食卓書机

雛祭りに見る宗教・呪術の工業化

 3月3日は桃の節句。「雛祭り」と言いますから、桃の節句と言えば雛人形が主役のように思います。女性のみなさんには、せっかく素敵なお雛様を見てもらおうというのに、小学生の頃おひなさまの日に招待した男子はなぜ食べることばかりに熱心だったのだろうとか、「日本全国酒飲み音頭」なる曲に「ひな祭りで酒が飲めるぞ」なんて歌っているのは許せないとか、思っている方もいるでしょう。
食卓書机

原稿チェックを希望する会社は危ない

 以前日経BP社の仕事で、ある企業のトップに取材をしたときのことです。この会社は外食を含むいくつかの事業分野を持っていて、取材はとくに制度や規制が複雑な新規分野にからめてコンプライアンスと危機管理についてうかがうものでした。インタビューは円満かつ活発な空気で進み、たいへん示唆に富むよいお話をうかがいました。
食卓書机

バリスタの「人車一体」

 一昨年秋のことになりますが、エスプレッソマシンの実演セミナーを取材したときの熱気をときどき思い出します。ヌォーバ・シモネリ社とその正規代理店のトーエイ工業が2009ワールドバリスタチャンピオンの英国グウィリム・デービス氏を招いて行ったセッションでした。
食卓書机

倉本長治曰く「店の中には嘘がある」

 昨年亡くなった「びっくりドンキー」アレフの庄司昭夫社長は、商業界の倉本長治さんを敬愛していて、いつも持ち歩いているノートには倉本さんの言葉がいくつも書き込まれていました。インタビューの最中、よくそれを開いて読んで聞かせてくださったものです。
食卓書机

先生が「死ね」と言ったら死ぬのか?

《前回のつづき》さて、「食べログ」に“やらせ”投稿をする業者がいたという問題の続きです。前回は、インターネットは“世間”であるゆえに、お店は情報管理ではなく、内部固めにコストをかけて、クチコミに強い店作りを、といったお話をしました。
食卓書机

カカクコム「食べログ」は消費者主導のクチコミの場を守る

 日本経済新聞電子版は大発会のあった1月4日夜、カカクコムが運営するクチコミ・サイト「食べログ」で、好意的な投稿を請け負う業者が活動していることが4日にわかったと報じました。その記事中、同社が昨年末までにそのような業者39を特定したことと、対策の強化、悪質な業者に対する法的措置も検討といった意向も報じています。
その後訪ねて平塚さんが案内してくれた岩沼
農林・水産

明日を見るには――宮城・岩沼からの連絡

津波被害を受けた宮城県の農家から、再起の道筋をつけるにはどうしたらいいか、資金と顧客を得る方法は、と相談を受けた。制度の内容から、行政はあてにできないという。そこへ追い打ちをかけるように入った肉牛出荷停止の報と立ち始めた風評。手を差し伸べてくれる企業は現れるのか。絶望から離農を考える人も出ているというが。
食の損得感情

ごちそうさま

FoodScienceのWebmaster中野栄子さんのはからいで、この欄の執筆者一覧を汚させていただくようになって5年が経ちました。専門家の先生方が多い中、場違いで申し訳ないと考えるたびに私の役割を説き、励ましてくださった中野さんとスタッフのみなさんに、そして忍耐強くお読みくださった読者のみなさんに、心から感謝しています。本当にありがとうございます。
食の損得感情

不祥事前夜。批判されない危険

トヨタ自動車社長が米国議会下院の公聴会に出席する半日前、元ハーレーダビッドソンジャパン社長の奥井俊史氏にお会いしていた。奥井氏はトヨタ出身でトヨタのことをよく知っている人だ。その日は、今回の一件をどう見ているかという奥井氏から私への質問で話が始まった。
食の損得感情

捕鯨を続けるナショナリズム以外の理由は何か?

トヨタ自動車のリコールについて、一部ではまたぞろ“アメリカの陰謀”とのささやきが湧いている。グローバル化した分野では、ビジネスの競合関係や種々の問題を国同士の敵対関係に置き換えて語られることが起こりやすい。しかも、陰謀論となると、舞台裏でどのような力が働いているかは見えない世界の話なので尾ひれが付きやすく、ブレーキはかかりにくい。
食の損得感情

〆アジがすたれたのはコールドチェーンのせいではなかろうという話

レストランを経営している友人に誘われて、すしを食べに行った。私はグルメではないので、高価な食事をすることなど年に何回もないのだけれど、「魯山人にもすしをにぎった80過ぎのSさんが現役で握ってくれる店。1万円程度でお願いしますって言ってあるから」と誘ってくれたので、同道することにした。贅沢な食事は不得手ながら、人生のベテランの話を聞くのは大好きだからだ。
整備場の日航機。社員が「高い士気を維持」はいいが、“高いプライド”のありかはいったん疑ってみてはどうか
食の損得感情

プライドは“やり方”ではなく“やること”に

私の郷里と東京をつなぐ定期便は長らく全日空だけだったので、初めて日航機に乗ったのは就職してからだった。20年ほど前、金沢に出張したときだったと記憶している。飛んだと思えばもう降りるという距離だ。その客室に金モールの制服をまとった男性が現れたときには、ちょっと驚いた。何か不測の事態でもあって、パイロットが出て来たのかと思ったのだ。
食の損得感情

問答無用のドーピング禁止規定

今年は冬季オリンピックがある。これに関することをあれこれ読んでいたら、スキーウエアにも競技によって禁止される素材や形状があるということが分かった。以前、競泳で新しい素材や形状の水着について話題になったことと同様の動きや議論があるらしい。