日本フードサービス協会(JF)は2019年10月外食産業市場動向調査を発表した。全体(事業社数187、店舗数35,005店=99.9%)合計の売上高は97.6%と前年同月を下回った。客単価は上昇し、客数は94.6%と減少。
中華FR、焼肉FR、パブ・ビアホールを除くすべての業態で客数が前年割れとなった。
最も客数を減らしたのはアイスクリームなどの「その他ファストフード」(65.7%)と、総合飲食、宅配ピザ、給食などを含む「その他」(84.3%)。洋風ファミリーレストラン(90.3%)、和風ファミリーレストラン(91.4%)、居酒屋(92.6%)、喫茶(93.9%)も客数減の幅が大きかった。
このうち、「その他ファストフード」の客数減は昨年の携帯電話会社とのコラボキャンペーンの反動によるところが大きいが、全体的には消費増税と台風の影響を受けたところが多い。
売上高が前年同月をクリアしたのは、洋風ファストフード(105.0%)、中華ファミリーレストラン(102.3%)、和風ファストフード(102.2%)、焼肉ファミリーレストラン(100.8%)、パブ・ビアホール(102.7%)。
中華ファミリーレストランと焼肉は店舗増によって引き上げられている部分がある。パブ・ビアホールはラグビーワールドカップの特需が期待されたが微増という結果となった。
JFでは「10月は、東日本に大きな被害をもたらした台風19号が連休を直撃し、関東地方の多くの店が休業・営業時間短縮を余儀なくされ、すべての業態で客数が前年を下回った。10月は消費増税が始まり、一部では店内飲食と持ち帰りの税込価格を統一するなど各社対応に追われた。レストランや居酒屋など店内飲食中心の業態では、月前半を中心に、客足にマイナスの影響がみられたところもあった。売上はFF以外の業態で前年を下回り、全体の売上は97.6%となった」としている。
事業社数 | 店舗数 | 売上高(前年比) | 店舗数(前年比) | 客数(前年比) | 客単価(前年比) | ||
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全体 | (N=187) | (N=35,005) | 97.6% | 99.9% | 94.6% | 103.2% | |
ファストフード | 合計 | (N=52) | (N=19,217) | 100.6% | 100.5% | 95.8% | 105.0% |
洋風 | (N=16) | (N=6,301) | 105.0% | 99.4% | 98.7% | 106.4% | |
和風 | (N=19) | (N=5,209) | 102.2% | 101.5% | 99.8% | 102.4% | |
麺類 | (N=19) | (N=3,197) | 95.7% | 101.8% | 95.1% | 100.6% | |
持ち帰り米飯/回転寿司 | (N=14) | (N=1,858) | 97.5% | 99.3% | 97.7% | 99.8% | |
その他 | (N=9) | (N=2,652) | 85.4% | 100.3% | 65.7% | 129.9% | |
ファミリーレストラン | 合計 | (N=51) | (N=9,338) | 94.7% | 99.8% | 92.7% | 102.2% |
洋風 | (N=21) | (N=4,873) | 92.2% | 99.0% | 90.3% | 102.2% | |
和風 | (N=27) | (N=1,943) | 91.9% | 97.9% | 91.4% | 100.5% | |
中華 | (N=12) | (N=1,103) | 102.3% | 103.4% | 101.3% | 101.0% | |
焼肉 | (N=17) | (N=1,419) | 100.8% | 102.5% | 100.8% | 100.0% | |
パブ/居酒屋 | 合計 | (N=31) | (N=2,198) | 93.5% | 96.7% | 95.6% | 97.8% |
パブ・ビアホール | (N=7) | (N=289) | 102.7% | 97.6% | 104.6% | 98.2% | |
居酒屋 | (N=27) | (N=1,909) | 91.4% | 96.6% | 92.6% | 98.7% | |
