国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(化学物質)No.24(2020.11.25)を発表した。また、「【BfR】パー及びポリフルオロアルキル化合物(PFAS)についてのよくある質問」を食品安全情報(化学物質)No.24(2020.11.25)別添として発表した。
注目記事
【FDA】FDAは香料あるいはスパイスとして加えられたゴマの自主的表示に関する事業者向けガイダンス案を発表
米国食品医薬品局(FDA)は、ゴマが「香料」や「スパイス」として使用される、あるいは通常使われる名前がゴマと特定されていない製品(タヒニなど)について、成分表において「スパイス(ゴマ)」といったようにゴマが含まれることを明示するよう製造業者に奨励するための自主的表示のガイダンス案を発表した。調査によると、米国では国民のゴマアレルギーの有病率が増加しているようである。
※ポイント:米国ではゴマは主要食物アレルゲンではないので、原材料として使用された場合には成分表に記載されますが、香料やスパイスに含まれている場合だと表示は必要ありません。今回の発表は、あくまでも業界による自主的な表示への働きかけで、主要食物アレルゲンにゴマを含める予定は今のところなさそうです。
米国の主要食物アレルゲン:乳、卵、魚、甲殻類、ナッツ類、小麦、ピーナッツ、ダイズ
【別添 BfR】パーおよびポリフルオロアルキル化合物(PFAS)についてのよくある質問
パーおよびポリフルオロアルキル化合物(PFAS)は、その特殊な技術的特性のため、いろいろな工業工程や消費者製品で使用される工業化学物質である。この物質グループには4,700以上ものさまざまな化合物が含まれ、そのうちパーフルオロオクタン酸(PFOA)とパーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)は最も徹底的に研究された物質である。PFOSの使用は2006年以降に、PFOAの使用は2020年以降に大部分が禁止されており、現在は、それらの製品や他のPFASの使用制限や禁止への取り組みが行われている。2020年9月に欧州食品安全機関(EFSA)が食品中のPFASの存在に関する健康リスクの再評価を発表したことを受けて、ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)がQ&Aを発表した。
※ポイント:PFASの概要が、EFSAの評価結果も含めて、簡潔に分かりやすくまとめられていますので、PFASに関心のある方は一読をお勧めします。
【BfR】ドライアイス:二酸化炭素中毒になる可能性がある
ドライアイスは、生鮮および冷凍品の保管、輸送、運搬に利用される。ドライアイスによる中毒事例は世界中で発生しており、ドイツ、日本、タイ、スイス、米国などの国々で報告されている。その取扱いに関する事故には、凍傷や貨物コンテナの爆発による損傷も含まれる。「ドライアイス」という用語は、少なくとも−78.5℃に冷却した固体二酸化炭素(CO2)を指す。室温では昇華により気体のCO2に変わる。そのため、密閉容器の中では爆発のリスクのある強力な圧力の増加を伴うほか、放出する気体CO2はヒトを窒息させる可能性がある。
※ポイント:一般消費者の方は普段あまり気にされていないかもしれません。ドライアイスは、密閉容器には入れないようにする、多量に運ぶ・使う時には換気する、といった注意点を、この記事で改めて認識していただけたら幸いです。
(安全情報部第三室)
食品安全情報へのリンク
- 食品安全情報
- http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
- 食品安全情報(化学物質)No.24(2020.11.25)
- http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2020/foodinfo202024c.pdf
- 食品安全情報(化学物質)No.24(2020.11.25)別添
- http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2020/foodinfo202024ca.pdf
今号の目次
【WHO】
1. 世界抗菌剤啓発週間
2. 世界がん研究機関(IARC)
【FAO】
1. FAOの食料展望:途上国が世界の食品貿易を活気づける
2. Codex
【EC】
1. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)
【EFSA】
1. EFSAのフォーカルポイント&オブザーバーとの2020年の危機への備え演習
2. トキシコキネティクスとトキシコダイナミクスモデリングのためのウェブベースのオープンソースツール
3. リスクコミュニケーションのエキスパートとスペシャリストへの呼びかけ
4. 食品添加物関連
5. 食品酵素関連
6. 遺伝子組換え関連
7. 食品接触物質関連
8. 農薬関連
9. 飼料添加物関連
【FSA】
1. 北アイルランドの食品・飲料品の持ち帰り購入について(2014年及び2018年)
2. 食品と環境中放射線報告(RIFE)2019
3. 食品接触物質と品物規則2020(イングランド改正版)の提案
4. ブログ FSAの20年の出来事
5. 穀物における抗生物質の使用と関連するリスクと研究ギャップのレビュー
【DH】
1. 不健康な食品のオンライン広告全面禁止について新しいパブリックコメント募集
【BfR】
1. ドライアイス:二酸化炭素中毒になる可能性がある
2. 菜食主義:ビタミンB12サプリメントは良く使用されている、ヨウ素が懸念材料
3.3Dプリンティング-「ほこりっぽい」ビジネス?
【RIVM】
1. 欧州の抗菌剤耐性についての新しいデータ
【ANSES】
1. DIMブランドが販売する洗える布マスク:銀ゼオライトと銀-銅ゼオライトを使った布処理に関連するリスク
【FSAI】
1. リコール情報
【Ruokavirasto】
1. フィンランドの子供たちは食品からの多環芳香族炭化水素暴露によるリスクはない
【FDA】
1. FDAは香料あるいはスパイスとして加えられたゴマの自主的表示に関する事業者向けガイダンス案を発表
2. FDAはあまり食べられない農作物リストのための滅多に生では食べないものの拡大についての情報提供締め切りを延長
3. 警告文書
【USDA】
1. APHIS:遺伝子組換えを用いて開発したトウモロコシの規制解除申請公表
【FTC】
1. FTCは根拠のないCOVID-19治療宣伝を止めるよう20以上の業者に警告文書を送付
【CFIA】
1. Chronicle360を開始しての一年
2. カナダ政府は肉や鶏肉類似品に対するガイドラインについての協議を開始する
3.2020-11-18食品安全検査報告(食物アレルゲンのターゲット調査)
4. リコール情報
【FSANZ】
1. 食品基準通知
【MPI】
1. ウェブサイトの表示変更
2. 貝のバイオトキシン警告
3. リコール情報
【香港政府ニュース】
1. 食品警告
2. 違反情報
【MFDS】
1.日本産輸入食品の放射能検査の結果
2. 卸売市場流通の不適合養殖水産物を摘発
3. 電子レンジでカップラーメンを調理する時、銀箔ふたは完全に取り外してください!
4. 粉末・丸剤形状製品の鉄粉など回収・検査結果発表
5. 秋季の巻貝毒このように予防してください!
6. 違法温度調節装置を設置した冷蔵・冷凍搭載車の摘発
7. オンライン販売農・水産物の集中回収・検査実施
【FSSAI】
1. 淡水及び海水魚の天然ホルムアルデヒドに関する食品安全基準改定
【その他】
・食品安全関係情報(食品安全委員会)から
別添
【BfR】パー及びポリフルオロアルキル化合物(PFAS)についてのよくある質問