ホットペッパーグルメ外食総研による外食市場調査※の2019年11月度調査結果では、4カ月連続で前年を下回った。外食頻度が前年同月を下回り、外食単価も11月としては高水準だったが前年同月を下回った。
増税後の外食消費マインド反映の可能性
2019年11月の外食市場規模は、3圏域合計で3,393億円。前年同月比(以下、前年比)は−43億円と、4カ月連続で前年を下回った。外食実施率(76.4%、前年比増減+0.1pt)は前年を上回ったが、外食頻度(4.22回/月、前年比増減−0.01回)と外食単価2,562円(前年比増減−6円)は前年を下回った。外食単価(税込みで回答)は、調査を開始した2012年10月以降では、11月としては過去2番目に高い平均額ではあったものの、10月から引き上げられた消費税増税分を考えると、それまでと同じ本体価格の消費をした場合は自然と上乗せされることになるはずが、増額どころか前年比マイナスに転じ、これが響いた。
11月は前年に比べてカレンダー上は不利な点はなく、天候上も前月の台風のような特段考慮すべき事情がないため、今月の数字が増税後の外食消費マインドのシビアな状況を表している可能性がありそうだ。圏域別には、首都圏では市場規模が前年比プラスに転じた一方、関西圏は7カ月連続して前年割れと不調が続いている。
2019年11月の外食実施率は76.4%
前月比増減+2.0pt、前年比増減+0.1pt。
2019年11月の外食頻度は4.22回/月
前月比増減+0.16回、前年比増減−0.01回。
2019年11月の外食単価は2,562円
前月比増減+33円、前年比増減−6円。
2019年11月の外食市場規模は3,393億円
前月比増減+253億円、前年比増減−43億円。
回数は肉系、単価はアルコール系で伸び
業態別では、主要16業態中、市場規模が前年比プラスだったのは7業態にとどまった。「ファミリーレストラン、回転すし等」(前年比増減+13億円)、「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」(同+10億円)、「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」(同+10億円)等で前年を上回った。
一方、「和食料理店」(前年比増減−52億円)、「居酒屋」(前年比増減−19億円)等で、市場規模が前年を下回った。
延べ外食回数でもっとも伸びたのは「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」で前年比+24万回、また、単価が最も伸びたのは「バー、バル、ワインバー、ビアホール、パブ」で前年比+328円だった。
「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」「ファミリーレストラン、回転すし等」は延べ外食回数、単価とも前年を上回った。「居酒屋」は6カ月連続で市場規模が前年比マイナスと不調から抜け出せない。
前年比プラス業態
「中華料理店」「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」「フレンチ・イタリアン料理店」「アジアン料理店」「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」「ファミリーレストラン、回転すし等」「バー、バル、ワインバー、ビアホール、パブ」
前年比±0の業態
「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」
前年比マイナス業態
「和食料理店」「お好み焼き、鉄板焼き等の専業店」「すき焼き、しゃぶしゃぶ、鍋、おでん等の専業店」「ラーメン、そば、うどん、パスタ、ピザ等の専業店」「居酒屋」「カラオケボックス」「ファストフード」「牛丼、カレー等一品もの専売業態」
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査は、リクルートライフスタイル(東京都千代田区、淺野健社長)の外食に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」が行っている調査。毎月、首都圏・東海圏・関西圏の約9,000~1万人を対象に「外食市場調査」を実施している。
この「外食市場調査」では、圏域内の生活者による毎日の夕方以降の食事や飲酒について、外食と中食の内容(場所、相手、単価など)をヒアリングし、毎月の外食市場の動きを継続的に可視化している。3圏域限定で朝食・昼食は含まない市場調査ではあるが、飲食店などの事業所ヒアリングではなく、生活者に直接ヒアリングを行っていることから、性年代別や相手別の消費動向がわかり、外食している街や業種の情報が取得できていることが特徴。