ダイズが「畑の肉」と呼ばれるのにはわけがある
大豆変身物語

大豆に注目!

大豆は日本人の食生活を永年支えてきた重要な食材である。また、米や小麦等の穀物と並んで、人類にとって重要な作物である。特に、穀物では困難な役割となるタンパク質、脂質の供給源として、その重要性の認識が深まり関心が高まっている。
大豆変身物語

めんつゆの躍進

1952年、めんつゆという商品が誕生した。しかし、その用途は麺類を食べるときの汁を作るだけに止まらなかった。だし入りの汎用調味料として、鍋ものや煮ものに広く用いられるようになった。さらに、おひたし等のつけ・かけ用へと、しょうゆのテリトリーにまで用途を拡大した。ついに1994年、購入金額で、つゆ・たれ類がしょうゆを逆転した。
ほね元気
大豆変身物語

大豆食品の良さはトクホだけではない

大豆を使用した食品には、数多くのトクホ(特定保健用食品)がある。これらで期待される効果を担うのが、含まれる関与成分であるが、それは大豆自体が持っているか、発酵過程で生じたものである。もちろん、通常の大豆食品にも広く含まれるものも多い。食生活全体のバランスの中でトクホ製品の利用を考えたい。
「生しょうゆ『いつでも新鮮』」第二世代
大豆変身物語

しょうゆ容器の開発競争

しょうゆは開栓後に酸化による劣化が起きる。これはしょうゆメーカーにとっては長年の課題だったが、2009年、これを解決する酸化防止容器を用いた画期的な製品「ヤマサ 鮮度の一滴」が発売された。新機能を備えた製品が現れると、他メーカーも負けてはいられない。工夫してさらに使いやすい新製品が登場するものである。社会と消費者にとって、このような競争は有意義と考えている。
浜納豆
大豆変身物語

浜納豆と中国の豆チ/穀物を塩蔵したのは味のためか

人類が食塩を発見すると、食品を塩蔵して保存することを始めた。中でも穀物の塩蔵品が穀醤(こくびしお)である。浜松名物に浜納豆というものがある。これは平安時代に中国から伝わったとされるが、穀醤の発展したものであろう。同起源と考えられるものに、現在の中国でもよく使われる豆チがある。これらについて紹介したい。
豆腐のみそ漬け
大豆変身物語

料理本ブームのさきがけ・江戸時代の「豆腐百珍」

近年、「体脂肪計タニタの社員食堂」を筆頭に、企業による特徴ある料理本の発行が増えている。また、料理人や料理研究家等による料理本の発行も相変わらず盛んだ。しかし、料理本ブームというのは現代特有の現象ではない。実は、料理本ブームは江戸時代にも存在した。その嚆矢は「豆腐百珍」の大ヒットで、以降「百珍本」が次々に発行された。この「豆腐百珍」の遊び心は現代にも伝わっている。料理本ブームを振り返り、また豆腐類 […]
大豆変身物語

おからは食品か産廃か

豆乳や豆腐等の製造に伴い、おからが大量に発生する。その多くが産業廃棄物として処分されてきたが、近年は有効活用が進んでいる。それでも、食用としての活用はごく一部に止まっており、もったいないと思う。だが、究極のおから処理の試みも進捗しつつある。
脱脂加工大豆
大豆変身物語

「美味しんぼ/醤油の神秘」の誤り

近年、丸大豆しょうゆの消費量が増加している。脱脂加工大豆を原料とする通常品に比べ、香りや味に差異があることが明らかになってきた。丸大豆は原料価格が高く、使用するために工夫が必要だ。本商品を望む消費者だけでなく、メーカーにも有益な商品なのである。
ダイズが「畑の肉」と呼ばれるのにはわけがある
大豆変身物語

脱脂大豆は“ダイズカス”に非ず

 脱脂大豆は、大部分が飼料と肥料にしか使用されない時代があった。しかし現在では用途が広がり、多様な食品に活用されている。タンパク質源として、人類の食を支える重要な素材であることを改めて認識したい。
ダイズが「畑の肉」と呼ばれるのにはわけがある
大豆変身物語

日本文化の東西差と大豆

 日本は小さな島国だが、地域ごとに異なる多様な文化がある。それでも、ざっくり分けると東西の文化の差異が顕著である。これは、自然風土と歴史の積み重ねによって育まれてきたと考えられる。自然風土に注目した「照葉樹林文化論」は、東西差を説明する有力な仮説である。
腐乳
大豆変身物語

中国豆腐事情と腐乳

 日本の一般的な豆腐には、木綿豆腐、絹ごし豆腐、充填豆腐等が存在する(第4回参照)。これに対し、中国の豆腐の多様さには目を見張るばかりである。その中でも、なじみのない醗酵豆腐は興味深い。醗酵豆腐の代表格と言える腐乳の範疇に限っても多様であり、注目している。
大豆変身物語

伝統と滋養の味/豆腐よう

 沖縄県の伝統食品豆腐ようをご存じだろうか。原料の豆腐からは想像できない濃厚な味わいで、ヤミツキになる方もあるという。ただ、アルコール度数が高いので、お子様と下戸の方はお避けいただきたい。
スーパーで購入したテンペ
大豆変身物語

テンペ普及への道

食べたことはなくても、テンペという食品の存在はご存じの方が多いだろう。インドネシアの伝統的な大豆醗酵食品である。納豆同様の多様な機能性が明らかになりつつあり、国際的にも関心が高まってきている。「どんな料理にも合う」という紹介のされ方がされているが、納豆のような強い個性がないため、誇張ではないようだ。日本でも普及活動が行われている。
きな粉
大豆変身物語

「きな粉塩麹」はいかが

正月は、もちにきな粉をからめて食べた方も多いことだろう。きな粉の香りは香ばしく、素朴だが懐かしい味である。伝統的な食材だが、近年はヘルシーさが見直されて用途が拡大し、生産量も増加しているという。  きな粉の歴史は定かではないが、奈良時代の僧侶が食べていたという記録があるらしい。製法は単純なため、古くから存在したことは推測できる。  地味な食材であり、生産量の正確な統計は存在しないようである。「昭和 […]