代議士の秘書を務めていた経験のある友人が漏らしていたことがある。彼の見るところ、ほとんどの国会議員には勉強の時間がないと言う。公務のほかに、党の会議や他の代議士との調整などのいわゆる“政治”に要する時間、地元や支持団体等へのケアや活動資金を集めるなど立場を守るための時間といったものが多く、直接かかわっているテーマについてさえ、自分で勉強する時間を作るのが非常に難しい。
5円玉のダウジング。「どれどれ、この本にはいいことが書いてあるかな?……読めばわかるか」
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「波動」の正体(2)

《6月25日の続き》私が「は?」という顔をしているのを見て、彼はいみじくも言った。「電気的な意味は全くないそうです」。言われてみて納得。「そういうことか!」と二人で合点した。それが“科学的な何か”である必要はなかったのだ。もちろん、構成作家のその人もそのことを見抜いているのだ。
包装に「ありがとう」をたくさん書いたお茶。おいしいと感じたのは、たぶん「ありがとう」のせいではないと思うのだが
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「波動」の正体(1)

農家を訪ねたり、食に関係するいろいろな人に会っていると、「波動」なるものを語る人によく出くわす。水を入れた容器に、2種類の文字を書いたラベルを貼る。一方には「ありがとう」と書き、もう一方には「ばかやろう」と書く。何日か後に調べると、それぞれの容器内の水の「波動値」に差を生じているとかなんとかという、あれだ。
スパゲティ(「カ・アンジェリ」にて)。もちろん、レストランで食べるできたての料理はうまい。しかしそれに甘えれば、新しいビジネスに足をすくわれることもある
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ヒットを生むわがままな心(2)

《5月28日の続き》どんなに優れたコンセプトでも、周りに似たようなコンセプトばかり現れれば、一般の消費者からは企業間の区別はつきにくくなる。いずれも同質、同じ商品と見られてしまえば、お客は価格で選ぶしかなくなる。そのとき問題になるのは、「胸いっぱい」は維持されるのか、つまり感動はあるかということだ。圧倒的な価格差は感動につながるが、似たような価格の中でわずかな差を見るようになってしまえば、感動は薄 […]
ハーレーダビッドソンの1台。ショップにあったあるステッカーにはこう書いてあった。“If I have to explain, you wouldn't understand.”(説明しろって言うんじゃあ、君にはわかんないね)
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ヒットを生むわがままな心(1)

テレビの話から。5月21日のNHK「クローズアップ現代」のテーマは「節約志向の客をつかめ/外食“激安”バトル」。これに西武文理大学教授の松坂健さんが出演された。松坂さんは元「ホテル旅館」(柴田書店)編集長で、私にとっては「月刊食堂」(同)編集部の大先輩だ。知っている人がテレビに出るのはわくわくするもの。楽しみに拝見した。