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作物の栄養(13)カルシウム(2)

カルシウムは植物の体の中で、ある部位から別の部位へ移動するということができない成分です。したがって、不足はダイレクトに障害につながります。これを効かせ続けるには、単に量を与えるだけではない工夫が必要です。
肥料
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作物の栄養(11)カリウム過剰の問題

カリウムも、欠乏と過剰でそれぞれ異なる問題を起こします。しかし今日の日本では、カリウムは欠乏よりも過剰を起こさないように注意するべきです。それは生育だけでなく、品質にも大きな影響を与えます。
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作物の栄養(6)窒素の扱いにくさ

実際の窒素の働きについて考えていきましょう。水田で栽培するイネはアンモニア態窒素を利用しますが、これは比較的扱いやすいものです。しかし畑の作物は硝酸体窒素を利用します。これはコントロールのしにくい代物です。
ドベネックの桶
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作物の栄養(5)リービッヒの誤り

無機栄養説を唱えてテーアと対立したリービッヒは、一方で窒素不要論を唱えて英国のローズと激論を闘わせます。結局これはリービッヒの誤りだったわけですが、これが激論になるほど、この時期に窒素は注目されたというわけです。
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作物の栄養(4)近代科学による解明

作物に何を与えればよいのかという問題について、人類は長い間頭を悩ませてきました。それを詳しく解明するきっかけになったのはリービッヒの無機栄養説ですが、これはテーアの有機栄養説と対立します。その頃日本では何をしていたかと言えば、“とにかく何でも与える”式の大ざっぱな考え方による有機肥料の投入でした。
油かす
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作物の栄養(2)

作物は有機物を吸収して育つとする有機栄養説に対して、19世紀の化学者リービッヒは、作物は成分を無機態で吸収するという無機栄養説を発表しました。これが今日の作物の栄養を考える基礎になっていますが、今日では別の吸収の形も知られています。そこを理解した上で、作物の栄養についてより深く学習していきましょう。
リービッヒ(左)と宮沢賢治
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作物の栄養(1)

前回まで、7つの栽培現場ごとの事情を見てきました。今回からは、植物に栄養を与えることの意味、効果について考えていきます。
海外土壌の土壌標本
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栽培現場ごとの土の事情(7)海外での農業(2)

栽培現場を7つに分類して説明する (1) 育苗培土(野菜苗を中心に) (2) 固形培地によるハウス栽培 (3) ハウスでの地床栽培 (4) 露地畑 (5) 水田での水稲 (6) 水田からの転作 (7) 海外での農業 農業生産を行う現場を7つに分類し、それぞれについて、土のあり方と栽培の実際について説明している。降水の少ない地帯の土は、ミネラルを多く含むが、固さと塩害の克服が難しい。
中国山東省
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栽培現場ごとの土の事情(7)海外での農業(1)

栽培現場を7つに分類して説明する (1) 育苗培土(野菜苗を中心に) (2) 固形培地によるハウス栽培 (3) ハウスでの地床栽培 (4) 露地畑 (5) 水田での水稲 (6) 水田からの転作 (7) 海外での農業 農業生産を行う現場を7つに分類し、それぞれについて、土のあり方と栽培の実際について説明している。海外の土壌の特徴の第一は、スコップも歯が立たない固さ。それは化学的な理由による。