スクリーンの餐

映画に描かれた日本のお土産

欧米の土産が工芸品などの非食品が主であるのに対し、日本の土産はまんじゅうやようかんといった菓子類など、その土地の名産と称する食べ物の類が多いのが特徴だという(鈴木勇一郎〈2013〉『おみやげと鉄道 名物で語る日本近代史』講談社)。
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容器の名はオイスターペイル

個人的にずっと気になっていた、アメリカ映画に登場するあの“四角い紙箱”に入っている食べ物は何なのか、確かめてみたい。 “四角い紙箱”の正体  それを初めて目にしたのは、「ゴッドファーザー」(1972、本連載第31回参照)であった。マイケル(アル・パチーノ)が、父でニューヨークのイタリア系マフィアのドン、ヴィトー・コルレオーネ(マーロン・ブランド)の狙撃に関与したソロッツォ(アルフレッド・レッティエ […]
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運命を変える装置・コンビニ

前回に続いて、映画に描かれたコンビニエンスストア(以下、CVS)について述べていく。 「20世紀少年」のフランチャイズ店舗と「御用聞き」  浦沢直樹の長編漫画「20世紀少年」を映画化した3部作の第1章「終わりの始まり」(2008)では、主人公の遠藤ケンヂ(唐沢寿明)がCVSチェーン「キングマート」のフランチャイジーとして登場する。  ケンヂの家は元は酒屋であったが、1997年、ロック歌手になる夢に […]
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北海道式のコンビニおにぎり

今回と次回の2回に分けて、映画に描かれた我が国におけるコンビニエンスストア(以下CVS)とその変遷について述べていく。 「北の桜守」のホットドックとおにぎり  現在の日本のCVS・ビックスリーの各1号店開店は、1973年9月「ファミリーマート」狭山店(埼玉県狭山市。実験店舗。現・入曽店)、1974年5月「セブン-イレブン」豊洲店(東京都江東区)、1975年6月「ローソン」桜塚店(大阪府豊中市)とな […]
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「トリス」と昭和戦後の男たち

 1990年代から2000年代にかけて低迷していた国内ウイスキー需要は、2009年頃からのハイボールブームの影響もあって近年はやや持ち直している(図1)。このブームにサントリーの「角瓶」と並んで貢献したのが、かつてトリスバーやアンクルトリスで一世を風靡した「トリス」。今回は戦後の洋酒ブームの火付け役となった「トリス」と、トリスバーが登場する映画を通して、戦後の昭和を振り返っていく。 「トリス」とト […]
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香港・中国映画の早メシ事情

今回は、現在公開中の作品を含め、数本の香港・中国映画に登場する、伝統的なファストフードからインスタント食品までの“早メシ”を取り上げていく。 「イップ・マン 最終章」のプレートランチ  香港は、阿片戦争後の1842年から145年にわたってイギリス統治下にあったこともあり(※)、1997年に中国に返還されてからもボーダーレスな雰囲気を残した大都会である。食事情にもそれは表れていて、本格的な広東料理の […]
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「寝ずの番」の食べ物と踊り

前回に引き続き、落語界を舞台とした作品と、その中に登場する落語と食事を取り上げていく。 三代目マキノの矜持 2006年製作の「寝ずの番」は、上方落語の六代目笑福亭松鶴一門をモデルにした中島らもの短編小説集を原作に、俳優の津川雅彦がマキノ雅彦名義で初監督した作品である。 マキノ監督の祖父は日本映画の父と呼ばれた牧野省三、叔父マキノ雅弘も本シリーズの第2回で紹介した「江戸っ子繁昌記」(1961)をはじ […]
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「の・ようなもの」の食べ物

落語を題材にした映画にスポットを当て、食との関わりについて考察するシリーズの3回目は、落語を演じる噺家たちが主役を務める映画と、その中に登場する落語と食事を取り上げていく。
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ニュータウンの片隅のエデン

年末の恒例企画、年間1000本以上の鑑賞本数を誇る私rightwideが、今年公開された映画の中から印象的な食べ物や飲み物が出てきた作品を厳選したベスト10を発表する。前回の洋画編に続き、今回は邦画編をお届けする。