4月23日と4月24日の両日、「第3回世界料理学会 in HAKODATE」が、函館市芸術ホールと函館国際ホテルで開催された。30名を超える料理人と識者がそれぞれの料理の考え方や仕事のあり方などについて発表を行い、活発に意見交換を行った。
「世界料理学会 in HAKODATE」は、「Restaurante VASCU」オーナーシェフで本学会実行委員会代表の深谷宏治氏がスペインのサン・セバスティアンで行われていた「San Sebastián Gastronomika」に触発されて企画。すでに同士らが提唱、実行して市に定着していた「バル街」に集った料理人の間で開催の機運が高まり、2009年に第一回を開催した。
今回は共通テーマとして「海藻」を設定した。共通テーマを設定するのは初めて。海藻をあまり使わない海外の発表者も、これに向けて海藻を使った料理を考案したり、研究したことを発表するなど、積極的に取り組まれた。
演題、発表者、所属は下記。
開催記念パーティでは発表者らによる料理も振る舞われた。
「世界料理学会 in HAKODATE」は、実行委員会が販売するカレンダー等のグッズの収益と参加費(サポーター登録。1口2500円)で運営費をまかない、行政等に頼らないことを旨としている。
【23日】
●主催者挨拶
深谷宏治「Restaurante VASCU」(北海道・函館)
●オープニングトーク
奥田政行「アル・ケッチャーノ」(山形・鶴岡)
高澤義明「アロニア ド タカザワ」(東京・赤坂)
間光男「レストラン TERAKOYA」(東京・小金井)
木村真季 柴田書店
●「田舎のレストラン」私のなかの一つ星
赤間善久「シェ ヌー」(宮城・塩竈)
●Saveurs de la mer 海の香り
高田裕介「ラ・シーム」(大阪・本町)
●マコンブとガゴメの生物学的な魅力
安井肇 北海道大学大学院水産科学研究院
●バスクのファストフード PINTXO とモダンスパニッシュ料理を比較する
Iñaki Rodrigo
●革新の先に見える伝統菓子
齋藤毅「パティスリー ストーブ」(秋田・広面)
●(自店の考え方について)
Alexandre Bourdas「Sa.Qua.Na」(フランス・オンフルール)
●金沢の食文化
高木慎一朗「銭屋」(金沢・片町)
【24日・本会場】
●思い・人・縁……そして繋がり
橋本正「ラ・ターチ」(北海道・函館)
●Modern Kitchen Settings
Jose Sanchez コンラッド東京(東京)
●Looking forward in cuisine and the use of seaweed
Grant Achtz「ALINEA」(アメリカ・シカゴ)
●スペシャルセッション
谷昇「ル・マンジュ・トゥー」(東京・市ヶ谷)
田代和久「ラ・ブランシュ」(東京・南青山)
●こんぶのはなし
奥井隆 奥井海生堂(福井)
●現代のメキシコ料理における海藻の使い方
Edgar Nunez「Sud 777」(メキシコ・メキシコシティ)
●料理をするって何?
中道博「レストラン モリエール」(札幌・宮ヶ丘)
●今回の学会をふりかえって
齋藤壽 「ザ・ウインザーホテル洞爺」顧問
【24日・分科会】
●料理人・調理器具を考える
間光男「レストラン TERAKOYA」(東京・小金井)
滝沢英哲「オステリア デル ボルゴ」(八戸・尻内町)
●料理人とパン職人の闘い
谷昇「ル・マンジュ・トゥー」(東京・市ヶ谷)
志賀勝栄「シニファン・シニフェ」(東京・三宿)
●昆布と料理人・基本と可能性
奥井隆 奥井海生堂(福井)
中東久人「野草一味庵 美山荘」(京都・大悲山)
秋山能久「六雁」(東京・銀座)
●関西に光あり
小西由企夫「エル・ポニエンテ」(大阪)
高田裕介「ラ・シーム」(大阪・本町)
福本伸也「カ・セント」(神戸・中山手通)
●札幌ガストロノミーの構想と北海道
石井誠「ル・ミュゼ」(札幌・宮の森)
横須賀雅明「Restaurant MiYa-Vie」(札幌・南円山)
●エル・ブジのあとのスペイン料理
渡辺万里 スペイン料理アカデミー(東京)
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●リンク
「第3回世界料理学会 in HAKODATE」公式サイト
「第3回世界料理学会 in HAKODATE」Facebookのイベントページ
FoodWatchJapan のFacebookページにも一言レポートがあります