農業機械の展示会に集まった農業経営者たち。売れるもの、利益の出るものを求めて真剣そのもの
食の損得感情

「GMは必要な技術」は消費者にとっておいしい話か?

「遺伝子組換え(GM)技術は日本にとって必要な技術」と、4割の農業経営者が回答――雑誌「農業経営者」が、今年3月にアンケート調査をした結果だ。調査対象者は、同誌購読者を中心とした2004人。43.8%が「必要」「どちらかといえば必要」と答え、48.2%が「必要でない」「どちらかといえば必要でない」と答えた。必要でないとする回答の方が数は多いが、GMに関する否定的な報道が多い中、意外な印象を与える数 […]
「夢ごこち」のブランド力アップに力を入れる中島美雄商店
食の損得感情

民間育成品種がコメ流通を変える

ビジネスファーマー向けの雑誌「農業経営者」(農業技術通信社)8月号で、「民間育種米で商機をつかめ」とする特集を組んだ。執筆に参加して感心したのは、民間が育成したコメの新品種がコメ流通を変えつつあることと、それによって“コシヒカリ神話”がいずれ“昔話”になっていく予感だ。
コシヒカリの圃場。作り手の数だけコシヒカリの品質はあるが、その違いは消費者には伝わらない
食の損得感情

コシヒカリ頼みの文化的貧困状態から脱出するには

手もとの日本経済新聞を机の上に置いて眺める。今日のニュースをチェックしようというのではない。たとえとして、第一面全体を日本の水稲うるち米圃場の全面積だと考えてみる。紙面の上から6段分、中央の折り目から上のほとんどのスペースが「コシヒカリ」で埋まっていると想像して欲しい。以下、「ひとめぼれ」「ヒノヒカリ」「あきたこまち」がざっと1.5段ずつを占め、『春秋』というコラムの上までのほとんどを埋めてしまう […]
DAKARA。よからぬ思い込みが筆者だけのものであることを祈る
食の損得感情

思い込むのは消費者の勝手か

ある雑誌の編集長から聞いた不思議な話。九州のある小さな町に、小さな喫茶店がある。その店のマスターは、お客にマジックを披露してくれる。それが評判で、全国からお客が遠路はるばる訪ねて来る。日本を代表するような有名な企業の経営者やタレントなど、著名人もたくさんやって来る。あまりに大勢が来店し、行列が出来ては近所迷惑なので、当日朝一番に電話して予約しなければならない。
肘掛上のコールボタン
食の損得感情

間違いを起こせない環境こそがヒューマンエラーを封じ込める

先日、羽田から福岡へ向かった時のこと。飛行機の座席に座って新聞を読み始めたところ、私の隣、通路側に座った男性にキャビンアテンダント(CA)が声を掛けて来た。「お呼びになりましたでしょうか?」。男性は、「いや、呼んでない」と答える。すると、CAの手がヌッと私に向かって伸びてきて、肘掛に載った私の腕を払いのけた。
みやげ物店の店頭で干されている干し魚。HACCPからは程遠い代物だが、こういうものは、なぜか平気で買っていく人が多い
食の損得感情

安全への真剣さを疑う光景

以前、電車に乗っていたときのこと。昼過ぎの上りながら、その車両の座席はほぼ埋まっていて、私を含め、途中で乗ってきた何人かがつり革につかまっているといった混み具合だった。網棚に荷物を載せて、ふと視線を落としたその時、私の前の座席で居眠りしている男性の頭に目が釘付けになった。脂でテカテカと光る頭髪に、おびただしいフケがからんでいる。紺色の背広の肩にも、粉雪のように、それは積もっていた。思わず、「うわっ […]
たくさんの材料で作ったパエリア。複数の食品をどう組み合わせて調理しても、毒が発生することがないというのは、考えてみればありがたくも不思議な話だ
食の損得感情

食い合わせ問題は食品添加物のハンディ

「ライフスタイル革命」という本がある。ナチュラル・ハイジーンという米国の健康法の入門書「FIT FOR LIFE by Harvey and Marilyn Diamond」の翻訳に、訳者による解説と実践のガイドを補ったもの。初版は1999年だが、最近は重版されていないようで書店ではほとんど手に入らない。オークションサイトでは非常に人気があり、いつも定価の2倍近い値が付いている。以前、あるオークシ […]
食べる智恵

ご飯が炊ける臭いはよい香りか悪臭か

飯を炊いていて、蒸気と一緒に湧き上がってくるあの臭い。あれを嫌う人は少ないだろうと思う。子供の頃、眠い朝に味噌汁の香りと一緒に布団の上空まで漂ってきたあの臭い。あるいは、お腹を空かせながら日が暮れるまで缶蹴りをしていて、魚を焼く臭いにつられて帰宅し、その台所に充満していたあの臭い。郷愁を誘うあの臭いの悪口なんて、なかなか言えない。
超繁盛回転ずし店「寿司虎」新別府店
食の損得感情

ディズニーの野菜工場と「寿司虎」の養殖サバ

東京ディズニーリゾート(TDR)を運営するオリエンタルランドが、“野菜工場”に取り組む。毎日新聞が報じたところによれば、同社子会社が発光ダイオード(LED)による水耕栽培施設を千葉県袖ケ浦市に作り、葉もの野菜を生産。来春からTDRに出荷する。栽培するのはレタスのほか、ホウレンソウ、ハーブ、水菜など。
食べる智恵

トラクタで真っ直ぐ走ること

4月20日頃、宮崎県に用事があって空路向かった。空港から列車に乗ったところ、沿線の水田に早くも水稲の苗が植わっていて驚いた(右写真)。早稲だろうか。ゴールデンウィーク前に移植を終えるというのは専業農家らしいが、条が左右に踊っているところを見ると、まだ若い人なのかも知れない。はたまた小学校の手植えの実習田か。そんな勝手な想像を巡らせながら田畑を見るのが楽しい。