ホットペッパーグルメ外食総研による外食市場調査※の2021年10月度調査結果では、外食市場規模は2,114億円で、前年同月比−413億円(83.7%)、2019年比では67.3%となった。
市場規模が今年初めて2,000億円を上回る
2021年10月の外食市場規模は、3圏域合計で2,114億円。前年同月比(以下、前年比)は−413億円。市場規模は5カ月連続で前年比マイナスを記録したが、コロナ禍以前の2019年10月比では67.3%と、9月(2019年比42.6%)からマイナス幅が大幅に縮小した。なお、本調査で外食市場規模が2,000億円を上回ったのは2021年では初である。
10月は全国で緊急事態宣言が解除され、エリアにもよるが営業時間や酒類提供の制限が緩和された。また、東海圏と関西圏では降雨日が昨年より少なく、カレンダー的にも前年より日曜が1日多かったことが回復の一助になったかもしれない。
食事主体業態・計(2019年比74.3%)、飲酒主体業態・計(同53.8%)、軽食主体業態・計(同65.5%)、いずれも改善傾向で、とくに飲酒主体業態では前月の2019年同月比(17.0%)から大幅に持ち直した。圏域別では、2019年同月比で首都圏:66.7%、関西圏65.6%、東海圏74.8%と、東海圏のマイナス幅が最も小さくなっている。
2021年10月の外食実施率は60.0%
前月比増減+13.5pt、前年比増減−4.5pt。
2021年10月の外食頻度は3.54回/月
前月比増減+0.31回、前年比増減−0.25回。
2021年10月の外食単価は2,455円
前月比増減+233円、前年比増減−83円。
2021年10月の外食市場規模は2114億円
前月比増減+764億円、前年比増減−413億円。
「スナック」「お好み焼き」の前年比がプラスに
主要16業態では「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」(前年比増減+4億円)、「お好み焼き、鉄板焼き等の専業店」(同+1億円)で市場規模が前年比プラスに転じた。また、延べ外食回数でも「カラオケボックス」(前年比増減+6万回)が前年実績超えした。さらに、外食単価では「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」(前年比増減+965円)、「お好み焼き、鉄板焼き等の専業店」(同+132円)、「フレンチ・イタリアン料理店」(同+33円)、「居酒屋」の4業態で前年比プラスとなっている。
市場規模を2019年同月比で見ると、「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」の108.1%が最高で、次いで「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」の86.1%、「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」の81.4%がトップ3となっている。飲酒主体業態・計は市場規模の前年同月比が80.2%(9月:28.0%)、2019年比が前述のとおり53.8%(9月:17.0%)で、その中心をなす「居酒屋」では、市場規模の前年比が77.6%、2019年同月比が51.6%と回復傾向が見られた。
前年比プラス業態
「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」「お好み焼き、鉄板焼き等の専業店」
前年比±0の業態
なし
前年比マイナス業態
「和食料理店」「中華料理店」「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」「フレンチ・イタリアン料理店」「アジアン料理店」「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」「すき焼き、しゃぶしゃぶ、鍋、おでん等の専業店」「ファミリーレストラン、回転すし等」「ラーメン、そば、うどん、パスタ、ピザ等の専業店」「居酒屋」「バー、バル、ワインバー、ビアホール、パブ」「カラオケボックス」「ファストフード」「牛丼、カレー等一品もの専売業態」
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査は、株式会社リクルート(東京都千代田区、北村吉弘社長)の外食に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」が行っている調査。毎月、首都圏・東海圏・関西圏の約9,000~1万人を対象に「外食市場調査」を実施している。
この「外食市場調査」では、圏域内の生活者による毎日の夕方以降の食事や飲酒について、外食と中食の内容(場所、相手、単価など)をヒアリングし、毎月の外食市場の動きを継続的に可視化している。3圏域限定で朝食・昼食は含まない市場調査ではあるが、飲食店などの事業所ヒアリングではなく、生活者に直接ヒアリングを行っていることから、性年代別や相手別の消費動向がわかり、外食している街や業種の情報が取得できていることが特徴。