ホットペッパーグルメ外食総研による外食市場調査※の2019年12月度調査結果では、外食市場規模は5カ月連続でマイナスとなった。業態別では「居酒屋」で7カ月、「和食料理店」等で5カ月にわたり前年割れが続いている。
外食市場規模は前年同月比241億円のマイナス
2019年12月の外食市場規模は、3圏域合計で4039億円。前年同月比(以下、前年比)は−241億円と、大きく前年を下回った。市場規模が前年を割り込むのは、これで5カ月連続。また、12月の市場規模としては、2012年の調査開始以来、最低額であった。
外食実施率(77.5%、前年比増減−1.0pt)は12月としては最低値を記録し、外食頻度(4.27回/月、前年比増減−0.20回)も前年割れした。外食単価2,973円(前年比増減+25円)は前年を上回り、単月としての過去最高額を更新したが、増加幅は増税によって自然増加するであろう幅には届いていないため、実質的には(税抜き額では)前年比マイナスとみることもできる。
12月は前年に比べて天皇誕生日がなくなるなど、カレンダー上で外食には不利な点があったが、増税により税率10%となった外食への消費意欲の減退も影響していると考えられる。
2019年12月の外食実施率は77.5%
前月比増減+1.1pt、前年比増減−1.0pt。
2019年12月の外食頻度は4.27回/月
前月比増減+0.05回、前年比増減−0.20回。
2019年12月の外食単価は2,973円
前月比増減+411円、前年比増減+25円。
2019年12月の外食市場規模は4039億円
前月比増減+646億円、前年比増減−241億円。
主要16業態のうち11業態が前年割れ
業態別では、主要16業態中、市場規模が前年比プラスだったのは5業態にとどまった。
「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」(前年比増減+13億円)、「お好み焼き、鉄板焼き等の専業店」(同+4億円)、「バー、バル、ワインバー、ビアホール、パブ」(同+4億円)等で前年を上回った。一方、「居酒屋」(前年比増減−92億円)「和食料理店」(前年比増減−52億円)、「フレンチ・イタリアン料理店」(前年比増減−43億円)等で、市場規模が前年を下回った。
延べ外食回数でもっとも伸びたのは「お好み焼き、鉄板焼き等の専業店」で前年比+10万回、また、単価が最も伸びたのは「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」で前年比+1,395円だった。
「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」は延べ外食回数、単価とも前年を上回った。「居酒屋」は7カ月連続、「和食料理店」は5カ月連続して市場規模が前年比マイナスとなっている。
前年比プラス業態
「中華料理店」「お好み焼き、鉄板焼き等の専業店」「バー、バル、ワインバー、ビアホール、パブ」「カラオケボックス」「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」
前年比±0の業態
前年比マイナス業態
「和食料理店」「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」「フレンチ・イタリアン料理店」「アジアン料理店」「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」「すき焼き、しゃぶしゃぶ、鍋、おでん等の専業店」「ファミリーレストラン、回転すし等」「ラーメン、そば、うどん、パスタ、ピザ等の専業店」「居酒屋」「ファストフード」「牛丼、カレー等一品もの専売業態」
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査は、リクルートライフスタイル(東京都千代田区、淺野健社長)の外食に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」が行っている調査。毎月、首都圏・東海圏・関西圏の約9,000~1万人を対象に「外食市場調査」を実施している。
この「外食市場調査」では、圏域内の生活者による毎日の夕方以降の食事や飲酒について、外食と中食の内容(場所、相手、単価など)をヒアリングし、毎月の外食市場の動きを継続的に可視化している。3圏域限定で朝食・昼食は含まない市場調査ではあるが、飲食店などの事業所ヒアリングではなく、生活者に直接ヒアリングを行っていることから、性年代別や相手別の消費動向がわかり、外食している街や業種の情報が取得できていることが特徴。