FoodWatchJapan で「洋酒文化の歴史的考察」を連載されている石倉一雄さんも執筆された「酒読み――文学と歴史で読むお酒」(社会評論社、ほろよいブックス編集部編)が発売されました。
近世、近代、現代のさまざまな酒のシーンについての20を超えるエッセーを収録した読み物で、酒にかかわる仕事の方、酒の好きな方に推薦します。
石倉さんは、ご本人は「得意ではない」とおっしゃる昭和期の酒の売られ方、飲まれ方について、持ち前の探求心を発揮され多くの資料に当たってたいへん興味深いお話を書かれています。サントリーの山口瞳、開高健が活躍した時代ですが、有名な両氏の話で埋もれている当時のお話にあえてフォーカスしたということです。ぜひご覧ください。
●「酒読み――文学と歴史で読むお酒」掲載題・筆者
江戸時代の浪漫漂泊詩人と酒詩歌 岩佐善哉
江戸の風流 伊吹隼人
上戸と下戸の争い 三瓶はるみ
近代文学をめぐる酒 髙橋龍夫
かなしい酒 森村夏子
禁じられた酒造りと許された酒造りの間 才津祐美子
盃事の民俗 板橋春夫
琉球・沖縄の酒と文化と生活と 阪井芳貴
日本で飲まれる朝鮮の酒 伊地知紀子
フランスの美酒 渋谷豊
喜多方美術倶楽部とお酒 増渕鏡子
現存最古の飲料販売機「酒の自販機」 菅原孝平
天賞酒造「うま酒こけし」 近松義昭
「未成年者飲酒禁止法」制定 元森絵里子
戦時期の酒類業 板垣由美子
命あることを、ともに喜びあおう 室田元美
作家・大佛次郎のたしなむ酒 板垣誠一郎
グラスに映った残像から 石倉一雄
サントリーの広報誌『洋酒天国』を中心に 三島万里
新宿/ジャズ・バー/「PePe」 伊藤博一
『ドラえもん』と酒 稲垣高広
酒買いだるま 中村浩訳