冷やして食べるスイートコーン。小さいから電子レンジで調理しやすいスイートコーン。ありそうでなかったスイートコーン「ピクニックコーン」を、先週試食させてもらった。
「ピクニックコーン」を育成したのは、パイオニアエコサイエンス(東京都港区、竹下達夫社長)。スイートコーンの大ヒット作「味来」を育種した会社だ。
「味来」は、小ぶりな品種であったにもかかわらず、糖度17~18度という甘味がウケて、人気商品となった。「ピクニックコーン」は、それよりさらに甘い品種だったものの、大きさもさらに小ぶりとなった。残念ながら、青果市場では、「小さい」ということで評価されなかった。
ところが、同社の人が知り合いに配ってみたところ、主婦やレストランから、「カロリーが気になるから、このぐらいの大きさの方がいい」「切らなくてもレンジや鍋に入れられる大きさ」という声が返ってきた。
さらに、「冷やして食べたらおいしかった」という声も。それで試してみたところ、粒が小ぶりな「ピクニックコーン」は、調理後に冷蔵庫に入れておいてもべたつかず、味もよいことがわかった。
そこで、ラップに包んで電子レンジで調理し、冷蔵庫で冷やして食べるスイートコーンとしてのマーケティングを開始。素朴でかわいい白くまのキャラクターと、「冷たくされると、甘いんです」というコピーを付けて、目下売り出し中。
パイオニアエコサイエンスから送っていただいた「ピクニックコーン」は、確かに小ぶり。ラップに包んで2本一度に電子レンジに入れても、回転皿は問題なく回った。甘さにつられてつい熱々のうちに1本食べてしまいそうになったのをぐっとこらえて、冷ましてから冷蔵庫へ。
粒の皮が薄いので、冷やしても硬い感じがなく、甘さを堪能できた。「冷やしたコーン=残りもの」という印象は吹き飛ぶ。歯にもほとんど挟まらないのがありがたい。
小学生の子供の食べ方を見ていると、小さな粒は小さな歯でも食べやすそう。粒は先端まで充実していて、先の部分だけかじらずに捨てるということがない。残さず食べられるサイズというのも、「食べちゃったー!」という達成感になってよさそう。弁当バッグにもすっぽり入る。いいじゃないか「ピクニックコーン」。
こういうものを評価できない市場(イチバ)。市場(シジョウ)のニーズとちょっと乖離してきちゃっているのかな。
それはさておき、早くまた夏にならないかと思う白露の侯なのでありました。
※このコラムは個人ブログで公開していたものです。