日本フードサービス協会(JF)は2021年9月外食産業市場動向調査を発表した。全体(事業社数226、店舗数36,354店=96.3%)合計の売上高は91.8%と縮小。客単価は下降したが、客数は93.0%と減少。
業態別で売上高が前年同月を上回ったのは洋風ファストフードのみ。客数が伸び、客単価も上昇して対前年同月2桁増と好調だった。
他は軒並み客数減、売上減。持ち帰り米飯/回転寿司と和風ファストフードは減少幅が比較的軽微だった一方、居酒屋(売上高前年同月比16.8%)とパブ・ビアホールパブ(同26.7%)は壊滅的。
JFによる概況は以下のとおり。
9月は、コロナ感染第5波のピークから脱し新規感染者数は減少傾向に転じたものの、引き続き三大都市圏などへの「緊急事態宣言」と全国各地への「まん延防止措置」が月末まで適用され、営業時間短縮と酒類提供制限の要請に応じた結果、店舗休業を余儀なくされたところも少なくなく、全体売上は対前年比91.8%、コロナ禍前の一昨年比では78.3%に留まった。パブ・居酒屋業態はさらに深刻な状況に陥り、前年比19.6%、一昨年比は9.5%となっている。
売上高と店舗数の伸び率推移(〜2021年9月)
[jfchange202109]
事業社数 | 店舗数 | 売上高(前年比) | 店舗数(前年比) | 客数(前年比) | 客単価(前年比) | ||
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全体 | (N=226) | (N=36,354) | 91.8% | 96.3% | 93.0% | 98.7% | |
ファストフード | 合計 | (N=57) | (N=21,422) | 105.3% | 98.8% | 100.0% | 105.4% |
洋風 | (N=21) | (N=6,361) | 115.7% | 99.6% | 106.2% | 109.0% | |
和風 | (N=15) | (N=5,116) | 98.7% | 99.1% | 98.1% | 100.7% | |
麺類 | (N=20) | (N=3,227) | 89.9% | 97.6% | 89.4% | 100.6% | |
持ち帰り米飯/回転寿司 | (N=18) | (N=4,319) | 99.5% | 98.6% | 99.0% | 100.6% | |
その他 | (N=8) | (N=2,399) | 92.7% | 97.8% | 88.8% | 104.4% | |
ファミリーレストラン | 合計 | (N=62) | (N=9,989) | 75.4% | 94.7% | 78.4% | 96.2% |
洋風 | (N=28) | (N=4,998) | 75.8% | 92.8% | 78.6% | 96.5% | |
和風 | (N=33) | (N=2,433) | 71.7% | 95.1% | 73.6% | 97.4% | |
中華 | (N=15) | (N=1,160) | 85.0% | 100.5% | 85.0% | 100.0% | |
焼肉 | (N=18) | (N=1,398) | 70.4% | 96.2% | 76.0% | 92.6% | |
パブ/居酒屋 | 合計 | (N=37) | (N=1,961) | 19.6% | 84.1% | 25.3% | 77.6% |
パブ・ビアホール | (N=10) | (N=416) | 26.7% | 89.5% | 24.9% | 107.4% | |
居酒屋 | (N=30) | (N=1,545) | 16.8% | 82.8% | 25.5% | 65.9% | |
ディナーレストラン(計) | (N=30) | (N=923) | 70.7% | 89.1% | 76.7% | 92.2% | |
喫茶(計) | (N=21) | (N=1,831) | 87.3% | 96.7% | 89.0% | 98.1% | |
その他(計) | (N=19) | (N=228) | 82.5% | 90.1% | 82.7% | 99.7% |
凡例:10%以上のプラス/5%以上のプラス/前年同月未達(四捨五入で100.0%となっているものを含む)/5%以上のマイナス/10%以上のマイナス。
※前年同月比は税抜比較で行っている。
※ファストフード、ファミリーレストラン、パブ/居酒屋の各業態の内訳に関しては、重複する事業社があるため合計の数値は必ずしも内訳の累積に一致しない。
ファストフード
ファストフード全体の事業社数は57、店舗数は21,422店(98.8%)。客単価は際立って上昇しながら、客数は100.0%と前年並み。売上高は105.3%と拡大。
洋風ファストフード(事業社数21、店舗数6,361店=99.6%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は106.2%と増加。売上高は115.7%と2桁の拡大。
和風ファストフード(事業社数15、店舗数5,116店=99.1%)は、客単価は前年並みながら、客数は98.1%と前年同月を下回った。売上高は98.7%と前年同月を下回った。
麺類ファストフード(事業社数20、店舗数3,227店=97.6%)は、客単価は前年並みながら、客数は89.4%と2桁の大幅減。売上高は89.9%と2桁の縮小。
持ち帰り米飯/回転寿司ファストフード(事業社数18、店舗数4,319店=98.6%)は、客単価は前年並みながら、客数は99.0%と前年同月を下回った。売上高は99.5%と未達ながら前年同月並み。
その他ファストフード(事業社数8、店舗数2,399店=97.8%)は、客単価は上昇し、客数は88.8%と2桁の大幅減。売上高は92.7%と縮小。
ファミリーレストラン
ファミリーレストラン全体の事業社数は62、店舗数は9,989店(94.7%)。客単価は下降したが、客数は78.4%と2桁の大幅減。売上高は75.4%と2桁の縮小。
洋風ファミリーレストラン(事業社数28、店舗数4,998店=92.8%)は、客単価は下降したが、客数は78.6%と2桁の大幅減。売上高は75.8%と2桁の縮小。
和風ファミリーレストラン(事業社数33、店舗数2,433店=95.1%)は、客単価は下降したが、客数は73.6%と2桁の大幅減。売上高は71.7%と2桁の縮小。
中華ファミリーレストラン(事業社数15、店舗数1,160店=100.5%)は、客単価は前年並みながら、客数は85.0%と2桁の大幅減。売上高は85.0%と2桁の縮小。
焼肉ファミリーレストラン(事業社数18、店舗数1,398店=96.2%)は、客単価は際立って下降したが、客数は76.0%と2桁の大幅減。売上高は70.4%と2桁の縮小。
パブ・居酒屋
パブ/居酒屋全体の事業社数は37、店舗数は1,961店(84.1%)。客単価は2桁ダウンと大幅に下降したが、客数は25.3%と2桁の大幅減。売上高は19.6%と2桁の縮小。
パブ・ビアホール(事業社数10、店舗数416店=89.5%)は、客単価は際立って上昇し、客数は24.9%と2桁の大幅減。売上高は26.7%と2桁の縮小。
居酒屋(事業社数30、店舗数1,545店=82.8%)は、客単価は2桁ダウンと大幅に下降したが、客数は25.5%と2桁の大幅減。売上高は16.8%と2桁の縮小。
ディナーレストラン
ディナーレストラン全体(事業社数30、店舗数923店=89.1%)は、客単価は際立って下降したが、客数は76.7%と2桁の大幅減。売上高は70.7%と2桁の縮小。
喫茶
喫茶全体(事業社数21、店舗数1,831店=96.7%)は、客単価は下降したが、客数は89.0%と2桁の大幅減。売上高は87.3%と2桁の縮小。
その他の業態
その他全体(事業社数19、店舗数228店=90.1%)は、客単価はやや低めの前年並みながら、客数は82.7%と2桁の大幅減。売上高は82.5%と2桁の縮小。
●日本フードサービス協会
http://www.jfnet.or.jp/data/data_c.html