ホットペッパーグルメ外食総研による外食市場調査※の2019年7月度調査結果では、外食市場規模が7月としては過去最高を記録した。苦戦した業態が多かったが、ファストフードや和食料理店とスナック、ナイトクラブ、キャバレーなど居酒屋を除く料飲系の業態が好調で全体を牽引した。
7月の外食市場規模は3478億円
2019年7月の外食市場規模は、3圏域合計で3478億円。前年同月比(以下、前年比)は+29億円で2カ月ぶりに前年を上回った。7月としては2013年の調査開始以来、過去最大の市場規模を記録した。外食実施率と頻度は前年割れしたが、外食単価が3圏域そろって前年比プラスとなり、7月としては調査開始以来の最高額であった。
7月は前年に比べて日曜が1日少なかった。また、とくに首都圏などで前年に比べ、雨の日の日数が多く、天候に恵まれなかったため外食実施率や頻度に影響が出たと思われる。ただ、外食単価の伸びがそれらを上回る影響だったため市場規模が前年比プラスとなった。
外食単価は30代と60代で男女とも前年比プラスで、とくに60代男性では3,380円(前年比+408円)と大きく伸びた。圏域別では、関西圏(前年比−3億円)、東海圏(同−13億円)を首都圏(同+44億円)がカバーした形となった。
2019年7月の外食実施率は76.0%
前月比増減+0.2pt、前年比増減−0.1pt。
2019年7月の外食頻度は4.23回/月
前月比増減+0.05回、前年比増減−0.10回。
2019年7月の外食単価は2,632円
前月比増減+65円、前年比増減+102円。
2019年7月の外食市場規模は3478億円
前月比増減+139億円、前年比増減+29億円。
料飲系業態が好調、市場をけん引
業態別では、主要16業態中、市場規模が前年比プラスだったのは6業態。「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」(前年比増減+57億円)、「和食料理店」(同+22億円)等で前年を上回った。
逆に「居酒屋」(前年比増減−24億円)、「フレンチ・イタリアン料理店」前年比増減−24億円)等8業態では、市場規模が前年を下回った。
延べ外食回数でもっとも伸びたのは「ラーメン、そば、うどん、パスタ、ピザ等の専業店」で前年比+29万回、また、単価が最も伸びたのは「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」で前年比+6,532円だった。「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」はこれで4カ月連続して市場規模が前年超え。
先月まで13カ月連続して年市場規模を上回っていた「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」は逆に前年比マイナスに転落。「アジアン料理店」は5カ月連続で前年実績を下回っている。
前年比プラス業態
「和食料理店」「すき焼き、しゃぶしゃぶ、鍋、おでん等の専業店」「ラーメン、そば、うどん、パスタ、ピザ等の専業店」「バー、バル、ワインバー、ビアホール、パブ」「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」「ファストフード」
前年比±0の業態
「お好み焼き、鉄板焼き等の専業店」「カラオケボックス」
前年比マイナス業態
「中華料理店」「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」「フレンチ・イタリアン料理店」「アジアン料理店」「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」「ファミリーレストラン、回転寿司」「居酒屋」「牛丼、カレー等一品もの専売業態」
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査は、リクルートライフスタイル(東京都千代田区、淺野健社長)の外食に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」が行っている調査。毎月、首都圏・東海圏・関西圏の約9,000~1万人を対象に「外食市場調査」を実施している。
この「外食市場調査」では、圏域内の生活者による毎日の夕方以降の食事や飲酒について、外食と中食の内容(場所、相手、単価など)をヒアリングし、毎月の外食市場の動きを継続的に可視化している。3圏域限定で朝食・昼食は含まない市場調査ではあるが、飲食店などの事業所ヒアリングではなく、生活者に直接ヒアリングを行っていることから、性年代別や相手別の消費動向がわかり、外食している街や業種の情報が取得できていることが特徴。