日本フードサービス協会(JF)は2020年6月外食産業市場動向調査を発表した。全体(事業社数203、店舗数38,139店=98.6%)合計の売上高は78.1%と2桁の縮小。客単価は上昇し、客数は74.6%と2桁の大幅減。
すべての業種・業態で客数および売上高が前年同月を下回った。洋風ファストフードと持ち帰り米飯/回転寿司を除くほとんどの業種・業態は売上高が前年同月比2桁のダウン。
居酒屋とパブ・ビアホールは、客数および売上高ともに前年同月の50%に達しなかった。
客単価が上昇したのは、洋風ファストフード、麺類ファストフード、中華ファミリーレストラン、その他ファストフードなどで、テイクアウトやデリバリーに対応している業態だった。
JFによる概況は以下のとおり。
6月は、東京アラートの解除、全国的な県外移動自粛の解除に伴い、飲食店の営業時間制限も撤廃されたことから、店内飲食の客足が戻り始め、客数は底打ちの傾向が強まってきた。しかし、郊外・地方立地や食事主体業態で回復の兆しが比較的早く見えてきた一方で、都心部・繁華街立地、飲酒業態などは回復が遅れるなど、業態によって大きな差がみられ、外食全体の売上は前年を大きく下回る78.1%となった。特に「居酒屋・パブレストラン」の売上は前年の4割に届かず、依然として壊滅的な状況が続いている。
事業社数 | 店舗数 | 売上高(前年比) | 店舗数(前年比) | 客数(前年比) | 客単価(前年比) | ||
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全体 | (N=203) | (N=38,139) | 78.1% | 98.6% | 74.6% | 104.7% | |
ファストフード | 合計 | (N=52) | (N=21,806) | 88.2% | 98.7% | 79.3% | 111.3% |
洋風 | (N=17) | (N=6,299) | 96.1% | 99.6% | 80.8% | 118.8% | |
和風 | (N=15) | (N=5,149) | 86.8% | 100.9% | 84.5% | 102.7% | |
麺類 | (N=19) | (N=3,360) | 63.5% | 100.0% | 58.7% | 108.2% | |
持ち帰り米飯/回転寿司 | (N=14) | (N=4,345) | 93.1% | 93.8% | 91.0% | 102.2% | |
その他 | (N=10) | (N=2,653) | 86.9% | 99.4% | 81.0% | 107.3% | |
ファミリーレストラン | 合計 | (N=55) | (N=10,638) | 73.5% | 99.1% | 70.6% | 104.2% |
洋風 | (N=23) | (N=5,306) | 67.9% | 98.2% | 66.9% | 101.5% | |
和風 | (N=27) | (N=2,400) | 68.2% | 97.6% | 68.2% | 100.0% | |
中華 | (N=14) | (N=1,500) | 87.2% | 102.9% | 81.1% | 107.5% | |
焼肉 | (N=17) | (N=1,432) | 88.7% | 101.7% | 87.5% | 101.4% | |
パブ/居酒屋 | 合計 | (N=34) | (N=2,305) | 39.9% | 95.9% | 41.3% | 96.7% |
パブ・ビアホール | (N=9) | (N=335) | 34.2% | 98.8% | 36.1% | 94.6% | |
居酒屋 | (N=29) | (N=1,970) | 41.5% | 95.4% | 43.2% | 96.0% | |
ディナーレストラン(計) | (N=28) | (N=1,141) | 57.0% | 96.2% | 56.5% | 100.9% | |
喫茶(計) | (N=17) | (N=2,067) | 62.0% | 98.9% | 61.4% | 101.0% | |
その他(計) | (N=17) | (N=182) | 77.1% | 101.1% | 75.2% | 102.5% |
凡例:10%以上のプラス/5%以上のプラス/前年同月未達(四捨五入で100.0%となっているものを含む)/5%以上のマイナス/10%以上のマイナス。
※前年同月比は税抜比較で行っている。
※ファストフード、ファミリーレストラン、パブ/居酒屋の各業態の内訳に関しては、重複する事業社があるため合計の数値は必ずしも内訳の累積に一致しない。
ファストフード
ファストフード全体の事業社数は52、店舗数は21,806店(98.7%)。客単価は2桁アップと大幅に上昇し、客数は79.3%と2桁の大幅減。売上高は88.2%と2桁の縮小。
洋風ファストフード(事業社数17、店舗数6,299店=99.6%)は、客単価は2桁アップと大幅に上昇し、客数は80.8%と2桁の大幅減。売上高は96.1%と前年同月を下回った。
和風ファストフード(事業社数15、店舗数5,149店=100.9%)は、客単価は上昇し、客数は84.5%と2桁の大幅減。売上高は86.8%と2桁の縮小。
麺類ファストフード(事業社数19、店舗数3,360店=100.0%)は、客単価は際立って上昇し、客数は58.7%と2桁の大幅減。売上高は63.5%と2桁の縮小。
持ち帰り米飯/回転寿司ファストフード(事業社数14、店舗数4,345店=93.8%)は、客単価は上昇し、客数は91.0%と減少。売上高は93.1%と縮小。
その他ファストフード(事業社数10、店舗数2,653店=99.4%)は、客単価は際立って上昇し、客数は81.0%と2桁の大幅減。売上高は86.9%と2桁の縮小。
ファミリーレストラン
ファミリーレストラン全体の事業社数は55、店舗数は10,638店(99.1%)。客単価は上昇し、客数は70.6%と2桁の大幅減。売上高は73.5%と2桁の縮小。
洋風ファミリーレストラン(事業社数23、店舗数5,306店=98.2%)は、客単価は上昇し、客数は66.9%と2桁の大幅減。売上高は67.9%と2桁の縮小。
和風ファミリーレストラン(事業社数27、店舗数2,400店=97.6%)は、客単価は前年並みながら、客数は68.2%と2桁の大幅減。売上高は68.2%と2桁の縮小。
中華ファミリーレストラン(事業社数14、店舗数1,500店=102.9%)は、客単価は際立って上昇し、客数は81.1%と2桁の大幅減。売上高は87.2%と2桁の縮小。
焼肉ファミリーレストラン(事業社数17、店舗数1,432店=101.7%)は、客単価は上昇し、客数は87.5%と2桁の大幅減。売上高は88.7%と2桁の縮小。
パブ・居酒屋
パブ/居酒屋全体の事業社数は34、店舗数は2,305店(95.9%)。客単価は下降したが、客数は41.3%と2桁の大幅減。売上高は39.9%と2桁の縮小。
パブ・ビアホール(事業社数9、店舗数335店=98.8%)は、客単価は際立って下降したが、客数は36.1%と2桁の大幅減。売上高は34.2%と2桁の縮小。
居酒屋(事業社数29、店舗数1,970店=95.4%)は、客単価は下降したが、客数は43.2%と2桁の大幅減。売上高は41.5%と2桁の縮小。
ディナーレストラン
ディナーレストラン全体(事業社数28、店舗数1,141店=96.2%)は、客単価は前年並みながら、客数は56.5%と2桁の大幅減。売上高は57.0%と2桁の縮小。
喫茶
喫茶全体(事業社数17、店舗数2,067店=98.9%)は、客単価は上昇し、客数は61.4%と2桁の大幅減。売上高は62.0%と2桁の縮小。
その他の業態
その他全体(事業社数17、店舗数182店=101.1%)は、客単価は上昇し、客数は75.2%と2桁の大幅減。売上高は77.1%と2桁の縮小。
●日本フードサービス協会
http://www.jfnet.or.jp/data/data_c.html