居酒屋前年よりさらに下回る

日本フードサービス協会(JF)は2021年5月外食産業市場動向調査を発表した。全体(事業社数212、店舗数36,600店=96.1%)合計の売上高は119.8%と2桁の拡大。客単価は下降し、客数は124.0%と2桁の大幅増。

 居酒屋を除くすべての業態で客数と売上高は前年同月を上回る。

 店舗数は洋風ファストフードを除くすべての業態で減少。

 客単価が上昇しているのは居酒屋、和風ファストフード、和風ファミリーレストランなど。

 JFによる概況は以下のとおり。

東京、大阪、京都、兵庫の4都府県に発令されていた緊急事態宣言は5月も継続され、さらに愛知、福岡なども追加となり、これら宣言地域では酒類提供店は休業を要請された。さらに宣言地域とまん延防止措置対象地域が全国的に広がり、外食店舗の営業時間・酒類提供は継続して制限を受けている。5月の全体売上は119.8%となっているが、1回目の緊急事態宣言下にあった昨年5月との対比にすぎず、一昨年比では80.2%と、回復への出口はまだ見えていない。

売上高と店舗数の伸び率推移(〜2021年5月)

売上高と店舗数の伸び率推移(〜2021年5月)

外食産業市場動向調査2021年5月度全店データ
事業社数 店舗数 売上高(前年比) 店舗数(前年比) 客数(前年比) 客単価(前年比)
全体 (N=212) (N=36,600) 119.8% 96.1% 124.0% 96.6%
ファストフード 合計 (N=55) (N=21,093) 113.3% 98.6% 119.0% 95.2%
洋風 (N=16) (N=6,048) 110.3% 100.0% 124.6% 88.5%
和風 (N=14) (N=5,086) 112.1% 98.9% 107.4% 104.3%
麺類 (N=18) (N=3,088) 141.9% 95.8% 146.3% 96.9%
持ち帰り米飯/回転寿司 (N=15) (N=4,298) 110.6% 98.4% 109.7% 100.8%
その他 (N=10) (N=2,573) 110.7% 98.8% 111.9% 98.9%
ファミリーレストラン 合計 (N=61) (N=10,204) 129.1% 94.2% 130.6% 98.9%
洋風 (N=26) (N=5,037) 126.6% 91.9% 130.4% 97.1%
和風 (N=31) (N=2,638) 145.8% 93.8% 142.7% 102.2%
中華 (N=13) (N=1,123) 112.9% 99.7% 117.0% 96.5%
焼肉 (N=16) (N=1,406) 135.5% 99.4% 136.1% 99.5%
パブ/居酒屋 合計 (N=32) (N=2,302) 102.7% 83.1% 93.9% 109.4%
パブ・ビアホール (N=9) (N=341) 197.9% 87.0% 261.3% 75.7%
居酒屋 (N=26) (N=1,961) 95.9% 82.4% 84.0% 114.2%
ディナーレストラン(計) (N=30) (N=1,012) 168.1% 95.4% 169.9% 99.0%
喫茶(計) (N=19) (N=1,815) 199.3% 97.2% 200.0% 99.7%
その他(計) (N=15) (N=174) 139.4% 99.4% 155.7% 89.5%

凡例:10%以上のプラス5%以上のプラス前年同月未達(四捨五入で100.0%となっているものを含む)5%以上のマイナス10%以上のマイナス

※前年同月比は税抜比較で行っている。

※ファストフード、ファミリーレストラン、パブ/居酒屋の各業態の内訳に関しては、重複する事業社があるため合計の数値は必ずしも内訳の累積に一致しない。

ファストフード

ファストフード全体の事業社数は55、店舗数は21,093店(98.6%)。客単価は下降し、客数は119.0%と2桁の大幅増。売上高は113.3%と2桁の拡大。

洋風ファストフード(事業社数16、店舗数6,048店=100.0%)は、客単価は2桁ダウンと大幅に下降し、客数は124.6%と2桁の大幅増。売上高は110.3%と2桁の拡大。

和風ファストフード(事業社数14、店舗数5,086店=98.9%)は、客単価は上昇したが、客数は107.4%と増加。売上高は112.1%と2桁の拡大。

麺類ファストフード(事業社数18、店舗数3,088店=95.8%)は、客単価は下降し、客数は146.3%と2桁の大幅増。売上高は141.9%と2桁の拡大。

持ち帰り米飯/回転寿司ファストフード(事業社数15、店舗数4,298店=98.4%)は、客単価は前年並みだが、客数は109.7%と増加。売上高は110.6%と2桁の拡大。

その他ファストフード(事業社数10、店舗数2,573店=98.8%)は、客単価は下降し、客数は111.9%と2桁の大幅増。売上高は110.7%と2桁の拡大。

ファミリーレストラン

ファミリーレストラン全体の事業社数は61、店舗数は10,204店(94.2%)。客単価は下降し、客数は130.6%と2桁の大幅増。売上高は129.1%と2桁の拡大。

洋風ファミリーレストラン(事業社数26、店舗数5,037店=91.9%)は、客単価は下降し、客数は130.4%と2桁の大幅増。売上高は126.6%と2桁の拡大。

和風ファミリーレストラン(事業社数31、店舗数2,638店=93.8%)は、客単価は上昇したが、客数は142.7%と2桁の大幅増。売上高は145.8%と2桁の拡大。

中華ファミリーレストラン(事業社数13、店舗数1,123店=99.7%)は、客単価は下降し、客数は117.0%と2桁の大幅増。売上高は112.9%と2桁の拡大。

焼肉ファミリーレストラン(事業社数16、店舗数1,406店=99.4%)は、客単価はやや低めの前年並みだが、客数は136.1%と2桁の大幅増。売上高は135.5%と2桁の拡大。

パブ・居酒屋

パブ/居酒屋全体の事業社数は32、店舗数は2,302店(83.1%)。客単価は際立って上昇し、客数は93.9%と減少。売上高は102.7%と前年同月を上回った。

パブ・ビアホール(事業社数9、店舗数341店=87.0%)は、客単価は2桁ダウンと大幅に下降し、客数は261.3%と2桁の大幅増。売上高は197.9%と2桁の拡大。

居酒屋(事業社数26、店舗数1,961店=82.4%)は、客単価は2桁アップと大幅に上昇し、客数は84.0%と2桁の大幅減。売上高は95.9%と前年同月を下回った。

ディナーレストラン

ディナーレストラン全体(事業社数30、店舗数1,012店=95.4%)は、客単価は下降し、客数は169.9%と2桁の大幅増。売上高は168.1%と2桁の拡大。

喫茶

喫茶全体(事業社数19、店舗数1,815店=97.2%)は、客単価はやや低めの前年並みだが、客数は200.0%と2桁の大幅増。売上高は199.3%と2桁の拡大。

その他の業態

その他全体(事業社数15、店舗数174店=99.4%)は、客単価は2桁ダウンと大幅に下降し、客数は155.7%と2桁の大幅増。売上高は139.4%と2桁の拡大。

●日本フードサービス協会
http://www.jfnet.or.jp/data/data_c.html