食卓書机

老人を考えるのは自分のため

 国民の祝日の「敬老の日」はハッピーマンデー化によって9月第三月曜日(今年は21日)となりましたが(2001年~)、9月15日は「老人の日」で、21日までの7日間は「老人週間」です。  改正老人福祉法の「国民の間に広く老人の福祉についての関心と理解を深めるとともに、老人に対し自らの生活の向上に努める意欲を促すため、老人の日及び老人週間を設ける」との定めによります。  若い世代は高齢社会に関する話題 […]
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黒船が来て変わる力を活かす

「黒船が来ないと変わらない」というのは、日本の政治・経済のシステムの短所とされますが、日本人の「黒船が来て変わる力」も評価したいと思います。  1950年代、コカ・コーラが本格的に上陸すると伝わってきたとき、ラムネやソーダ水を作っていた全国の中小零細の飲料メーカーの間にパニックが起きました。反対運動もあったようですが、その黒い無敵の飲料に対抗して、ガラナ飲料の開発に着手したり、甘味料使用を廃止して […]
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チェーンは社会インフラなり

 20代の「月刊食堂」編集者時代、毎月1回編集部のメンバーが集まって渥美俊一氏の元を訪ねてお話を聞いていました。氏は日本にチェーンストアを根付かせた指導者の一人とされている人です。  当時の編集部には、渥美氏に意見だとか、ましてや反論などは言える雰囲気はありませんでした。片や名だたる経営者たちが支持するコンサルタント、片やこちらは昨日今日チェーンストアの勉強を始めた若輩者たち、しかも経営者ではあり […]
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ハイテク時代は同質化の時代

 先週記した2020年夏季オリンピックのエンブレム制作者による盗作・盗用・模倣の問題について、その事の流れに触れて思い出したことがもう一つあります。トヨタ自動車出身で元ハーレーダビッドソンジャパン社長、そしてFoodWatchJapanに「恢復するチェーン」を連載していただいていた奥井俊史氏が、以前、昨今の自動車業界について嘆いていたことです。  要約すればこのようなことです。現代の自動車メーカー […]
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便利な時代は個性を失う時代

 便利な時代の仕事のあり方について考えさせられる出来事が進行しています。直接には食とは関係ありませんが、今の外食の仕事についても多いに考えさせられることです。  去る7月25日に発表された2020年夏季オリンピックのエンブレムについて、ベルギーのリエージュ劇場(国王が創立)のエンブレムをデザインしたオリビエ・ドビ氏が盗作だと主張し、このほど同劇場と同氏が五輪エンブレムの使用差し止めを求めて地元裁判 […]
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農業にも統計的プロセス制御

「FoodWatchJapan」に「『よい農産物』とはどんな農産物か?」を書いてくださった岡本信一さんとは知り合ってかれこれ20年ほどが経ちますが、10年ほど前、岡本さんたちが行ったある研究について意見を求められたことがありました。  研究は、場所も経営体も異なる複数の畑を対象とした大がかりな調査と解析によるものでした。それらの畑の作物の収量の多い少ないに影響を与える因子を求めるというものです。調 […]
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品質とイメージ両立の桃太郎

「桃太郎」という名のトマト品種をタキイ種苗が発売したのが1985年。したがって、今年が桃太郎30周年ということになります。  その開発のきっかけは、「トマトがまずくなった」という噂が立ったことだったと言います。高度成長に伴う爆発的な都市化に対応するように、野菜産地は遠隔地に形成されるようになりました。トマトをその長距離輸送に耐えるようにするには、完熟前のまだ青く硬い段階で収穫する必要があり、これが […]
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6月に強い店は実力派と見る

「外食産業市場動向調査」(日本フードサービス協会)の6月度のデータが出て来ました。全体として客数減・売上げ減で芳しくない数字ですが、麺類ファストフード、焼き肉ファミリーレストラン、ディナーレストラン、その他の部門が健闘していました。 ※「外食産業市場動向調査」2015年6月 https://www.foodwatch.jp/jf201506/  もう36年も前の歌ですが、バラクーダというコミックバ […]
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分厚く質の高いサブカルの力

 日本では今年初めに公開となった映画「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」※のBlu-rayディスクが発売となり、先日ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントと米国大使館・農産物貿易事務所(ATO)共催の試写会が先週行われました。この会では試写に先立ち、映画に登場するさまざまなサンドイッチも提供され、映画が表現した食文化への理解を深めることができました。 ※参考:「シェフ 三ツ星フードトラック […]
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予測不可能な予測をする仕事

 奄美以北ではまだ梅雨明けとなっていないこの時期にいくつも台風が発生し、今年も天候の読みにくい年です。農業、外食、小売の現場でも対応に苦心されていることと存じます。  昨年、農業のビジネス誌「農業経営者」(農業技術通信社)のお手伝いをする中で、古くから伝わる気象予測法を研究している生産者のお話をうかがいました。いわゆる観天望気(夕焼けは晴れ、朝焼けは雨、など)のほか、寒試しや中国の運気論まで用いる […]
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居酒屋は放言する場所なのか

 某党の勉強会での発言内容(それ自体についての論評はしません)を巡って、小説家の百田尚樹氏がさまざまに弁明をする中にこのようなものがありました。 「小説家が私的な場で何を言おうが関係ない。これが言論弾圧なら、飲み屋でオッサンが『○○新聞をつぶせ』と怒鳴っても、言論弾圧になる」 百田尚樹氏のツイート http://twitter.com/hyakutanaoki/status/61733218206 […]
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米飯給食牛乳廃止の児童不在

 米飯給食の話題だけに噴飯ものだと感じました。朝日新聞によれば、新潟県の三条市教育委員会は9月から小中学校の給食の献立から牛乳を外す方針を固めたということです。 朝日新聞の記事 http://www.asahi.com/articles/ASH6Y52C1H6YUOHB011.html  記事によれば、同教委は2008年度から小中学校での完全米飯給食を始め、昨年度からは「米飯給食と合わない」などと […]
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金を狙えばブランドは育たず

 長年ブランド構築やブランド戦略に携わる中で、セミナーにいらした方や質問があってご連絡をくださる方の中に、根強い誤解があると感じることがあります。それは、強いブランドを持っていれば、より高い価格を設定したり維持したりできる、従ってより高い利益率を設定したり維持したりできる、というものです。  確かにヨーロッパの高級車や数十万円あるいはそれ以上の価格のバッグは、強いブランドのもとに売られていると言え […]
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ムスリムの作法は当人に聞け

 今週6月18日から7月16日までは、ムスリム(イスラム教徒)にとってはラマダーンとなります。ラマダーンとはヒジュラ暦(イスラム暦)の第9月の名です。ヒジュラ暦は太陰暦ですが、閏月を設けない暦法であるため月日は毎年11日程度繰り上がっていきます。  ラマダーンの期間、ムスリムは日の出から日没まで食事を摂りません。ただし、旅行者、病人、妊産婦、乳幼児など食事の制限が難しい合理的な理由がある場合は、事 […]
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歓迎された「ペヤング」帰還

 関東では昨日「『ペヤング』の帰還」のニュースがありました。NHKでも商標を挙げて扱っているので、やはり社会的に大きな話題ということでしょう。 NHKのニュース http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150608/k10010106801000.html  昨年12月、虫が混入した製品の画像がTwitterで紹介され、自主回収、保健所による工場の調査を経て、製造中止・ […]