北海道よもやま話

世界の先端バイオ技術を無視し、発言しない日本の生産者の責任

日本国内で販売される農薬には登録制度があり、すべての生産者は、その制度に従った適切な使用が求められる。今はそんなことはないだろうが、かつては現場で農薬使用の解釈に悩むこともあったようだ。ダイズ栽培では、雑草管理次第で収量が決まることは前回述べたが、どんな除草剤を使えば、生産者に最大の効果をもたらすかは、最終的に生産者自らの農薬選択による。
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有機栽培農家の敵「農薬」、その価格と流通

北海道のダイズ、ムギ農家が農薬を使用する金額はどれくらいだと思われるだろうか? 現場では除草剤、殺菌剤、殺虫剤の3タイプを主に使っている。金額、量は少ないが、成長促進剤、発芽抑制剤なども使用して、しっかりと農薬取締法に書かれている“国民の生活環境の保全に寄与”しているはずだ。ただ残念なことに、そのような話を生産者仲間が集まってしたことはないのだ。
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マイノリティの行動から次世代農業のヒントが見えてくる

湊須磨子(みなとすまこ、旧姓:浅田)さん。愛称スー。子供達はグラマスーと呼ぶ御年92歳の日系女性が米国ロサンゼルス近郊に住んでいる。昨年90歳で亡くなったご主人ヘリーとともに、20年来の知り合いになる。スーは1935年2月、秩父丸で米国メジャーリーグとの対戦のため巨人軍の沢村栄治投手らが乗船してホノルル経由でサンフランシスコ、ロサンゼルスに向かう同じ船上にいた。彼女は米国生まれであったが父の仕事の […]
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日本の農業は魅力的か?

多くの農家は昨年末の組勘(農協の1年間の金融収支決済)の整理を終えて、春の訪れを待っているのであろうか。雪の降らない地域の方たちからよく聞かれることの1つに「雪が降る北海道の生産者は冬の間、何をしているのですか?」というものがある。
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農薬の希釈倍率と水の使用量に関してもっと自由を!

期待はしていなかったが、やはりFoodScience編集部にクレームがあった。昨年6月25日付けの拙稿に対してである。農業生産者であり、科学者ではない自分が、かって知ったる本業の範疇と思い込み、しっかり下調べもせずに、うろ覚えで書いてしまったのが原因だ。農作業が忙しく……の言い訳はだめだ。間違いは間違いである。これからは自分の言葉で現場のことを書くように努めたい。
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半分の濃度で2回散布すると減農薬栽培にならない不思議

米国ノースダコタ州の農家Bobと農薬の話になった。私が「ところでどのくらい農薬を使用しているんだ?」と聞くと、「日本人は農薬の使用にウルサイからな?」と言いながら説明してくれた。春コムギの場合、除草剤が2回、殺菌剤が1.5回(1回と2回の場合がある)、殺虫剤が0.5回(使用する場合と1回使用する場合がある)だそうだ。殺虫剤を除いて農薬の名前を聞けば、馴染みのある物ばかりであった。正直言って、殺菌剤 […]
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サブプライムでもへこたれない米国農業から学ぶもの

今年の1月、マイナス35℃の米国ノースダコタ州の知り合いで、父親と共同経営する26歳の生産者、Bobのところに行く機会があった。私が「どうだ 景気は?」と聞くと、彼は「いいね?」の挨拶で会話が始まった。彼は地域農家では珍しい民主党支持者だ。世界中の皆が「あの大統領は……」と言うくらい人気がないのは米国国内でも基本的に同じなのだが、トウモロコシ、ダイズの生産者である彼にとって政治思想に相反するはずの […]
栄養週期栽培のために育てた“赤苗”
交叉する外食と農業の未来

栄養週期がたどってきた道

イネに肥料を与えるやり方として、独特の体系を持っているのが、「栄養週期」という農法を実践する人たちです。独特の体系といいますが、これはマジックではなく、植物の生理を研究した上でたどり着いた基本中の基本というのが、彼らの考え方です。
北海道よもやま話

残留農薬問題に隠れて、意外と見えない水質汚濁問題

農産物を生産する農家は常に消費者のことを考え、安全、安心な農産物を提供できるように、日頃から気を引き締めて営農をしている――。と言いたいところだが、実際のところ、そのようなことを寝ても覚めても考えているわけではない。もちろん、大切なことだと重々承知しているが、その前に我々営農者は守るべき数々の法律があり、遵法精神を全うすることで、結果的に消費者に安全・安心な農産物を提供できているのだと思う。その間 […]
プラウ
交叉する外食と農業の未来

耕し方のいろいろ

水田の耕し方はさまざま。田植えについて農家に話を聞くならば、植える苗のことだけでなく、もちろん水田そのものについても尋ねてみたいものです。
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GMの里、北海道遺伝子の香りのする街からのつぶやき

北海道には、倒幕政府主導の開拓の後に明治時代に米国人がやってきて、日本で唯一彼らからパイオニア精神を引き継いだ農業生産者がいると言われている。でもいったい今、北海道のどこにいるのだろうか? いるとすれば、何人くらいいるのか? 私に言わせればこれは大嘘もはなはだしい。こんな大嘘を今でも小学校で教えているとすれば、あきれるばかりだ。1985年(昭和60年)頃から「バイオ!バイオ!」とメディアが騒ぎ立て […]
大規模なジャガイモ圃場(宮城県)
交叉する外食と農業の未来

米国と比べて分かる、日本のジャガイモ生産事情

関東ではそろそろジャガイモを植え付ける時期です。国連は2008年を「国際ポテト年」(International Year of Potato, 2008)と宣言しています。食料の不安をなくし、貧困を根絶する狙いで、さまざまな機関がジャガイモに関する催しを行うことを予定しています。飲食店にとっても、ジャガイモ料理をアピールするよいチャンスかも知れません。