ホットペッパーグルメ外食総研による外食市場調査※の2020年7月度調査結果では、2020年7月の外食市場規模は、3圏域合計で1,966億円。前年比では6月より若干改善した
実施率と頻度が改善。単価は下落
2020年7月の外食市場規模は、3圏域合計で1,966億円。前年同月比(以下、前年比)は−1,512億円。前年同月比の下げ幅は6月の前年比−1,466億円よりやや大きいが、もともとの市場規模が7月のほうが6月よりも大きいため、比率では前年比56.5%で6月の同56.1%よりは改善したと言える。
市場規模の前年比率回復に影響したのは外食実施率(55.6%、6月は53.8%)、外食頻度(3.62回/月、6月は3.32回/月)の改善で、逆に外食単価(2,395円、6月は2,574円)は再び前年比マイナスとなった。外食単価は、後述するが、飲酒主体の業態が新型コロナウイルスの再拡大で再び前年比が悪化したことで単価の下落につながったと思われる。
圏域別には、外食市場規模の前年比が首都圏51.8%、関西圏62.5%、東海圏70.0%と地域差が大きかった。7月は東京都を中心に新型コロナウイルスの感染者数が再び増加し、東京都がGO TO TRAVELの対象地域から除外されるなどがあったタイミングで、感染の拡大が首都圏を中心に消費者の外食マインドを下げたことが考えられる。
2020年7月の外食実施率は 55.6%
前月比増減 +1.8pt、前年比増減 −20.4pt。
2020年7月の外食頻度は 3.62回/月
前月比増減 +0.30回、前年比増減 −0.61回。
2020年7月の外食単価は 2,395円
前月比増減 −179円、前年比増減 −237円。
2020年7月の外食市場規模は 1966億円
前月比増減 +93億円、前年比増減 −1512億円。
食事系はマイナス幅縮めながら飲酒系は再び悪化
業態別では5カ月連続して主要16業態全てで市場規模が前年比マイナス。「居酒屋」(前年比増減−422億円)、「和食料理店」(同−230億円)、「フレンチ・イタリアン料理店」(前年比増減−111億円)等で減少が続いている。
ただ、「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」(市場規模前年比80.5%)、「ラーメン、そば、うどん、パスタ、ピザ等の専業店」(同75.4%)、「ファミリーレストラン、回転すし等」(同72.5%)等、食事主体の業態はマイナス幅が縮小傾向。
一方、「居酒屋」(同45.3%)等、飲酒主体業態は苦しい状況で、飲酒主体業態・計は市場規模が前年比41.7%(前月比増減−9.8ポイント)と、緊急事態宣言が解除された6月に一時回復の兆しを見せたが、再び悪化に転じた。
延べ外食回数が前年を上回った業態はなく、単価が前年を上回ったのは「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」(前年比+126円)、「ファストフード」(前年比+59円)、「お好み焼き、鉄板焼き等の専業店」(前年比+51円)等6業態だった。
前年比プラス業態
なし
前年比±0の業態
なし
前年比マイナス業態
「和食料理店」「中華料理店」「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」「フレンチ・イタリアン料理店」「アジアン料理店」「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」「お好み焼き、鉄板焼き等の専業店」「すき焼き、しゃぶしゃぶ、鍋、おでん等の専業店」「ファミリーレストラン、回転すし等」「ラーメン、そば、うどん、パスタ、ピザ等の専業店」「居酒屋」「バー、バル、ワインバー、ビアホール、パブ」「カラオケボックス」「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」「ファストフード」「牛丼、カレー等一品もの専売業態」
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査は、リクルートライフスタイル(東京都千代田区、淺野健社長)の外食に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」が行っている調査。毎月、首都圏・東海圏・関西圏の約9,000~1万人を対象に「外食市場調査」を実施している。
この「外食市場調査」では、圏域内の生活者による毎日の夕方以降の食事や飲酒について、外食と中食の内容(場所、相手、単価など)をヒアリングし、毎月の外食市場の動きを継続的に可視化している。3圏域限定で朝食・昼食は含まない市場調査ではあるが、飲食店などの事業所ヒアリングではなく、生活者に直接ヒアリングを行っていることから、性年代別や相手別の消費動向がわかり、外食している街や業種の情報が取得できていることが特徴。