ディナーレストラン(計) | (N=25) | (N=991) | 96.6% | 98.6% | 96.6% | 100.0% | |
喫茶(計) | (N=12) | (N=2,020) | 97.7% | 101.1% | 93.9% | 104.1% | |
その他(計) | (N=16) | (N=1,241) | 85.8% | 96.4% | 84.3% | 101.9% |
凡例:10%以上のプラス/5%以上のプラス/前年同月未達(四捨五入で100.0%となっているものを含む)/5%以上のマイナス/10%以上のマイナス。
※前年同月比は税抜比較で行っている。
※ファストフード、ファミリーレストラン、パブ/居酒屋の各業態の内訳に関しては、重複する事業社があるため合計の数値は必ずしも内訳の累積に一致しない。
ファストフード
ファストフード全体の事業社数は52、店舗数は19,217店(100.5%)。客単価は際立って上昇し、客数は95.8%と前年同月を下回った。売上高は100.6%と前年同月をクリア。
洋風ファストフード(事業社数16、店舗数6,301店=99.4%)は、客単価は際立って上昇し、客数は98.7%と前年同月を下回った。売上高は105.0%と拡大。
和風ファストフード(事業社数19、店舗数5,209店=101.5%)は、客単価は上昇しながら、客数は99.8%とほぼ前年並み。売上高は102.2%と前年同月を上回った。
麺類ファストフード(事業社数19、店舗数3,197店=101.8%)は、客単価は前年並みながら、客数は95.1%と前年同月を下回った。売上高は95.7%と前年同月を下回った。
持ち帰り米飯/回転寿司ファストフード(事業社数14、店舗数1,858店=99.3%)は、客単価はやや低めの前年並みながら、客数は97.7%と前年同月を下回った。売上高は97.5%と前年同月を下回った。
その他ファストフード(事業社数9、店舗数2,652店=100.3%)は、客単価は2桁アップと大幅に上昇し、客数は65.7%と2桁の大幅減。売上高は85.4%と2桁の縮小。
ファミリーレストラン
ファミリーレストラン全体の事業社数は51、店舗数は9,338店(99.8%)。客単価は上昇し、客数は92.7%と減少。売上高は94.7%と縮小。
洋風ファミリーレストラン(事業社数21、店舗数4,873店=99.0%)は、客単価は上昇し、客数は90.3%と減少。売上高は92.2%と縮小。
和風ファミリーレストラン(事業社数27、店舗数1,943店=97.9%)は、客単価は前年並みながら、客数は91.4%と減少。売上高は91.9%と縮小。
中華ファミリーレストラン(事業社数12、店舗数1,103店=103.4%)は、客単価は上昇したが、客数は101.3%と前年同月を上回った。売上高は102.3%と前年同月を上回った。
焼肉ファミリーレストラン(事業社数17、店舗数1,419店=102.5%)は、客単価は前年並みで、客数は100.8%と前年並み。売上高は100.8%と前年同月をクリア。
パブ・居酒屋
パブ/居酒屋全体の事業社数は31、店舗数は2,198店(96.7%)。客単価は下降したが、客数は95.6%と前年同月を下回った。売上高は93.5%と縮小。
パブ・ビアホール(事業社数7、店舗数289店=97.6%)は、客単価は下降し、客数は104.6%と前年同月を上回った。売上高は102.7%と前年同月を上回った。
居酒屋(事業社数27、店舗数1,909店=96.6%)は、客単価は下降したが、客数は92.6%と減少。売上高は91.4%と縮小。
ディナーレストラン
ディナーレストラン全体(事業社数25、店舗数991店=98.6%)は、客単価は前年並みながら、客数は96.6%と前年同月を下回った。売上高は96.6%と前年同月を下回った。
喫茶
喫茶全体(事業社数12、店舗数2,020店=101.1%)は、客単価は上昇し、客数は93.9%と減少。売上高は97.7%と前年同月を下回った。
その他の業態
その他全体(事業社数16、店舗数1,241店=96.4%)は、客単価は上昇し、客数は84.3%と2桁の大幅減。売上高は85.8%と2桁の縮小。
●日本フードサービス協会
http://www.jfnet.or.jp/data/data_c.html