スクリーンの餐

わけあって空腹のランナーたち

2020年の東京オリンピック開催にちなみ、スポーツを題材とする映画とその中に登場する食べ物にスポットを当てるシリーズの2回目は、人間の基本動作である走りを競う、スポーツの原点とも言える陸上競技を取り上げる。 「炎のランナー」の豚の足  1981年製作のヒュー・ハドソン監督作品「炎のランナー」は、名門ケンブリッジ大学の主力短距離ランナー、ハロルド・エイブラハムズ(ベン・クロス)と、プロテスタントの宣 […]
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映画が描いた卓球とその食事

東京オリンピックまであと10カ月。本連載ではスポーツを題材とした映画と劇中に登場する食べ物について取り上げていこうと思う。まずはメダルが期待される卓球から。 「ピンポン」のスナック菓子  2002年公開の曽利文彦監督作品「ピンポン」は、松本大洋の漫画を原作に宮藤官九郎が脚本を務めた。  神奈川県の片瀬にある高校の卓球部を舞台に、インターハイ予選から次年度の予選までの一年間を描いた青春群像劇である。 […]
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勝者のアフタヌーン・ティー

いよいよ9月20日からラグビーワールドカップ2019日本大会が開催される。今回はそれにちなみ、ラグビーを題材とした映画の中で飲食が果たした役割について述べていく。 人種対立をノーサイドに  ジョン・カーリンのノンフィクション小説をクリント・イーストウッドが監督した「インビクタス 負けざる者たち」(2009)は、南アフリカ共和国におけるアパルトヘイト(人種隔離政策)の撤廃に尽力したネルソン・マンデラ […]
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「異人たちの夏」死者との食事

本日(8月16日)は月遅れ盆の送り火。お盆でこの世に戻って来ていた死者の霊をあの世に送り出す日と言われている。映画においても死者がこの世に戻って来るシチュエーションの作品は古今東西数多存在する。
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新海誠「新宿三部作」の食べ物

現在公開中の「天気の子」、そしてその前の「言の葉の庭」(2013)、「君の名は。」(2016)。新海誠監督のこの3作は、いずれも東京の新宿近辺を主な舞台としている。今回はこの「新宿三部作」を、作中に登場する印象的な食べ物を通じて読み解いていく。 《以下、公開中の作品に触れますのでご注意ください》
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トゥインキーの妖エネルギー

「ジャンクフード」と言うと、ある種の食品を栄養のバランスが悪く健康によくないと見なすネガティブな言葉だが、そのようなそしりを受ける食品であっても「早い、安い、そこそこうまい」といった長所から愛着を感じている人がいるのも事実である。  そんな、「ジャンクフード」と呼ばれるものを愛する人々が登場する映画をシリーズで取り上げてみようと思う。第1回は、前回「ダイ・ハード」で紹介したトゥインキーとその愛好家 […]
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日米貿易摩擦時代の米国映画

昨今の米中貿易戦争は当事国同士にとどまらず世界経済全体に影響を及ぼしつつあるが、20世紀後期には日米間の貿易摩擦が問題とされ、ジャパンバッシングが起きるなど、アメリカの憎悪の標的は日本に向かっていた。
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食べ物の恨みが歴史を動かす

人類の歴史上、食べ物が原因で戦争や革命に発展した例は枚挙にいとまがない。そこで今回は歴史上の大きな出来事を題材とした映画と、その出来事を誘発した食べ物について見ていこう。
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「こども食堂」が生まれた時代

映画に登場するフードを通して平成を振り返るシリーズの最終回。今回は児童虐待、ネグレクト、子どもの貧困等、平成の子育て難が生んだとも言える「こども食堂」を舞台にした作品を取り上げる。
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「家族のレシピ」の日星料理

今回は、日本とシンガポールを舞台に家族のドラマを通してアジアの食文化の融合を描いた「家族のレシピ」をご紹介する(シリーズ「平成のごはん映画を振り返る」は次回以降に続きます)。