再考・ワイン物流改善

ソムリエ下野隆祥氏からいただいた励まし

「六人会」で出会ったソムリエ下野隆祥氏にはたくさんのことを教わった。その下野氏も、やはり輸入ワインのダメージに注意を払う人だった。ある日、氏に誘われて入った赤提灯で、意外なワインのテイスティングをすることとなり、私は氏の意図を量りかねて混乱した。
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ワインの腐敗臭・カビ臭の原因はワインでないことがある

テイスティングで異臭を感じた場合、それはワインに異臭があるためと考えるのが普通だ。ところが、実際にはワインではない意外なものから異臭が出ていることがある。決して珍しいことではないから、テイスティングの際は環境と道具を適切に準備する必要がある。
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蛍光灯などの光源によって赤ワインは黒ずんで見える

ワイン物流改善の第一歩は、ワインの変質の有無を発見することである。そのためには、先入観や既成概念を排除し、五感と判断力をニュートラルにしておくことが重要だ。先入観の例が「濃い色=フルボディ・タイプ」といった思い込みであるし、そもそも色の濃さを正確に判断できる環境を作れていない場合もある。
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赤が濃いワインへの憧れからは卒業を

ガルナッチャ・ペルーダもガルナッチャ・ティントレラも、スペインではフランス起源のものと考えられている。さらに、アリカント系は赤ワインの原料ブドウとして旧大陸に広く行き渡っている。作出者アンリ・ブーシェは、この様子を天国からどう見ているだろうか。
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多種多様なガルナッチャ

野生動物による被害が多発する原因の一つに気付いたので、本題からはずれるが最初に触れておく。一方、フィロキセラ禍の話題からアリカント系ブドウの話に戻ると、この系統の多様さには改めて感心させられる。
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フィロキセラ禍との闘い

ブドウ栽培に関する著書があり、補糖(シャプタリザシオン)の提唱者であるシャプタル。ナポレオンが彼を登用したのは、後にフィロキセラ禍と判明するブドウの障害があったからではないだろうか。そして、ブーシェ父子の事績も、フィロキセラ禍の中での抗いだったのではないだろうか。
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フィロキセラ禍発生はもっと早かったはず

1800年代中頃以前のブドウ品種のことは、文献にほとんど記述がない。それがなぜかと考えると、その頃に起こったワイン業界の大事件フィロキセラ禍のことに気付かされる。ところでそのフィロキセラ禍は、通常言われるよりも早くからヨーロッパに蔓延していたのではないだろうか。
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不可解なブドウ品種「タンテュリエ系」

ワイン用ブドウには、赤い果肉の品種がある。その起源をたどってみると、1800年代中頃にブーシェ父子という育種家が作出したものにたどり着く。だが、それ以前のことは全くわからない。一方、ブーシェ父子の手になる品種について調べると、いくつもの不可解なことに突き当たる。
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“国産ワイン”とブドウ色素

酸化・劣化した輸入ワインは、かつては“国産ワイン”の原料として買い取られていた。しかし、逆浸透膜濃縮技術によってブドウ果汁の輸送コストが圧縮できるようになった後、それは必要な原料ではなくなったと考えられる。ただ、ワインの色を調整するための色素に富むブドウ果汁はどのような果汁か。そこが気になる。
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ワインの高温劣化は温度そのものによるのではない

国税庁醸造試験所(現独立行政法人酒類総合研究所)第3研究室長(当時)の戸塚昭先生は、ワインを高温にさらして起こる変化を見る実験をしてくださった。その結果は、驚くべきもので、また高温にさらされたボトルのワインが劣化するしくみの本質を読み解く上でたいへん示唆に富むものであった。