ホットペッパーグルメ外食総研による外食市場調査※の2020年5月度調査結果では、外食市場規模が前年比25.5%。前月からは3ポイント改善したが、厳しい結果となった。
前月からは若干の改善。首都圏の打撃顕著
2020年5月の外食市場規模は、3圏域合計で825億円。前年同月比(以下、前年比)は‐2413億円で、2012年の調査開始以来、過去2番目に低い数値であった。
これで2カ月連続して市場規模は前年比で約4分の1という状況だが、前年比は4月の22.5%から5月は25.5%と3ポイントほど改善が見られた。また、主要3指標である外食実施率、外食頻度、外食単価については、外食頻度が調査開始以来の過去最低値を更新したが、外食実施率と外食単価は前月比では改善が見られた。
性年代別では、すべての性年代で外食実施率が前月よりは高く、前年比のマイナス幅が改善した。外食単価については40代女性をのぞくすべての性年代で前年実績を下回ったが、前月からは+18円の回復。
圏域別では首都圏で外食市場規模の前年比が23.1%と他の圏域に比べて低くなっている。2020年5月は全国の都道府県で順次緊急事態宣言が解除されたが、最も解除の遅かった首都圏での前年比が最も低く、緊急事態宣言下の消費者の行動と外食市場が相関していることがよくわかる。
2020年5月の外食実施率は 31.4%
前月比増減 +2.6pt、前年比増減 −45.1pt。
2020年5月の外食頻度は 3.08回/月
前月比増減 −0.10回、前年比増減 −1.13回。
2020年5月の外食単価は 2,088円
前月比増減 +18円、前年比増減 −356円。
2020年5月の外食市場規模は 825億円
前月比増減 +53億円、前年比増減 −2413億円。
飲酒主体業態は前年比5分の1以下の市場規模
業態別では主要16業態は3カ月連続して市場規模が前年比・前月比ともにマイナス。
「居酒屋」(前年比増減−609億円)、「和食料理店」(同−326億円)、「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」(前年比増減−226億円)等で減少幅が大きかった。延べ外食回数が前年を上回った業態はなく、単価が前年を上回ったのは「カラオケボックス」(前年比+2,015円)、「ファストフード」(前年比+115円)、「アジアン料理店」(前年比+98円)「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」(前年比+49円)、「牛丼、カレー等一品もの専売業態」(前年比+37円)、の5業態だった。
市場規模の増減率で見ると、前年同月比増減率では、食事主体業態(前年比29.0%、前月比+3.0pt)、飲酒主体業態(同19.1%、同+3.0pt)、軽食主体業態(同32.8%、同−5.3pt)と軽食主体業態以外では、前月からは若干の回復傾向が見られるが、飲酒主体業態では依然として前年比では5分の1以下の市場規模にとどまり、厳しい経営環境であると言える。
前年比プラス業態
なし
前年比±0の業態
なし
前年比マイナス業態
「和食料理店」「中華料理店」「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」「フレンチ・イタリアン料理店」「アジアン料理店」「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」「お好み焼き、鉄板焼き等の専業店」「すき焼き、しゃぶしゃぶ、鍋、おでん等の専業店」「ファミリーレストラン、回転すし等」「ラーメン、そば、うどん、パスタ、ピザ等の専業店」「居酒屋」「バー、バル、ワインバー、ビアホール、パブ」「カラオケボックス」「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」「ファストフード」「牛丼、カレー等一品もの専売業態」
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査は、リクルートライフスタイル(東京都千代田区、淺野健社長)の外食に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」が行っている調査。毎月、首都圏・東海圏・関西圏の約9,000~1万人を対象に「外食市場調査」を実施している。
この「外食市場調査」では、圏域内の生活者による毎日の夕方以降の食事や飲酒について、外食と中食の内容(場所、相手、単価など)をヒアリングし、毎月の外食市場の動きを継続的に可視化している。3圏域限定で朝食・昼食は含まない市場調査ではあるが、飲食店などの事業所ヒアリングではなく、生活者に直接ヒアリングを行っていることから、性年代別や相手別の消費動向がわかり、外食している街や業種の情報が取得できていることが特徴。