日本フードサービス協会(JF)は2021年4月外食産業市場動向調査を発表した。全体(事業社数229、店舗数37,788店=96.0%)合計の売上高は136.7%と2桁の拡大。客単価は上昇したが、客数は134.2%と2桁の大幅増。
前年4月は緊急事態宣言が全国に拡大したことなどから対2019年4月で売上高60.4%、客数59.9%という数字であったため、その反動で大きく改善した形になっている。
ファストフードで客単価の低下が見られる。一方、居酒屋、和風ファミリーレストラン、喫茶、和風ファストフードなどで客単価の上昇が見られる。
すべての業種・業態で店舗数は減少している。
JFによる概況は以下のとおり。
4月は、まん延防止措置が5日から宮城県、大阪府、兵庫県に、12日から東京都、京都府、沖縄県に適用され、さらに25日からは3回目の緊急事態宣言が東京、大阪など4都府県に発令され、宣言下地域においては酒類提供が禁止となった。当然ながら客足は鈍り、とくに飲酒業態は大打撃を被った。前年4月が動向調査史上最悪の落ち込みとなったため、今回の全体売上は対前年同月比136.7%となったが、コロナ禍前の前々年対比では80.5%にとどまり、依然としてコロナ以前より遙かに厳しい状況が続いている。
売上高と店舗数の伸び率推移(〜2021年4月)
事業社数 | 店舗数 | 売上高(前年比) | 店舗数(前年比) | 客数(前年比) | 客単価(前年比) | ||
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全体 | (N=229) | (N=37,788) | 136.7% | 96.0% | 134.2% | 101.8% | |
ファストフード | 合計 | (N=57) | (N=21,608) | 117.6% | 98.5% | 121.7% | 96.6% |
洋風 | (N=19) | (N=6,306) | 110.0% | 99.5% | 122.8% | 89.6% | |
和風 | (N=18) | (N=5,110) | 108.9% | 98.6% | 103.5% | 105.2% | |
麺類 | (N=20) | (N=3,255) | 172.5% | 97.2% | 175.1% | 98.6% | |
持ち帰り米飯/回転寿司 | (N=16) | (N=4,333) | 121.9% | 97.9% | 117.5% | 103.8% | |
その他 | (N=11) | (N=2,604) | 132.2% | 98.4% | 136.0% | 97.2% | |
ファミリーレストラン | 合計 | (N=65) | (N=10,592) | 175.4% | 94.2% | 167.4% | 104.8% |
洋風 | (N=28) | (N=5,058) | 162.9% | 91.9% | 164.1% | 99.2% | |
和風 | (N=35) | (N=2,916) | 199.8% | 94.1% | 183.9% | 108.6% | |
中華 | (N=15) | (N=1,142) | 140.4% | 99.2% | 141.5% | 99.3% | |
焼肉 | (N=18) | (N=1,476) | 254.9% | 98.9% | 250.8% | 101.6% | |
パブ/居酒屋 | 合計 | (N=37) | (N=2,472) | 304.9% | 84.9% | 287.9% | 105.9% |
パブ・ビアホール | (N=11) | (N=355) | 584.2% | 88.5% | 561.8% | 104.0% | |
居酒屋 | (N=30) | (N=2,117) | 274.2% | 84.3% | 250.1% | 109.7% | |
ディナーレストラン(計) | (N=31) | (N=1,084) | 296.4% | 92.8% | 283.8% | 104.4% | |
喫茶(計) | (N=18) | (N=1,775) | 229.1% | 96.7% | 215.7% | 106.2% | |
その他(計) | (N=21) | (N=257) | 167.7% | 97.3% | 181.5% | 92.4% |
凡例:10%以上のプラス/5%以上のプラス/前年同月未達(四捨五入で100.0%となっているものを含む)/5%以上のマイナス/10%以上のマイナス。
※前年同月比は税抜比較で行っている。
※ファストフード、ファミリーレストラン、パブ/居酒屋の各業態の内訳に関しては、重複する事業社があるため合計の数値は必ずしも内訳の累積に一致しない。
ファストフード
ファストフード全体の事業社数は57、店舗数は21,608店(98.5%)。客単価は下降し、客数は121.7%と2桁の大幅増。売上高は117.6%と2桁の拡大。
洋風ファストフード(事業社数19、店舗数6,306店=99.5%)は、客単価は2桁ダウンと大幅に下降し、客数は122.8%と2桁の大幅増。売上高は110.0%と2桁の拡大。
和風ファストフード(事業社数18、店舗数5,110店=98.6%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は103.5%と前年同月を上回った。売上高は108.9%と拡大。
麺類ファストフード(事業社数20、店舗数3,255店=97.2%)は、客単価は下降し、客数は175.1%と2桁の大幅増。売上高は172.5%と2桁の拡大。
持ち帰り米飯/回転寿司ファストフード(事業社数16、店舗数4,333店=97.9%)は、客単価は上昇したが、客数は117.5%と2桁の大幅増。売上高は121.9%と2桁の拡大。
その他ファストフード(事業社数11、店舗数2,604店=98.4%)は、客単価は下降し、客数は136.0%と2桁の大幅増。売上高は132.2%と2桁の拡大。
ファミリーレストラン
ファミリーレストラン全体の事業社数は65、店舗数は10,592店(94.2%)。客単価は上昇したが、客数は167.4%と2桁の大幅増。売上高は175.4%と2桁の拡大。
洋風ファミリーレストラン(事業社数28、店舗数5,058店=91.9%)は、客単価はやや低めの前年並みだが、客数は164.1%と2桁の大幅増。売上高は162.9%と2桁の拡大。
和風ファミリーレストラン(事業社数35、店舗数2,916店=94.1%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は183.9%と2桁の大幅増。売上高は199.8%と2桁の拡大。
中華ファミリーレストラン(事業社数15、店舗数1,142店=99.2%)は、客単価はやや低めの前年並みだが、客数は141.5%と2桁の大幅増。売上高は140.4%と2桁の拡大。
焼肉ファミリーレストラン(事業社数18、店舗数1,476店=98.9%)は、客単価は上昇したが、客数は250.8%と2桁の大幅増。売上高は254.9%と2桁の拡大。
パブ・居酒屋
パブ/居酒屋全体の事業社数は37、店舗数は2,472店(84.9%)。客単価は際立って上昇したが、客数は287.9%と2桁の大幅増。売上高は304.9%と2桁の拡大。
パブ・ビアホール(事業社数11、店舗数355店=88.5%)は、客単価は上昇したが、客数は561.8%と2桁の大幅増。売上高は584.2%と2桁の拡大。
居酒屋(事業社数30、店舗数2,117店=84.3%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は250.1%と2桁の大幅増。売上高は274.2%と2桁の拡大。
ディナーレストラン
ディナーレストラン全体(事業社数31、店舗数1,084店=92.8%)は、客単価は上昇したが、客数は283.8%と2桁の大幅増。売上高は296.4%と2桁の拡大。
喫茶
喫茶全体(事業社数18、店舗数1,775店=96.7%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は215.7%と2桁の大幅増。売上高は229.1%と2桁の拡大。
その他の業態
その他全体(事業社数21、店舗数257店=97.3%)は、客単価は際立って下降し、客数は181.5%と2桁の大幅増。売上高は167.7%と2桁の拡大。
●日本フードサービス協会
http://www.jfnet.or.jp/data/data_c.html